1億5000万円の定期預金運用と同じパフォーマンス! 毎日単純に繰り返すだけで稼げることとは?
配信日: 2020.10.29
ついでに普通預金だけでなく定期預金(自動継続型)の通帳も記帳してみたところ、ある箇所の数値を見てびっくりしたという声を耳にしたことがあります。どんな内容なのでしょうか。
執筆者:上野慎一(うえのしんいち)
AFP認定者,宅地建物取引士
不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。
5分の1に激減した定期預金金利
それは「金利」です。メガバンクなどの普通預金金利は、今や[0.001%]。話題にするだけで虫メガネが欲しくなるような感じですね。そして、同じく定期預金金利は[0.01%]だったイメージがあります。低水準とはいえ普通預金の10倍です。
ところが、この定期預金金利が今年4月から各行で次々に[0.002%]へ引き下げられています。ミクロの水準の中とはいえ、一気に5分の1に急落。自動継続型定期預金の場合には満期継続時に通帳記帳して数字を見て、金利数値の激減ぶりに驚かされるわけです。
クリックするだけでポイントが稼げる
そんな中で、「私は1億5000万円の定期預金運用に匹敵するような稼ぎを、毎日単純な繰り返しだけで獲得し続けている」という話を知人から聞いたことがあります。そのような資産家ではありませんし、稼いでいるのは現金ではなく、そして酒を酌み交わしながら冗談まじりの話題である点がミソ。しかし、内容は一応事実です。
実は、クリックするとポイントを進呈してくれるサイト内のボタンをクリックしているだけ。いろいろなポイントサイトでさまざまなものが確認できますが、クリックすると商品やサービスなどの説明が詳しく表示されるものです。
稼げるのは現金ではなく各ポイントサイトの「ポイント」で、クリック1回で1ポイントゲット(同じ画面で一定期間に1回限り)が大半です。有効期限がありますが、ネットショッピングなどで付与されるポイントと同様に、そのポイントサイト内での買い物や旅行費用などに1ポイント=1円として利用できます。
知人によれば、ボタンのクリックだけで月に200から300ポイントくらい手に入るようです。1年に2400ポイント(2400円相当)とすると、確かに1億5000万円を定期預金(金利0.002%)で1年間運用した場合の金利(税引き後約2390円)と同じ水準になりますね。
「一定期間に1回限り」のボタンを効率よく探せれば、パソコンやスマホの画面にずっとくぎ付けでもなく、画面に表示される商品やサービスを購入する義務もないので、割り切れば単純な繰り返しでポイントを稼げることは事実でしょう。
こちらも、単純な繰り返しで稼げる
この話を聞いた際、同じような話題がもう1つ出ました。それは、あるクイズアプリ。クイズを買い取るサイトが発祥で、デジタルコンテンツ配信事業などを手掛ける大手企業が運営しています。
1題・3問(各3択)のクイズを全問正解して1円か2円の賞金ポイントを獲得するのが基本スタイルです。1回2題で1日3回の時間帯に配信され、6題全部で9円になります(1題ごとに参加者数の上限あり)。
始めにスポンサー企業のCM(画面や動画)を短時間視聴する必要がありますが、解答は何回でもやり直せて賞金ポイントは必ずゲットできます(クイズは10月29日で、ポイントサービスは11月30日でそれぞれ終了)。
こちらは30日間で270円獲得できる計算です。なお、手数料300円を控除して現金振込出金(1万円以上の出金は手数料不要)できます(出金申請は10月19日で終了)。
1年に賞金3200円を獲得して出金(手数料300円控除)すると、手取りで2900円。1億8000万円を定期預金(金利0.002%)で1年間運用した場合の金利(税引き後約2870円)と同水準なのです。
まとめ
今回のクリックサイトやクイズアプリは、いずれも商品やサービスを提供する企業の広告がポイントや賞金の提供原資です。さらに運営者側にとって、消費者のいろいろな嗜好傾向ほかの「ビッグデータ」獲得にもつながっているかもしれません。
こうしたポイントや賞金の獲得が、ちょっとした“小遣い稼ぎ”の水準といえるかどうか。そして、そもそも毎日こうしたことを単純に繰り返すことに意味があるのかどうか。評価は人によってさまざまでしょう。
一方で、1億数千万円ものおカネを定期預金運用した場合の金利が多くの銀行で、月々の金額にすると税引き後200円台くらいにしかならない実態が、確かに今のご時世なのです。
銀行預金でおカネがおカネを稼いでくれたような時代は、もはや過去の遺物なのでしょうか。
執筆者:上野慎一
AFP認定者,宅地建物取引士