家計改善のための〈住宅ローン借り換え〉はどこで相談するべき?
配信日: 2020.12.03 更新日: 2021.02.12
今回は、住宅ローンの借り換えを行う際にどのようなところに相談したらよいかについてお話しします。
執筆者:新井智美(あらい ともみ)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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住宅ローンの借り換えとは?
住宅ローンの借り換えとは、基本的に、今借りている金融機関とは別の金融機関で住宅ローンを組みなおすことです。借り換えを行うことにより、今借りているよりもさらに低い金利で借りることができ、結果的に総返済額を減らすことができます。
住宅ローンの借り換えはどこで相談できる?
住宅ローンの借り換えの相談先については、以下のようなものが挙げられます。
<借り換えようと思う先の金融機関の窓口>
事前にいくつかの金融機関の情報をインターネットなどで収集し、ある程度絞り込んでからになりますが、借り換えの候補としている金融機関の窓口にて相談できます。
金融機関の窓口では、具体的な住宅ローン商品を掲示してくれるとともに、希望を伝えることで複数の住宅ローン商品の説明を受けることができます。金融機関の窓口で相談するメリットは、なんといっても最新の情報を聞くことができることです。
ただし、中には顧客の利益を除外視し、その金融機関において一番メリットのある商品を勧めてくる可能性もありますので、話に流されることのないように、いったん持ち帰って冷静に考えることが大切です。
<住宅金融支援機構の住宅ローン相談会やセミナー>
金融機関に相談するのではなく、住宅金融支援機構の相談会やセミナーを利用する方法もあります。住宅金融支援機構と聞くと「フラット35」のイメージが強いですが、それ以外の住宅ローン商品の説明を行ってくれるケースもあります。
さらには、住宅関連の補助金などについて職員が直接相談を行ってくれることもあり、自身のニーズに合わせた資金計画の考え方や住宅ローンの基本について相談できることがメリットです。ただ、この相談会やセミナーは開催頻度が少なく、参加できる人数も限られていることから、参加しようと思ってもなかなか参加できないことがデメリットです。
<独立系FP(ファイナンシャルプランナー)>
家計の専門家であるFPに相談すると、住宅ローンの借り換えだけでなく、今後のライプフランにおける家計や保険の見直しなど、幅広い分野においてアドバイスをしてもらうことができます。
相談するFPを選ぶ際に気を付けたいのは、そのFPが独立性(どこの金融機関にも属しておらず、中立的な立場)を保っているかどうかです。もし、保険会社や金融機関と代理店や仲介契約を結んでいる場合、特定の商品を勧められる可能性が高く、あまりおすすめできません。
FPを選ぶ際は、その人のホームページなどで代理店などを行っていないかどうか、チェックすることも大切です。独立系のFPであれば完全中立な立場でアドバイスをしてもらえることから、自身の状況に一番合った回答をもらえますし、その後のフォローもきちんと考えてもらえるでしょう。
ただし、多くの独立系FPの場合、相談料がかかります。1時間単位で設定されていることが多いですが、相談料がかかるということから及び腰になる方も多いと思います。しかし無料相談で得られるものは限られていますので、有益な情報はお金を払ってでも得るという考え方を持つことも大切だといえます。
最近ではインターネット上でシミュレーションを行い、いくつか候補を絞ってその金融機関の窓口で相談しているケースが多いようです。
ただ、どの金融機関がいいのか決められないという方もいらっしゃいます。そのような方の中には、独立系のFPとまず相談し、それから自分に合いそうな金融機関を選んで問い合わせるという方法をとっている場合もあります。
借り換えの相談から手続きまでの流れ
■借り換えを行うかどうかを最終的に判断する
まず、借り換えの相談を行い、本当に借り換えを行うべきなのかを判断することが大切です。自分では借り換えを行う方が最善だと思っていても、相談した結果、収支の見直しだけで改善できることもあります。
借り換えを行うほうがいいという結果になった場合は、借換先の金融機関の候補を複数挙げておくことがポイントとなります。そして、借り換えを行う際の手続きの流れについては、以下のとおりです。
まず事前審査に申し込み、その結果を待ちます。事前審査は複数の金融機関に申し込んでもよいことになっていますので、3~4社程度の金融機関に申し込んで結果を待つようにしましょう。事前審査に通過した金融機関の中から借換先の金融機関を決定し、その金融機関に対して本審査の申し込みを行います。
本審査に通過したら、現在借りている金融機関に対して、住宅ローン残高を一括返済する旨の連絡を入れます。連絡を入れる目安については、借り換えが実行される日の1カ月前には行っておくようにしましょう。
また、一括返済の場合は手数料が発生するケースが多いので、連絡の際には一括返済の手数料がいくらになるのかも合わせて確認しておくとよいでしょう。その後は、新しく借り換えを行う先の金融機関と「金銭貸借契約書」を結ぶなどの契約手続きに入ります。
その後抵当権設定など登記に必要な書類を提出し、登記手続きも行うことになります。ここまでの流れが終了したのち、借入金額が指定した口座に振り込まれます。これで今まで借りていた金融機関への返済が終了します。その後、新しい借入先の金融機関に対して毎月の住宅ローンの返済がスタートします。
住宅ローンの借り換えを後悔しないものにするには?
住宅ローンの借り換えを後悔しないものにするポイントは、「必ず複数の金融機関でシミュレーションを行い、比較する」ことです。比較対象として金利はもちろんのこと、諸費用がいくらかかるのか、住宅ローンの申込条件を満たしているかどうかもきちんと把握しておく必要があります。
もちろん、健康状態についても直近で大きな病気をしていないか、もしくは現在治療中の病気がないかにも注意しておきましょう。もし、治療中の病気があるのであれば、それが完治してから借り換えを申し込むことが得策です。借り換えを必要以上に焦る必要はありません。
まずは申込条件や健康状態、そして収入がきちんと審査をクリアできる状態にしておくことが大切です。今後のライフイベントとも合わせながら、諸費用を払ってでも確実に総支払額削減の効果があり、一番の問題である毎月の出費を抑えることができるのかどうかをきちんと見極めるようにしましょう。
まとめ
今回のコロナ禍において、今後の収入や賞与の減額が予想されているという人も多いでしょう。この状況はまだ収束が見込めないことから、しばらくは収入減が続くと予想されます。
そんな状況であるからこそ、住宅ローンの借り換えに着手することを考える人も多いと思いますが、まずは返済の猶予などの対応策も検討してみましょう。そのような対応策を利用しながら、借り換えについてはじっくりと時間をかけて考え、実行するようにしてください。
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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