定年退職後も「住宅ローン」を支払い続けるのは危険!75歳で完済する場合のシミュレーション

配信日: 2023.12.16

この記事は約 4 分で読めます。
定年退職後も「住宅ローン」を支払い続けるのは危険!75歳で完済する場合のシミュレーション
晩婚化が進んでいることに伴い、住宅を購入するタイミングも後ろにずれ込んでいるといわれています。制度的には40歳前後で35年ローンを組むことも可能なため、活用してマイホームを手に入れる方もいるでしょう。
 
しかし、定年退職後に住宅ローンを残すのは、賢い選択といえるのでしょうか?
 
本記事では、75歳まで毎月10万円の住宅ローンが残っている場合の収支について、シミュレーションをしてみたいと思います。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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65歳で定年退職した後の、毎月の平均収支は?

総務省統計局が公表している「家計調査年報」によると、65歳以上の無職世帯の年金による月間収入・支出額の平均は、表1のとおりです。
 
表1

年金による平均収入額 平均支出額 収支
65歳以上の
夫婦のみの無職世帯
22万418円 26万8508円
(住居費1万5578円を含む)
-4万8090円
65歳以上の
単身無職世帯
12万1496円 15万5495円
(住居費1万2746円を含む)
-3万3999円

※総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)家計の概要」を基に筆者作成
 
あくまでも平均となるため、人によって収入・支出の金額は大きく変わりますが、65歳で定年退職した後、住居費が1万5000円程度であっても、年金だけで生活しようと思うと、毎月4~5万円ほどの赤字になる計算です。
 

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別途に毎月10万円のローンを支払う場合、毎月いくらの赤字になる?

それでは、家計調査年報のデータの住居費を10万円の住宅ローンに置き換えた場合、毎月の収支はどのようになるのでしょうか。計算結果は、表2の通りです。
 
表2

年金による平均収入額 平均支出額
(住居費10万円の場合)
収支 75歳まで(10年間)
の累積赤字
65歳以上の
夫婦のみの無職世帯
22万418円 35万2930円 -13万2512円 1590万1440円
65歳以上の
単身無職世帯
12万1496円 24万2749円 -12万1253円 1455万360円

※筆者作成
 
単純計算にはなりますが、一般的な住居費を10万円の住宅ローンに置き換えた場合で、年金だけで生活しようと思うと、毎月約12~13万円の赤字になる計算となります。
 
仮に75歳で完済する場合、累計の赤字はおおよそ1500万〜1600万円となる計算です。75歳まで住宅ローンを支払い続ける場合は、働き続けるか、今のうちに貯蓄をしておくか、支出を減らすなどの対応が必要になる可能性が高いでしょう。
 

可能ならば定年退職前に完済を!

あくまで平均値での計算となるため、一概にはいえませんが、定年退職後も毎月10万円の住宅ローンを支払うと、当然ながら支出が増えるため、生活が大変になってしまう可能性があります。そのため、基本的には安定収入のある現役世代のうちに、繰り上げ返済なども活用しながら、完済しておくことをおすすめします。
 
計画的なマネープランを組み、老後に負担がかからないように準備しておきましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)家計の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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