更新日: 2020.06.14 子育て
新型コロナで休学。学費、習い事の月謝はどうなる?
今回はすでに納入した学費や月謝はどうなるのか、学費のやりくりに困っている学生はどうしたら良いのかチェックしていきましょう。
執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
高校や大学の場合
新型コロナウイルスによる小中高校などの学校を休校にする動きは、2020年3月からスタートしました。実際のところ、3月から5月まで、子どもが学校に通っていない場合でも、入学金や授業料を納入している方がほとんどではないでしょうか。
高校の授業料について、文部科学省は「休校になった授業料は、必ずしも返還が生じるものではない」という通達を発表しています(※1)。
つまり、基本的には納入した授業料は返金されないようです。多くの学校では休校期間中に宿題や課題を渡したり、オンラインで授業を行っています。
もちろん、通常の授業は受けることができていませんが、先生や学校運営側もこのような特別な状況においてさまざまなコストがかかっており、私たちが納入した授業料は学校の運営を適切に行うために使われていると考えられます。
お金に困っている学生への支援
しかし、残念ながら新型コロナウイルスにより収入が減るなどして、学費を支払うことができないと悩んでいるお父さんお母さんたちもいるかもしれません。そんな方々にぜひ知っておいてもらいたいのが、国の支援制度です。
2020年4月からスタートした「高等教育の修学支援新制度(※2)」は、世帯収入が大きく減った場合、高校の授業料・入学金の免除や減額、さらに給付型の奨学金を支給してもらうことができます。対象となるのは住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯の学生で、目安は4人家族で年収が約380万円までのご家庭です。
さらに、大学、大学院や専門学校の学生が無利子でお金を借りることができる「緊急採用(無利子)奨学金」というものもあります。
こちらは、子どもが1人から3人世帯の場合、年収が一定年収(700万円~1290万円)以下のご家庭が対象で、学修意欲があることが条件となります。学費が払えないと困っている方は、まず文部科学省のホームページ(※3)を確認してみましょう。
習い事や塾の月謝はどうなる?
最後に、子どもたちが通っている習い事や塾の学費について見ていきます。
基本的に習い事や塾の月謝はそれぞれ個別対応となっており、誠意を持って返金に応じてくれる場合もあれば、緊急事態宣言が解除された後に振り替えをしてくれる場合もあるでしょう。まだ未定としているところも少なくありません。
塾や習い事の教室に連絡を取り、授業料の返金ルールはあるのか、今後月謝についてどのような対応をするのかを確認すると良いでしょう。さらに、いつ授業やレッスンが再開するのか分からないから、もうお金を払いたくないと考えている方は、休会や退会手続きを行うことを検討してみましょう。
いかがだったでしょうか。新型コロナウイルスによる休校は、今まで誰も経験したことがない緊急事態です。授業料や月謝についての取り扱いも、臨機応変に対応しているケースが多いので、情報にアンテナを張り、必要な手続きを行うようにしましょう。
特に、収入が減って経済的に苦しい世帯などは、今回ご紹介した支援制度などをぜひ利用してみてくださいね。
参考
(※1)文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課 新型コロナウイルス感染症対策のための小学校,中学校,高等学校 及び特別支援学校等における一斉臨時休業に関するQ&Aの送付について(3月4日時点)
(※2)文部科学省 高等教育の修学支援新制度
(※3)文部科学省 新型コロナウィルス感染症の影響で学費等支援が必要になった学生のみなさんへ
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者