「保障・補償・保証」、同じ「ほしょう」だけど何が違う?

配信日: 2020.05.11

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「保障・補償・保証」、同じ「ほしょう」だけど何が違う?
新型コロナウイルス問題では、会社を休んだことによる賃金の「ほしょう」がどうなるかというのがニュースになっています。ところでその場合の「ほしょう」には、どの漢字を当てはめるか、ご存じでしょうか。
 
世の中で使われているお金や待遇などに関係する「ほしょう」という言葉は、たとえ同じ読み方であっても、漢字にすると「保障」「補償」「保証」と3種類になります。それぞれ似ているようですが、意味が大きく違います。
 
ちなみに会社を休んだことによる賃金の「ほしょう」といった場合は、「補償」という字が当てられます。
 
今回はそれぞれの違いについてご紹介します。
 
大場脩

執筆者:大場脩(おおば しゅう)

ファイナンシャルプランナー。

山形をベースに全国で活動する。
本人が地方在住、そして独身のため、独身向けのマネープラン、地方ならではのマネープラン実情に精通している。
得意分野は、専門用語を使わないお金の話、資産運用、確定拠出年金、保険の見直し、地方在住者の教育資金など身近なお金に関わること全般。
お金のことは前向きにシンプルに考えることがモットー。
ブログはほぼ毎日更新、専門用語を使わないわかりやすい説明を心がけている。
地元山形の金融リテラシー向上のために日々奔走中。
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保障とは?

広辞苑によると、保障とは「障害のないように保つこと。侵されたり損なわれたりしないように守ること。」
 
お金の世界では、主に生命保険や医療保険の話でこの「保障」という漢字が使われます。
 
例えば、死亡した場合は「今まであった日常が死亡したことによって侵されている状態」、病気をした場合は「今まであった健康が損なわれている状態」になります。その侵された状態や損なわれた状態を埋め合わせるために、保険金や給付金が支払われるのが生命保険や医療保険です。
 
ですので、その場合は「保障」の字を当てるのが適切です。

補償とは?

同じく広辞苑によると、補償とは「損害や出費を金銭などでおぎないつぐなうこと。」
 
お金の世界では、主に損害保険の世界で使われます。自分が損害を受けた場合や相手に損害を負わせた場合に保険金を受け取る、保険金を支払うという意味です。
 
例えば、私が冬道でスリップ事故を起こしたときの話を例にします。当時、車両保険金額110万円の補償内容で自動車保険に入っていましたので、車が全損で廃車になり、110万円の保険金を受け取りました。
 
また、縁石を壊してしまったので、その修理費用約30万円も補償してもらいました。
 
車が壊れたのでその損害をつぐなってもらい、縁石の修理費は保険を通じてつぐないました。補償の「償」は「つぐなう」という意味ですので、このような場合は「補償」の字を当てるのが適切です。

保証とは?

こちらも広辞苑によると、保証とは「大丈夫だ、確かだとうけあうこと。」
 
お金の世界では主にお金を貸し借りするときに使われます。例えば保険で「退院後の通院を保証します」とはいいませんし、「弊社の火災保険の保証内容は…」ともいいません。
 
例えば「この人の債務を保証する」といった使い方をします。これはこの人の債務(借金を返すべき義務)は確かで、借金を返すことができることは確かだという意味です。よく使われるのが連帯保証という言葉です。
 
こちらも連帯保障とは書きませんし、連帯補償とも書きません。上記のようにお金の貸し借りの際は「保証」という字を当てるのが適切です。

3つの違いに注意してみてください。

保障・補償・保証の使い分けは難しいものですが、状況に応じて使うべき言葉は決まっています。保障と補償と保証を混同して使用している人やサイトがいたら、そのサイトやその人は少し知識が不足しているかもしれませんね。
 
[出典]広辞苑第7版/岩波書店
 
執筆者:大場脩
ファイナンシャルプランナー


 

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