更新日: 2020.07.03 住宅ローン
3大疾病でも、働けなくなってもカバーされる「団信」があるって本当?
今回は、もう少し保障のバリエーションがある団信についてみていきたいと思います。
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。
子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。
2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai
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3大疾病保障付団信
住宅金融支援機構では、フラット35を利用して住宅ローンを組む場合、「機構団信特約制度(機構団信)」により「団体信用生命保険(団信)」に加入することができます。
「機構団信」は、加入者が死亡・高度障害状態になった場合、住宅ローンの残債が全額弁済されるものです。
これに加え、3大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)などの病気になった場合でも、一定の条件に当てはまれば、住宅ローンの残債が全額弁済されるという「3大疾病付機構団信」というものもあります。
〇加入期間
満15歳以上満51歳未満
〇保障期間
満75歳まで
通常の「機構団信(死亡・高度障害)」の場合、加入期間は満15歳以上満70歳未満ですが、「3大疾病付機構団信(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)」では、満15歳以上満51歳未満と短めに設定されています。また、保障期間については、通常の「機構団信」の場合、最長で80歳までとなっていますが、「3大疾病保障付機構団信」では、最長75歳までとなっています。
これら加入期間と保障期間の違いは、住宅ローンを組むようなライフステージでは「死亡リスク<3大疾病リスク」であるため、加入者により安心してもらうためにこのようなオプションができたと考えられます。
通常の「機構団信」と同じく注意しておきたいことは、住宅ローンを返し終えると保障が満了するということです。つまり、住宅ローンを完済すると、死亡・高度障害や3大疾病に対する保障がなくなるという意味です。
「3大疾病付機構団信」に加入する場合、加入する方から「がん保険や3大疾病も保障される医療保険などに入る必要はないですよね」と質問されることがあります。
確かに、保障が重複するという意味では間違いではありませんが、3大疾病保障付団信の加入目的は、あくまでも3大疾病にかかった場合に、住宅ローンを完済させることです。がん・急性心筋梗塞・脳卒中にかかったご自身の治療費をカバーするものではありません。
このようなことから、団信と民間の保険はしっかり分けて考える必要があります。
団信は「住宅ローンの返済不能リスクに備える」ためのもの、一般的な保険は「死亡後の遺族の生活保障や高度障害状態になった場合の生活補助、3大疾病にかかった際の治療費の補填」のためのものと考えるようにしていきましょう。
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疾病や傷害で就労不能状態になったら、返済を保障する団信も登場
一般的な団信や3大疾病保障付団信だけでなく、ここ近年では「全疾病保障付団信」という新しいタイプのものも出ています。
「全疾病保障付団信」は、一般的な団信に、3大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)と5大疾病(糖尿病・肝硬変・高血圧症・慢性腎不全・慢性膵炎)に加え、さらに、精神障害などを除いたすべての病気・ケガをカバーするというものです。
特徴としては、一定の期間、就業不能状態が続いた場合、住宅ローンの残債が全額弁済されるようになっています。一定の期間とは、住宅ローンの融資日から3ヶ月経った翌日から起算し12ヶ月間です。
つまり、住宅ローンの融資が始まってから1年と3ヶ月間、入院などで働けない状態が続いた場合に、住宅ローンの残債が保険金によって支払われることになります。
これについても、たとえば、「全疾病保障付団信」に加入したら、所得補償保険や就労不能保険は必要ないと考えるのではなく、「全疾病保障付団信」の加入目的と所得補償保険や就労不能保険の加入目的の違いを理解したうえで、ライフステージやライフプランに合わせて保障設計を考えていく必要があります。
住宅ローンも、団信選びも、ライフプランから
住宅ローンを借りたり、借り換えたりする場合の金融機関選びでは、金利や返済プランだけでなく、団体信用生命保険も重要な要素になってきます。
マイホームは、人生の中で大きな買い物の代表格です。ファイナンシャル・プラニング上、本来なら十分な金融・経済の知識が必要な項目と言えます。
住宅ローンの組み方次第で、ライフプランにおける将来のお金の流れ方が大きく変わってくるため、住宅ローンの借り入れや借り換えの際は、ライフプランを作成したうえで、しっかりとした資金計画を立てていくようにしましょう。
次回は、住宅ローンを組む際に、もうひとつの重要な要素である、税制面についてお伝えしていきたいと思います。
Text:重定 賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
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