更新日: 2020.05.03 その他暮らし
身に覚えのないマスクが届く!?被害にあった際の注意点
いまだに、マスクについては店頭に入荷するとすぐに売り切れになってしまう中、洗って繰り返し使えるマスクはありがたいですね。
国による国民の生活を支援する策が次々と定められていく一方で、新型コロナウイルスの感染症に便乗した詐欺が発生しています。新型コロナウイルス感染症の予防効果があるような表示は、消費者が行動を間違うため、消費者庁は業者に対し表示の改善を要請しています。
マスクや消毒液は、令和2年4月半ば現在でも不足している状態から、消費者は敏感になっています。マスクの在庫が十分ないのに在庫があるように表示した業者に、消費者庁は指導しています。
注文していないマスクや消毒用ジェルが送られてくる相談事例を、消費者庁が公表しています。
執筆者:林智慮(はやし ちりよ)
CFP(R)認定者
確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。
身に覚えがない商品が届く…ネガティブ・オプション
消費者庁ホームページによれば、「封筒に入った使い捨てマスク30枚が宅配便で届いた。家族もまったく心当たりがない。請求書は入ってないが、どうしたらいいのか」という相談が多く寄せられていることが公表されています。
注文してない商品を勝手に送りつけ、断られなければ買った物とみなして代金を一方的に請求するのをネガティブ・オプションといいます。
それでは、どうすればよいのでしょうか。
急に送りつけられると「どうしよう」と焦りますが、まず落ち着くことが大切です。
送りつけられる前に電話連絡があって、商品の売買契約の勧誘があり、その売買契約の締結を申し込んだ場合、契約が成立します。
しかし、怪しいので解約したい場合は、商品が届いた場合でも、契約書面を受け取ってから8日以内であれば無条件で契約の解除(クーリング・オフ)ができます。書面を受け取ってなければいつでも可能です。
慌てて事業者に連絡しない
しかし、送りつけられる前に何も電話勧誘がない場合、電話勧誘はあったが勧誘を断った場合は、契約は成立しませんのでお金を払ってはいけません。
勝手に送ってきた事業者に連絡する必要もありません。送られてきた商品は使わず保管します。
商品が送られた日から事業者の引き取りがないまま14日が過ぎたら、商品を自由に処分できます。その後は事業者の引き取りに応じる必要はありません。
この前に事業者に引き取りを請求すれば、請求の日から7日間の保管で済みますが、販売会社に電話番号が知られてしまうリスクがあります。
電話勧誘がなく突然送られてきたら、連絡せず、使用せず保管し、14日間待って処分するのが安全です。
国のマスクはポストに配布
国によるマスクの全戸配布が始まっていますが、業者のネガティブ・オプションと間違えることはないのでしょうか。国のマスクはどのように配布されるのでしょうか。
国のマスクは、日本郵便の全戸配布のシステムを活用して、お知らせ文と一緒に、透明の袋に包んで配布され、対面ではなくポストに投函されます。間違えられることはないでしょう。
ネガティブ・オプション以外にも、マスクを無料送付するというメッセージがスマートフォンに届き、確認をするようURLがついた相談事例も国民生活センターが公表しています。
マスク不足につけ込んだ手口ですが、国によるガーゼマスクが1住所2枚の配布がされます。ハンカチを利用した簡易マスクで代用することもできます。
不審なものには、慌てず対応することが大切です。
(参考)
消費者庁 新型コロナウイルス感染症に便乗した身に覚えのない商品の送りつけにご注意ください
消費者庁 感染症に関連した消費者トラブル回避のために
厚生労働省 布マスクの全戸配布に関するQ&A
警視庁 ネガティブ・オプション(送りつけ商法)
消費者 庁新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする商品等の表示に関する改善要請等及び一般消費者等への注意喚起について(第2報)
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者