住宅ローン「2000万円」を低金利のものに借り換えた友人。「改めて計算したら数万円損したかも」と言っていますが、いったいナゼ?“見落としがちな注意点”を解説
配信日: 2025.05.10

本記事では、住宅ローンを借り換えた場合の効果を見たうえで、なぜ借り換えによって損をしてしまうことがあるのか解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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住宅ローン借り換えの効果
まずは、住宅ローンの借り換え効果を見てみましょう。
今回は某大手銀行のシミュレーションツールを使用し、単純に金利の差が住宅ローンの返済額にどの程度影響を及ぼすのかを見ていきます。まず、現在の状態を下記のとおりとします。
・残ローン金額:2000万円
・金利(年利):2.45%
・プラン:固定金利特約型10年
・返済期間:20年
・返済方法:元利均等返済
・ボーナス返済:なし
この場合、毎月返済額は10万5494円、総返済額は2531万8560円です。
そして、金利を2.25%のもの(固定金利特約型5年)に変更すると、毎月の返済額は10万3561円、総返済額は2485万4640円となります。つまり、おおよそですが金利を約0.2%下げることで、50万円近く総返済額を減らすことができます。
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借り換えに伴う主な費用
「総返済額が数十万円も減るなら住宅ローンの借り換えをしたい」と考える人も多いでしょう。ただし、借り換えにはさまざまな費用が伴います。いくつか例を見ていきましょう。
(1)融資事務手数料
「融資事務手数料」とは、新たな金融機関での住宅ローン契約時に支払う手数料のことです。金額が決まった定型のものと、借入額に所定の率を乗ずるタイプのものがあります。
仮に融資事務手数料が借入金額の2.2%だとしましょう。そのため、2000万円を借り入れた場合、この手数料として44万円を支払わなければなりません。
(2)全額繰上返済手数料
「全額繰上返済手数料」とは、現在のローンを一括返済する際に発生する手数料です。こちらは銀行によってかからない場合もありますが、かかる場合は数万円かかります。
また、窓口の形態によって金額が変わることもあり、例えば、某大手銀行の場合、インターネットが1万6500円、テレビ窓口が2万2000円、店頭窓口が3万3000円となっています。全額繰上返済を考えている場合は、事前にチェックしてみましょう。
(3)保証料
「保証料」は、保証会社を利用する場合に支払う費用です。保証会社を利用することで、連帯保証人を立てなくても住宅ローンを契約でき、万一契約者が返済できなくなった場合でも、保証会社が代わりに残りの債務を返済する義務を負ってくれます。
(4)その他
ほかにも、印紙税や抵当権抹消・設定費用、司法書士への報酬、登録免許税など、住宅ローンを借り換えた際にはさまざまな手数料の発生を考慮する必要があります。
借り換えによるメリットがあるかどうかはどう判断する?
住宅ローンの借り換えを検討する際には、借り換えによるメリットと、借り換えに必要な費用をシミュレーションすることが大切です。
なお、一般的には次の3つの条件がそろっていれば、借り換えによって毎月の返済額が減るとされています。
・借入残高:1000万円以上ある
・返済期間:10年以上残っている
・金利差:現在よりも1%以上低い
これらの条件を満たさない場合、手数料や諸費用が借り換えによる利息軽減効果を上回り、結果的に損失を被る可能性があります。
まとめ
住宅ローンの借り換えは、金利差や借入残高、返済期間を総合的に考慮し、手数料や諸費用を含めたシミュレーションを行うことが重要です。
事前に詳細な計算を行わずに借り換えを進めると、期待した効果が得られない可能性があります。慌てて決断せず、慎重に検討しましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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