更新日: 2020.06.26 子育て

緊急特別無利子貸与型奨学金、「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』とは?

執筆者 : 新美昌也

緊急特別無利子貸与型奨学金、「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』とは?
新型コロナウイルス感染症の影響で、仕送りやアルバイト収入が減少し学生生活に影響が出ています。
 
日本学生支援機構では、これまでも経済的に困窮する大学生等の修学を支援するために、高等教育の修学支援新制度(入学金・授業料の減免および給付型奨学金)や、貸与型奨学金の家計急変対応を行ってきました。
 
しかし、今後も感染症の影響が長期にわたり、さらに学生生活に甚大な影響を与える事態が予想されますので、これに対応するため、「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』および「緊急特別無利子貸与型奨学金」が新たに支援策に加わりましたので紹介します。
 
新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

緊急特別無利子貸与型奨学金とは?

日本学生支援機構の貸与型奨学金には、無利子の第一種奨学金と、有利子の第二種奨学金があります。いずれも、返還義務があります。
 
緊急特別無利子貸与型奨学金は、第二種奨学金制度を活用しつつ利子分を国が補填し、実質無利子にて貸与されるものです。
 
利用するには、以下のすべての要件に当てはまることが必要です。
 
(1)第二種奨学金の基準(人物・学力・家計※)を満たしていること
(2)申込時点で、第二種奨学金の貸与を受けていないこと
(3)家庭から多額の仕送りを受けていないこと(仕送り額が年間150万円以上ではないこと)
(4)生活費・学費に占めるアルバイト収入の占める割合が高いこと
(5)本人のアルバイト収入について、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により大幅に減少(前月比50%以上減少)したこと
※年収の目安(4人世帯・私大・自宅外生)は、約1200万円です。なお、無利子の第一種奨学金の場合は約850万円です。
 
貸与金額は第二種奨学金と同じです。具体的には、大学・短期大学・専門学校・高等専門学校は2~12万円の中から1万円単位で選択。
 
大学院は、5万円・8万円・10万円・13万円・15万円から選択します。貸与期間は令和2年4月~9月(希望月を選択)から令和3年3月までで、申込み(学校からの推薦)後、最短で翌月に口座に振り込まれます。
 

「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』とは?

支援対象者に該当すると、住民税非課税世帯の学生は20万円、これ以外の学生は10万円の給付(返済不要)を受けることができます。
 
対象となるのは、国公私立大学(大学院含む)・短期大学・高等専門学校・専門学校の学生(日本語学校に通う留学生も含む)で以下の(1)~(6)を満たす人です。
 
ただし、最終的には、大学側が学生の自己申告状況等に基づき総合的に判断を行うこととしています。
 
なお、本制度には家計の収入要件はありませんが、大学等が独自に選考基準として家計基準を設ける場合がありますので、大学等の推薦基準をご確認ください。
 

1.家庭から自立してアルバイト収入で学費を賄っていること

(1) 家庭から多額の仕送りを受けていない
(2) 原則として自宅外で生活をしている(自宅生も可)
(3) 生活費・学費に占めるアルバイト収入の割合が高い
(4) 家庭の収入減少等により、家庭からの追加的給付が期待できない
 

2.新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、その収入が大幅に減少していること

(5) アルバイト収入が大幅に減少していること(▲50%以上)
 

3.既存の支援制度と連携を図り、長期的な視点からも「学びの継続」の確保を図っていること

(6) 原則として既存制度について以下のいずれかの条件を満たすこと
 
※既存の支援制度には、高等教育の修学支援新制度、日本学生支援機構の第一種奨学金などがあります。条件の詳細は「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』に関するQ&A等をご参照ください。
※留学生については(6)に代わり、日本学生支援機構の学習費奨励制度の要件を踏まえることとする。
 
申請は5月19日以降、順次各大学等において受付を開始します。大学等によって申込締切日が異なりますので、在籍校ご確認ください。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。


 

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