片づけの美学87 洗面所に衣類を保管してる? 便利? 注意するポイントは?
配信日: 2020.12.06
お風呂や朝の着替えのためにクローゼットまで衣類を取りに行く手間が省けるので、利便性はアップ、時短にもなります。特に子どもの衣類や下着・パジャマなどが近くにあると、コロコロ変わる子ども心への対応がすぐできるので、とても便利です。
ただ、湿気やホコリの多い洗面所に衣類を保管するなら、気をつけるべきポイントも多くなります。失敗すると、衣類のカビや臭いの原因になる可能性も湿気に負けず、洗面所で上手に衣類を保管するためのポイントをご紹介します。
執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表
整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。
<美学のある暮らし>
湿気は最重要注意ポイント
衣類保管で最も気になるのは、湿度。洗面所は、入浴や洗濯、乾燥機の運転などの状況で、湿度・気温が1日の中でも大きく変化する場所です。衣類の保管には、厳しい状況であることは間違いありません。それでも便利さを優先して洗面所に衣類を保管するなら、少しでもよい環境づくりをしてあげたいですね。
■湿気対策1:換気扇は常に運転
上がった湿度を下げるために換気は必須です。窓を開けて、空気を入れ替える方法の場合、空気の流れを作ることが大切です。空気が入ってくるほうと出ていくほう、2カ所の開口が必要になります。
窓を開けておくのが防犯などの点で難しい場合は、扉をすべて閉め、換気扇を常に運転させておくだけも十分換気できます。その場合、換気扇にホコリが付きやすくなるので、定期的なお掃除もお忘れなく。
■湿気対策2:長期保管はしない
長期間使わない衣類は洗面所での保管には向きません。シーズンオフの衣類は、湿気や温度の変化が小さい場所が適しています。使わない衣類は移動させておきましょう。
■湿気対策3:しっかり乾いた衣類のみ収納
乾燥途中の衣類を収納すると、他の衣類に湿気が移ってしまいます。生乾きは、カビや臭いの原因になるので、注意したいですね。
■湿気対策4:水ハネ・結露には注意
洗面所では、洗顔や洗濯など水仕事が日常茶飯事。水がハネたり、こぼれる場合もあるでしょう。そのままにせず、すぐに拭き取りましょう。冬の時期など、結露が多くなるような洗面所では、衣類の保管は大変難しくなります。こまめに拭き取ったり、除湿剤を活用して対策を採りたいですね。それでも結露が気になる場合は、洗面所での衣類保管は断念したほうがいいかもしれません。
収納する衣類の量
洗面所のスペースが広くて、収納が置きやすいレイアウトである場合は収納量が大きく取れますが、そんなに恵まれた洗面所の広さがあることは少ないでしょう。多くの場合、限りあるスペースに工夫をして必要な衣類だけをなんとか収納することになります。どんな衣類が必要かの選択は、家庭によって違ってきます。
■収納量の対策1:人で選別
衣類を取りに行くのが手間になる人の衣類だけを洗面所に収納して、家事の手間を減らす方法です。例えば、赤ちゃんや幼児など、親が衣類を出し入れしてあげる必要がある子どもの衣類。別の場所に取りに行くと、動線が長くなるし、子どもの機嫌も刻々と変化します。家事ストレスを減らすには、子ども服は最短で取り出せることはとても便利だと思います。
■収納量の対策2:モノで選別
洗面での動作に必要な衣類だけを収納する方法。例えば、入浴時の着替えとして、タオルと家族全員の下着とパジャマを収納しておきます。入浴するためにクローゼットまで衣類を取りに行く、という動作を省くことができます。
■数の対策3:持つ量を収納に合わせる
家族が日常的に使う衣類を洗面所の収納に入る分だけにするという選択。毎日のように洗濯している家庭であれば、下着も衣類も2、3枚あれば、困ることはありません。ただし、ファッションを楽しむという観点では、つまらない選択になります。機械的に衣類を着用する人にはぴったりの方法ではないでしょうか。
■洗面所の衣類保管で、利便性を楽しもう
湿気への配慮は必要ですが、便利な洗面所での衣類保管。家事の時短、衣類のスリム化を求める方はぜひ試してみてくださいね。
執筆者:奥野愉加子
美学のある暮らし 代表