更新日: 2020.08.03 子育て
奨学金を利用するなら家計簿が役立ちます
提出(入力)された継続願は、「人物」「学業」「経済状況」の観点から奨学生として引き続き適格性を有しているか否か等が判断され、場合によっては奨学金が打ち切られることもあります。
「経済状況」に関しては家計支持者の所得金額のほか、本人(学生)の1年間の収支の金額を記入する必要があります。普段から家計簿を付けておくことをお勧めします。
執筆者:新美昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。
ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
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収入覧の記入事項
前年の12月から11月までの1年間(4月入学の方は4~11月までの8ヶ月)の収入に関する金額を記入します。毎月決まった額の収入は、直近1ヶ月を12倍(4月入学の方は8倍)した額で計算します。なお、実際の収入額が確認できる方は、その額をもとに計算しても構いません。
特定の時期に生じる収入または臨時的な収入は実際の収入額を記入します。収入の種類には以下の5つがあります。
(1)家計からの給付
親が支払った授業料、施設費等の学校納付金、家賃・光熱水料(自宅通学者のみ)、通学定期代など。
(2)日本学生支援機構の奨学金
自動表示されます。
(3)日本学生支援機構以外の奨学金
学内奨学金、地方自治体の奨学金など。
(4)アルバイト等収入
(5)その他
貯蓄等の取り崩し額、臨時収入等、第一種奨学金とあわせて振り込まれた「入学時特別貸与奨学金」、祖父母等からの援助金、自動表示されなかった日本学生支援機構の奨学金など。
支出覧の記入事項
前年の12月から11月までの1年間(新入生は4~11月までの8ヶ月)の支出に関する金額を記入します。支出の種類には以下の7つがあります。
(1)学費
授業料、施設設備費、実験実習費、後援会費、保険料、留学費用など。3月以前に支払った授業料等を含みますが、入学金は含めません。
(2)修学費
教科書、図書費、文具購入費、課外活動費、実習旅行費、通学費、部活動やサークル活動費、駐輪場等にかかる費用など。
(3)家賃(自宅外通学者のみ)
敷金、礼金等の特別支出は除きます。共益費等は含めます。なお、前項「家計からの給付」の(1)に、家庭があなたに代わって支払った家賃等を含めた場合には、その金額も含めます。
(4)食費
友達との外食費、自炊のための材料費(自宅外通学者のみ)、食事付の下宿などで下宿に食費として支払う額(自宅外通学者のみ)など。間食代は含みません。
(5)光熱水料通信費
携帯電話等の通信費用、インターネットにかかる費用、水道光熱費(自宅外通学者のみ)、暖房費(自宅外通学者のみ)など。
(6)その他
医療費、娯楽費、間食代、理容美容代、自動車学校の講習費、社会保険料、帰省のための交通費(自宅外生のみ)、入学金、敷金、礼金等の特別支出など。
(7)機関保証制度の保証料
機関保証を選択している方の保証料が自動表示されます。
適切な貸与月額への「指導」を受ける場合
収入額―支出額≧0となるように記入します。マイナスの場合は不備となりますので、マイナスとなった場合は見直しましょう。
また、収支差(プラス)が大きい場合は、貸与月額の減額指導の対象となることがあります。収入の二重計上はないか、支出の記載漏れがないか普段から家計簿を付け家計を管理しておくと良いでしょう。
減額指導の対象となった場合、貸与月額が適正であるか、また貸与月額の減額が可能か等について検討を促すため、4月上旬をめどに機構から連絡文書が送付されます。機構が定める期限までに、適切な貸与月額への「検討」報告書等を提出ししなければなりません。
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー