ここでは、住宅ローンの借り換えでメリットがある人の条件とともに、借り換えの返済額以外のメリットについても解説します。
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監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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目次
住宅ローンの借り換えとは
住宅ローンの借り換えとは、現在の住宅ローンから別の住宅ローンに変更することです。新しいローンを借りて、返済中のローンを一括返済します。
金利が低いなど、現在の住宅ローンより条件の良いローンに借り換えをすることで、利息軽減効果および総返済額削減効果を得ることができます。
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住宅ローンを借り換えてメリットがある人の条件
借り換えで金利が1%以上低くなる人や残りの返済期間が10年以上、ローン残債が1000万円以上ある人は、借り換えの恩恵を受けられる可能性があります。以下にそれぞれ解説していきます。
借り換えで金利が1%以上変わる
住宅ローンの借り換えをすることで、今より金利が1%以上低くなる場合は借り換えのメリットがあると考えられます。
借り換えに伴い、諸費用が数十万円かかることも多いです。これらの諸費用以上の利息軽減効果を得るためには、借り換え後の金利差が1%以上あることが1つの目安になります。
例えば、残債2000万円、残期間15年で借り換え後の金利が2.5%から1.5%に下がる場合の毎月返済額と総返済額は次のとおりです。
毎月返済額:13万3357円
総返済額:2400万4340円(利息400万4340円)
毎月返済額:12万4148円
総返済額:2234万6658円(利息234万6658円)
※固定金利
※概算になります。
※住宅保証機構株式会社の「返済額の試算」を使用。
上記のとおり、借り換え後の利息は借り換え前に比べて約170万円少なくなります。仮に諸費用が100万円かかったとしても、借り換え後の方が約70万円お得です。借り換えの際はまず金利に注目しましょう。
住宅ローン返済期間が10年以上ある
現在の住宅ローン返済期間が10年以上ある場合も、借り換えのメリットがあるといわれています。
住宅ローンの支払い方法には元利均等と元金均等があり、どちらも返済開始当初の利息割合が大きく、返済期間が終わりに近づくにつれて利息の割合が小さくなっていくからです。
そのため、残りの返済期間が短いと利息軽減効果が小さく、利息軽減額よりも諸費用の方が高くなる可能性があります。「残りの返済期間10年以上」というのは1つの目安ですが、10年以上あれば借り換えによってメリットがある可能性が高いといえます。
住宅ローン残高が1000万円以上ある
「住宅ローン残高1000万円以上」も、借り換えでメリットのある目安になります。借り換え後の金利がいくら低くても、残高が少なければ、大きな利息軽減効果は得られません。「残りの返済期間10年以上」同様、ローン残高が1000万円以上あるか確認をしましょう。
仮に、ローン期間10年、残高1000万円で金利2%から1%に借り換えをした場合、毎月返済額と総返済額は以下のとおりです。
毎月返済額:9万2013円
総返済額:1104万1557円(利息104万1557円)
毎月返済額:8万7604円
総返済額:1051万2432円(利息51万2432円)
※固定金利
※概算になります。
※住宅保証機構株式会社の「返済額の試算」を使用。
上記のとおり、借り換えによって利息は約53万円削減可能です。諸費用が20~30万円程度であれば、十分な利息削減効果を得られます。
住宅ローンの借り換えによる返済額以外のメリット
住宅ローンの借り換えによって、団信を充実させたり金利タイプを変更したりすることが可能です。また、リフォームにかかる費用を上乗せで借り入れすることもできます。以下にそれぞれ解説していきます。
今より保障が充実した団体信用生命保険に加入できる
借り換えをすれば、団体信用生命保険も切り替わります。
以前の団信は、主に死亡・高度障害状態が保障の対象でしたが、現在は3大疾病や8大疾病、就業不能にも対応するなど、さまざまな団信があります。借り換えを機に、より充実した保障を受けられる団信に加入することも可能です。
金利タイプを変更できる
住宅ローンの借り換えを機に金利タイプを変更できるのもメリットです。
現在が低金利で積極的な繰り上げ返済を考えている場合は変動金利タイプ、今後金利上昇が見込まれ安定した返済額にしたい場合は固定金利タイプに変更できます。
今後の返済プランやライフステージに合わせて金利プランを変更できるのも、住宅ローン借り換えのメリットです。
リフォームローンも一緒に借り入れできる
住宅ローンの借り換えに合わせて、リフォームローンも一緒に借りることが可能です。
リフォームローンだけであれば金利は3.0%~5.0%程度になります。しかし、リフォーム費用も借り入れできる住宅ローンに借り換えをすれば、低金利で借り入れができます。
住宅ローンの借り換えに適したタイミング
住宅ローンの借り換えにより十分な効果を得るには、借り換えをする時期的な条件も無視できません。住宅ローン借り換えの特徴やメリットを踏まえると、次のようなタイミングが借り換えに適しているといえます。
・金利見直しで金利が上がったとき
・転職や収入減少の前
・ライフスタイルに変化が生じたとき
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
金利見直しで金利が上がったとき
変動金利や期間選択型固定金利で住宅ローンを借りている場合、契約に定められた期間ごとに金利の見直しが行われます。金利見直しによってそれまでよりも金利が上がったときは、借り換えを検討すると良いでしょう。
金利が上がれば当然、以後の返済の負担が増大します。より金利の低い住宅ローンに借り換えてしまえば、負担増大のリスクを回避し、これまでよりも低い負担額に抑えることも可能です。
転職や収入減少の前
住宅ローンを借り換えるには、借換先の住宅ローンに改めて属性情報を申告し、審査を受けなければなりません。借り換えの審査では、新規借入時と同じく、職業や勤続年数、年収などが重視されます。
勤続年数が長く、公務員や大企業の正社員など信用度の高い職業に就いているほど、住宅ローンの審査では有利になるといわれています。転職をすると、勤務先が変わることや勤続年数がリセットされて短くなることから、審査で不利になる可能性があるのです。また、年収が下がる場合も、借換先の審査基準を満たせなくなる危険があります。
転職や減収が予定として分かっている場合は、状況が変化する前に借り換えを申し込むほうが、審査におけるマイナス要素は少ないといえるでしょう。
ライフスタイルに変化が生じたとき
子どもの誕生や進学、大きな病気を患ったときなど、さまざまな理由でライフスタイルが変化すると、家計の状況も大きく変化します。家計の状況に合わせて固定費を見直す必要が出てきた場合、住宅ローンの借り換えも選択肢のひとつとなるでしょう。
また、住宅ローンを借り換える際には、団信もかけかえることになります。ライフステージが変われば、必要と感じる保障内容にも変化があって当然です。保障の見直しを目的とした借り換えも、視野に入れて良いのではないでしょうか。
住宅ローンの借換先選びのポイント
住宅ローンの借り換えで十分にメリットを得るには、できるだけ条件の良い借換先を選択することも重要です。金利だけを見て決めるのではなく、次の2つのポイントを意識して金融機関を比較検討しましょう。
・借り換えの目的を明確にして条件を比較する
・諸費用の負担も考慮する
それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
借り換えの目的を明確にして条件を比較する
借り換えの一番の目的は何かを明確にし、目的に合うタイプの住宅ローンに絞って比較しましょう。住宅ローン借り換えの主な目的として、次のものが挙げられます。
・総返済額を減らしたい
・月々の返済を軽減したい
・金利上昇リスクを回避したい
総返済額を減らしたいときは、できるだけ金利の低い住宅ローンへの借り換えが有効です。確実に効果を得たい場合は、金利上昇リスクのない全期間固定金利を選択するとよいでしょう。
即時的に月々の返済負担を軽くしたい場合も、できるだけ低い金利で借り換える必要があります。変動金利など低い金利が売りのタイプに変更するのも手ですが、金利上昇時への備えをしておきましょう。
金利上昇リスクを回避したい場合は、変動金利をやめて全期間固定金利型もしくは、固定金利期間が長いタイプを選ぶのがおすすめです。
諸費用の負担も考慮する
住宅ローンを借り換える際には、事務取扱手数料や保証料といった諸費用が発生します。費用の項目や金額は金融機関や住宅ローンのタイプで異なりますが、多い場合は数十万円もの負担が必要です。
諸費用の金額によっては借り換えの効果が相殺されることやマイナスになることもあるため、金融機関を比較する際には諸費用も考慮に入れて、総合的に判断しましょう。
住宅ローン借り換えは慎重に! メリットがあるか確認しよう
住宅ローンの借り換えでメリットがある条件・目安は「金利が1%以上下がる」「残りの返済期間が10年以上ある」「ローン残高が1000万円以上ある」の3つです。
借り換えによって、金利タイプの変更や団信の充実化を図ることも可能です。
借り換えを検討している方は、ここで紹介した内容を参考にしてみてください。
出典
住宅保証機構株式会社の「返済額の試算」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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