片づけの美学69 過去の片づけで懐かしんだり、笑ったりしてスッキリしませんか
配信日: 2020.05.20
執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表
整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。
<美学のある暮らし>
目次
時間がないと後回しの対象「思い出のモノ」
家にモノが増えてきていることが気になっていても、「時間がない」「やる気が出ない」とこれまでは手をつけられなかった方も多いのではないでしょうか。
自宅で過ごすことが多くなった昨今、ぴったりなのがモノを減らす片づけ。特に過去の思い出のモノとさよならする片づけは、有意義な時間を過ごすのにぴったりです。思い出の片づけは、手が止まりやすく、時間がかかってしまうので、時間があるこのような機会は本当におすすめです。
過去のモノを見返すと、思い出がよぎり、感情が動く
思い出がつらい・悲しいに関連していると、「見たくない」という気持ちから手がつけられないことが多いことでしょう。逆に、思い出が楽しい・大切に関連していても、「大切なモノだから」と手がつけられないのは同じです。
過去のモノに触れることで、それぞれ感情が揺さぶられることになるでしょう。涙があふれたり、思わず吹き出してしまったりと、人に会うことも減り、刺激されることが少なかった感情が予想以上に駆り立てられるかもしれません。
そんな思い出をしっとり感じながら片づけができるのも、「今だからこそ」かもしれません。
そして、感情があまり刺激されなかった場合、お持ちの思い出のモノは賞味期限が切れている可能性が高いです。思い出を味わう期限が過ぎてしまっています。つまり、「持っていなくてもいい」というサインなのです。
前は捨てられなかったけど、今ならどう?
以前は捨てるなんて考えられなかったモノが、「どうでもよいモノ」「どっちでもいいモノ」になってはいませんか?
例えば、子どもの小さい頃の絵。クレヨンで意図なく書かれた線に感動していた幼少期は、らくがきレベルの絵を何枚も保管していたかもしれません。でも、子どもが成長して、親が驚くほど上手な描写作品を描くようになったとしたら、幼少期の線の絵は、色あせてしまうでしょう。
1枚・2枚残しておけば十分だと思えるようになっているかもしれません。趣味のモノ、旅行先の思い出、賞状などの成長過程の思い出など、いろいろなモノが当てはまります。
やっぱりまだ捨てられない時の対処法
まだ捨てる決心ができないモノもあるでしょう。しかし、ここ数年触っていないとしたら、処分の予備軍にしてしまってもいいかもしれません。
対処法の1つは、写真に撮って、処分する方法です。形はなくなりますが、コンパクトにたくさんの情報を残しておくことができます。
2つ目の対処法は、未来の処分を段取りしておくことです。段ボール箱や袋などに入れて、封をします。外側に「今日の日付」、「〇年後に処分予定」とメモ書きをしておきます。
その〇年後までに一度も開封しなければ、あなたにはもう必要ないといえるのではないでしょうか。なかなか捨てられないモノがある方は試してみてください。ゴミ分別のメモも書いておくと、処分がさらに楽になります。
新しい思い出のためにスペースを
思い出のモノが大きなスペースを占めている場合、それらを処分すると、とてもスッキリします。スッキリした分、新しい思い出のモノを増やしたり、思い出を作ったりすることができます。先のことを考えて、ウキウキしたり、楽しい気分を味わってみませんか。
執筆者:奥野愉加子
美学のある暮らし 代表