変動金利には、市場の金利情勢と連動して金利が変動するという特徴があります。そのため、金利が低い一方で、金利上昇というリスクと隣り合わせであることを理解しておきましょう。
この記事では、変動金利の利点とリスクを取り上げ、変動金利に向いている人、向かない人の特徴をまとめました。
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監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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変動金利/固定金利とは?
住宅ローンの金利タイプは、大きく変動金利と固定金利に分けられます。
■変動金利
返済期間中に定期的に金利の見直しが行われる金利タイプです。一般的には、固定金利と比べて低い金利が設定されています。
金利見直しの周期は通常、半年ごとです。ただし、金利見直しのたびに月々の返済額が変わるわけではなく、一般的に5年周期で返済額が更新されます(5年ルール)。また、金利の変動幅に制限はありませんが、返済額は更新前の125%までしか上がらないという慣例(125%ルール)があります。
ただし、実際は125%以上返済額がアップしている場合、残りの上昇分は免除になるわけではなく、次回更新時に繰り越されます。
5年ルール、125%ルールを採用していない金融機関もあるため注意しましょう。
■固定金利
借入時からあらかじめ設定した期間が経過するまで、金利が固定されるタイプです。3年・5年・10年といった期間を選択する「固定金利期間選択型」と、全返済期間を通して金利が変わらない「全期間固定金利型」があります。
固定金利を選択すると、金利水準がどれほど変動しても、返済額は変化しません。
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変動金利の利点
変動金利の大きなメリットは、ほかの金利タイプと比べて金利が低く設定されている点です。金利が低いほど利息も低くなるため、借り入れ当初の返済金額を抑えられます。
また、将来にわたって金利が上昇しない場合は、ずっと低金利のまま返済を続けることが可能です。低い金利で返済するほど総返済額は減少するため、金利の動き次第では長期的なコストにおいても大きな差がつく可能性があります。
変動金利のリスク
変動金利の最大のリスクは、金利が上昇する可能性がある点です。金利が上昇すると返済額もアップすることになり、返済の負担が重くなります。
また、上で触れたように、金利が上昇しても返済額は5年ごとにしか見直されません。5年の間に大幅な金利上昇が起きると返済額に占める利息の割合が増大し、元金の返済が進まなくなる可能性がある点にも注意が必要です。
さらに、利息が返済額を上回るほどの金利上昇があれば、支払いきれなかった利息が「未払利息」として蓄積されることとなります。
変動金利が向いている人/向かない人
変動金利にはメリットとデメリットの両面があります。そのため、固定金利と比較してどちらが優れているか、一概にはいえません。
変動金利を選択するべきなのかを判断する基準となるのは、デメリットである金利変動に直面した場合に対処する能力があるかどうかです。この判断基準をもとに考えると、変動金利が向いている人、向かない人の特徴は、それぞれ次のとおりです。
●家計に余裕がある
●借入金額が少ない
●借入期間が短い
●家計に余裕がない
●借入期間が長い
以下で、それぞれ詳しくみていきましょう。
変動金利が向いている人
家計に比較的余裕があり、貯蓄などで備えができる人は変動金利に向いています。家計に余裕があれば、万が一金利変動によって返済額がアップしても、無理なく対応できる可能性が高いためです。また、自己資金を蓄えておけば、返済額が更新される前に繰り上げ返済して、金利上昇の影響を抑えられます。
このほか、借入額が少ない場合や借入期間が短い場合も、金利上昇による影響が少ないため、変動金利が向いているといえるでしょう。
変動金利が向かない人
住宅ローンの返済をすると家計の余裕が全くないという人は、変動金利は避けるのが無難でしょう。金利上昇によって返済額が上がると、支払いきれなくなる危険があります。
30年、35年など返済期間が長い場合も、金利上昇による影響が大きく、また、返済期間中に金利が上昇する可能性も高いため、変動金利はおすすめできません。安定して返済が続けられる、全期間固定などの金利タイプを検討するのがよいでしょう。
変動金利を選択したらリスクへの備えを忘れずに
変動金利は、金利設定が比較的低いというメリットがある一方で、金利上昇のリスクもあります。金利が低いことは魅力的ですが、金利変動の幅によっては、月々の返済額や総返済額が大幅に増大する可能性があることを念頭に、よく検討する必要があります。
特に家計にあまり余裕がない場合は、金利上昇リスクに耐えられるかどうか、慎重に判断したほうがよいでしょう。
また、変動金利を選択したら、万が一金利が上昇した場合に対応できるよう、貯蓄をするなどして備えることが大切です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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