注文住宅を建てるときの「つなぎ融資」と「分割融資」の違いは? どっちがお得?

配信日: 2024.08.15

この記事は約 4 分で読めます。
注文住宅を建てるときの「つなぎ融資」と「分割融資」の違いは? どっちがお得?
注文住宅を建てるときは、工事代金を3回程度に分けて支払うのが一般的です。しかし、住宅ローンの融資が実行されるのは最後の支払いのときだけなので、それまでの支払いのための資金が別途必要になります。そんなときに役に立つのが、「つなぎ融資」や「分割融資」です。
 
本記事では、つなぎ融資や分割融資とはどんなもので、両者はどんな違いがあるのか、どちらかお得なのか、簡単に解説します。
馬場愛梨

執筆者:馬場愛梨(ばばえり)

ばばえりFP事務所 代表

自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。

過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。

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注文住宅は支払うタイミングが約3回

注文住宅の代金支払いのタイミングは、「1回で全額」ではなく、「複数回に分けて一部ずつ」になるのが一般的です。

【注文住宅の支払いタイミングの例】

●土地購入時……土地代金
●建物請負契約時……工事代金の1割程度
●建物着工(建築開始)時……工事代金の3割程度
●建物上棟(中間)時……工事代金の3割程度
●建物完成(引き渡し)時……工事代金の3割程度

注意したいのが、工事代金を分割で支払うことになる点です。
 
通常の住宅ローンでは、工事代金分の融資が実行されるのは「建物完成時」だけです。なぜなら、住宅ローンは原則として土地や建物を担保に貸し付けるものであり、建物がない状態で建物代金を貸すことはできないからです。
 
では、建物完成より前に必要な代金の支払いはどうすればよいのでしょうか。選択肢は主に、以下の3つです。

●自己資金でまかなう
●「つなぎ融資」を利用する
●「分割融資」を利用する

つなぎ融資と分割融資は、それぞれどのようなものなのか知っておきましょう。
 

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つなぎ融資と分割融資の違い

注文住宅の工事代金は、分割払いとはいえ1回あたり数千万円程度の支払いが必要になることもあります。そのため、自己資金ではなく、つなぎ融資や分割融資を活用してお金を用意する人も多いです。
 
つなぎ融資とは、建築途中の代金を支払うための融資で、住宅ローンとは別に借りることになります。名前のとおり、「建物完成までのつなぎ」として使えます。
 
あくまで一時的に不足する資金を借りるものであり、住宅ローンの融資が実行されたら、そのお金でつなぎ融資で借り入れた分は一括返済します。
 
一方、分割融資とは、住宅ローンとしての融資を一括ではなく、何度かに分けて受けられるしくみです。つなぎ融資とは違って2本の融資契約を結ぶのではなく、1本の契約のなかで完結します。分割融資で借りたお金は、通常の住宅ローンと同様にその後返済していきます。
 

つなぎ融資と分割融資、どちらがお得?

つなぎ融資は無担保の融資であり、住宅ローンに比べて金利が高め(年2~4%など)に設定されていることが多いです。利用するのは一時的ですが、借入金額が大きければ利息の負担も大きくなります。これに対して、分割融資は土地を担保にするため、住宅ローンの金利で利用できます。
 
迷ったらまずは分割融資を検討して、それが難しければつなぎ融資を検討してみましょう。
 
ただ、分割融資は、事務手数料や登記費用などの費用がつなぎ融資より高くなる傾向があります。金利だけではなく諸費用も計算に入れると、つなぎ融資のほうがお得だったというケースもあります。
 
なお、つなぎ融資や分割融資は、どの金融機関でも取り扱っているわけではありません。「どちらも対応不可」「つなぎ融資のみ可」など金融機関ごとに差があり、金利や手数料、分割できる回数や返済開始時期なども異なります。
 
どちらがお得かは、利用する金融機関や借りる期間など細かい条件によって変わるため、事前によく確認したうえで比較・検討するようにしましょう。
 

まとめ

注文住宅では、複数回にわたって支払いが必要になるケースが多いです。建築途中の代金を支払うときは通常の住宅ローンが利用できないため、自己資金で支払うか、つなぎ融資もしくは分割融資を検討することになるでしょう。
 
金利の負担を抑えたいなら分割融資ですが、条件によっては、つなぎ融資より高くつくこともあります。また、そもそもつなぎ融資や分割融資に対応していない金融機関もあります。金利や諸費用などの条件も含め、あらかじめよく確認したうえで申し込むようにしましょう。
 
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表

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