将来の自分への自己投資、教育ローンで進学を諦めない
配信日: 2018.05.25 更新日: 2019.01.11
「借りたはいいけど、返済が出来なくなるとテレビで言っていた」「大学の学費は足りないけれど、子供が借金をするには抵抗がある」
教育ローンと聞くと、返済困難や子供が負債を追うなどマイナスのイメージを持たれる方も少なくありません。
テレビや雑誌などメディアでは、教育ローンが支払えなくなってしまったケースを多く取り上げるのですが、本当に支払いが出来なくなってしまう方は全体のごくわずか。
多くの学生さんが教育ローンを利用し、進学することが出来ています。もちろん、大人になってから、しっかり返済もしています。
学費を自分で支払うということで、お金の使い方や大切さを早くから学ばれています。
Text:藤井亜也(ふじい あや)
株式会社COCO PLAN (ココプラン) 代表取締役社長
教育カウンセラー、派遣コーディネーター、秘書等、様々な職種を経験した後、マネーセンスを磨きたいと思い、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。
「お金の不安を解決するサポートがしたい」、「夢の実現を応援したい」という想いからCOCO PLANを設立。
独立系FPとして個別相談、マネーセミナー、執筆業など幅広く活動中。
<保有資格>
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、ファイナンシャルプランナー(AFP) 、住宅ローンアドバイザー、プライベートバンカー、相続診断士、日本心理学会認定心理士、生理人類学士、秘書技能検定、日商簿記検定、(産業カウンセラー、心理相談員)
<著書>
「今からはじめる 理想のセカンドライフを叶えるお金の作り方 (女性FPが作ったやさしい教科書)」※2019年1月15日発売予定
進学は自己投資の1つ~大学進学による収入の違いについて~
大学の授業費・施設設備費だけでも国立では年間約80万円、私立では約100~150万円もの費用がかかります。その他、通学費用や活動費などを合わせると親御さんが準備していた学資保険や貯金だけでは足りないのが現状です。
私(40代)が学生の頃は奨学金を受給している人は2割程度でした。現在は5割以上の方が奨学金を受給しています。
つまり、現在の学生さんと親御さんの年代では生きている時代も異なりますし、教育ローンに対するイメージも異なるのです。
奨学金を受けてまで大学へ行く必要があるのか?と言われる方もいらっしゃいますが、大学へ進学した方とそうでない方の収入には違いが出てきます。
学歴と収入(月額)の比較
(参考:厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」より)
20代では、あまり収入に差はありませんが、年齢が高くなるにつれてその差が大きくなってくるのが分かるかと思います。
大学への進学は将来の自分への「自己投資」につながります。返済が大変、負債を追うのはとマイナスの情報だけで考えるのではなく、進学後の人生や収入など実際の結果を知った上で検討することが大切です。
自分で返済することでお金の使い方を学ぶことが出来る
私のマネーセミナーへ参加された方の中にも、ご自身が奨学金を受給されて、返済中もしくは返済が終わったという方がたくさんいらっしゃいます。
学生の頃から「お金」を意識し、社会人になってから返済をすることで、お金を大切に使うことを学ばれています。
「奨学金の返済が終わったので、その分を貯金や投資にあてたいと思います」
しっかりとお金の使い方を考えられる大人になれたのは、教育ローンを利用して大学へ進学された副産物かもしれません。
このように“計画的にお金を使う”、“お金の使い方を考える力を身につける”のは「投資教育」の1つの目標です。
日本ではまだ投資教育が浸透していませんが、自分自身の将来のために進学をする、そのために教育ローンを利用する、そして仕事で得た収入で返済していくという実践がなによりの投資教育だと思います。
冒頭のご意見をくださった親御さんにも、このようなお話をしたところ、皆さん知らない情報ばかりで驚かれていました。私たち大人以上にお子様には正しい情報が必要です。
お金がないからと進学を諦めてしまう前に、必要な情報を集め、将来のことも考えながらご家族で検討していただきたいと思います。
近年、奨学金の返済をサポートしてくれる企業も増えてきました。
日本の学力向上、労働力向上を国も企業もバックアップしてくれています。ご自身の、そしてお子様の大切な将来につながる情報としてご参考いただければ幸いです。
Text:藤井 亜也(ふじい あや)
株式会社COCO PLAN (ココプラン) 代表取締役社長