派遣社員ってどんな働き方? 向いている人と向いていない人を解説!
配信日: 2020.08.30
派遣社員という言葉は知っていても、その実態について詳しく知っている人はそれほど多くはないでしょう。実態を知らないまま派遣社員を敬遠していたり、安易に派遣社員という働き方を選んで後悔したりしてしまう方もいらっしゃいます。
そこで、今回は派遣社員について解説します。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
派遣社員とは
派遣社員とは、派遣会社に雇用されるものの、派遣先となる別の会社で働く形態です。就業中は派遣先の指示に従い、業務を遂行していくことになります。つまり、雇用される会社と実際に働く会社が異なる働き方になるのです。
派遣社員という就業形態のメリットには、自身のキャリアやスキルを生かしたり、ライフスタイルに合わせた働き方を選んだりすることができる点があります。
その一方で、給与が時給制であることが多く、派遣期間が終わってしまえば次の派遣先を見つける必要があるなど、生活が不安定になりかねないというデメリットもあります。
無期雇用派遣? 紹介予定派遣? 派遣社員にもいろいろある
少し前まで派遣といえば不安定な雇用形態であり、来月の仕事もどうなるか分からないというイメージが強くありました。
しかし、最近では、派遣先での社員化を前提とした紹介予定派遣や、派遣会社(派遣元)と派遣社員との間の雇用期間に定めのない無期雇用派遣も増えてきています。数ヶ月の短期派遣から1年以上の長期派遣、正社員を視野に入れたステップアップとしての紹介予定派遣など、働き方を自由に選ぶことができるのも派遣社員の魅力です。
派遣社員になるには?
派遣社員になるには、まず派遣会社に登録することが必要です。その後、自身の希望する業務内容や給与などの条件に見合った派遣先を紹介してもらい、職場見学ののち就業開始となります。
ただし、派遣会社に派遣社員として登録しても、必ずしも希望する条件のお仕事が即日で見つかるとは限りません。派遣社員として働くのであれば、1社だけでなく複数の派遣会社に登録しておくことで、より希望の条件に近いお仕事が見つかりやすくなります。
派遣社員も社会保険や福利厚生の対象になるの?
派遣社員も正社員と同様に法定要件を満たすことで、雇用主である派遣元の社会保険(厚生年金や健康保険など)に加入することになります。有給の制度はもちろん、派遣先や派遣元の実施する独自の福利厚生制度も一定の要件の下、利用することができます。
派遣社員に向いている人、不向きな人
派遣社員として働くことに向いているのは、理想の働き方がしっかりイメージできている人です。派遣社員は勤務先や仕事内容、勤務時間などが契約によって細かく定められており、一般的な正社員では難しいとされる条件付きで働くことも難しくありません。
例えば、残業なしや一定の専門業務のみの対応、時短勤務や大手企業で働くといった条件などがあります。
一方、派遣社員として働くことに向いていないのは、一つの会社でじっくりキャリアを積みたい人です。派遣先で働くとはいえ、派遣社員はあくまで派遣元たる派遣会社の社員です。派遣先の最重要機密に触れるような業務や、管理職に任せられる経営管理や組織管理といった業務を任せられることは期待できません。
また、契約が終わってしまえば、別の派遣先で就業することになるため、本人の意図しないタイミングで派遣先が変わってしまうこともあります。
派遣社員として働くのであれば正社員などとの違いを理解しておくべき
派遣社員は一般的な正社員などと異なり、働く会社(派遣先)と雇用主(派遣元)とが異なる就業形態です。紹介予定派遣などを利用することで、正社員としてのキャリアアップや安定性を維持したまま希望する働き方を実現することができます。
しかし、安易に派遣社員という働き方を選んでしまうことで、自身の思い描くキャリアや働き方から遠ざかってしまうこともあります。派遣社員という働き方を選択する場合は、一般的な正社員などと違うことを充分に理解し、デメリットを踏まえて選択するようにしてください。
執筆者:柘植輝
行政書士