2018.01.03 ローン

「共働き夫婦の5組に1組」それぞれの名義で借りる「ペアローン」の特徴

Text : 宮﨑 真紀子

住宅ローンは、これまでは夫の名義で借りるのが普通でした。近頃は共働き夫婦の5組に1組が、それぞれの名義で「ペアローン」を組むようになりました(リクルート住まいカンパニーのアンケート)。選ばれる理由は、住宅ローン控除が2人分受けられることにあります。ペアローンについて考えます。

3つの方法を比較してみる

Aさん(31歳男性)は奥様と1歳になる長女の3人暮らしです。現在は社宅に暮らしていますが、一戸建ての購入を検討されていて、ペアローンについて知りたいとのご相談です。ご夫婦は共働きです。奥様は既に育児休暇から復帰され、今後第二子が誕生しても、仕事は続ける予定です。
 
夫婦でローンを組む場合、大きく分けて3種類の方法があります。それぞれの特徴は以下の通りです。(夫が主となって借りると仮定しています。)
 
1.連帯保証 
二人の収入を合算して、借入金額を増やすことが出来ます。住宅ローンは夫の名義で借ります。妻は連帯保証人となり、夫の返済不能時に夫に代わり、返済義務を負います。
住宅ローン控除や“すまい給付金”は、夫一人分しか利用できません。事務手数料は夫の一人分がかかります。団体信用保険も夫のみ対象なので、妻の死亡時には返済免除にはなりません。物件の所有権は夫のみの名義になります。
 
2.連帯債務
二人の収入を合算して、借入金額を増やすことが出来ます。夫が主債務者、妻が連帯債務者となり、夫婦ともに平等に返済義務を負います。
住宅ローン控除や“すまい給付金”は二人分の利用が可能です。フラット35(長期固定金利で取扱がありますが、一般の金融機関では取り扱いが少ないので、事前に確認が必要です。事務手数料は夫の一人分がかかります。
 
団体信用保険は夫のみ対象なので、妻の死亡時には返済免除にはなりませんが、夫婦連生団信を選ぶことも出来ます。フラット35の場合0.18%加算した金利となりますが、妻の死亡時にも返済免除となります。物件の所有権は二人それぞれの共有名義になります。
 
3.ペアローン
夫婦で別々のローンを借ります。それぞれが自分の借りたローンの返済義務を負います。
住宅ローン控除や“すまい給付金”は二人分の利用が可能です。事務手数料は二人分がかかります。
 
団体信用保険はそれぞれが対象者となりますので、死亡した人の返済分が免除となります。例えば、ローン残高が夫2000万円 妻1000万円の時点で夫が亡くなった場合、夫の2000万円は免除されますが、妻の1000万円は以降も返済が続きます。物件の所有権は二人それぞれの共有名義になります。
 

合算したからと言って借り過ぎないように注意

Aさんの場合、Aさんの収入だけでの借入金額では、物件購入が難しいため、夫婦でローンを組むことになりました。(1)~(3)を検討した結果(3)ペアローンを組むことになりました。事務手数料は二人分かかりますが、住宅ローン控除は二人分利用できます。住宅ローン控除は、ローン残高4000万円までが限度額です。借入金額4300万円を想定されていますので、二人に分けることで、全額が限度額内に収まります。
 
奥様から、「自分の名義でローンを組むことで、仕事のモチベーションも上がると思う」という話もありました。またペアローンを選ぶことで、変動金利と固定金利をミックスした返済方法にすることも可能になりました。
 
夫婦でローンを組む(1)~(3)をみてきましたが、共働きでも、夫(もしくは妻)一人でローンを組む(4)番目の選択肢も含め、二人のライフプランにあったローンを選んでください。共働きだからと言って、借り過ぎないように注意しましょう。住宅ローンの返済期間は長期に亘ります。無理の無い返済計画を立てることが大切です。
 
☆住宅ローン控除☆
住宅ローン残高の1%相当額が10年間、所得税から減税されます。例えば、今年住宅を購入し、ローンを組んだとします。年末のローン残高が3500万円なら1%の35万円が所得税から差し引かれるのです。今年の所得税は源泉徴収されていますので、確定申告することで還付されます。2年目からは年末調整の対象になりますので、会社で手続きが出来ます。同様に年末のローン残高の1%相当額が還付されます。所得税を35万円も払っていなくて控除しきれない場合は、住民税からも一定額まで控除することが出来ます。
 
Text:宮﨑 真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

宮﨑 真紀子

Text:宮﨑 真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい…。そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

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