年金受給者の父が、新車の「アクア」をローンで購入したいとのこと。「年金+貯金」で暮らしながらローンを組むのは難しい? 生活費もあわせてシミュレーション
そこで本記事では、新車のアクアを購入すると考えた場合に年金受給者でもローンを組むことができるのか、について解説していきます。
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年金受給者でもローンを組める
ローンは借入時や返済時の年齢に上限があるため、高齢になると審査対象にならない場合があります。そのため、ローンの審査を受ける際は借入条件を確認することが重要です。金融機関によっては高齢であってもローンを組めるところもあります。
例えば、とある金融機関のマイカーローンの借入条件は「借入時の年齢が18歳以上75歳未満」、「最終償還時(返済が終わる時)の年齢が80歳未満」、「前年度税込年収が 150 万円以上あること」です。
このことから、定年後に年金受給だけの場合でも前年度の税込み年収が150万円以上あり、借入時と償還時の年齢が問題なければローンを組むことは可能といえそうです。
ローンを組むことは可能だが実際の返済は難しい
しかし、ローンを組めるからといって年金だけで新車を購入できるかといえば、それは別問題です。事例のように新車のアクアを購入したい場合は、グレードによりますが200万円から280万円ほどが購入資金として必要になります。
そこで実際にマイカーローンを借りた場合をシミュレーションしてみます。借入希望額を250万円、借入期間を最長の10年、金利を3%として計算すると、返済総額は289万6820円、毎月の返済額は2万4140円です。毎月2万4140円を支払える余裕があれば、年金受給だけでも新車の購入は可能といえます。
もっとも、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(年金受給者で就労していない世帯)の可処分所得の平均は月に21万3042円、消費支出の平均は月に25万959円で、毎月3万7917円の赤字です。
前記の自動車ローンを組む場合は、さらに毎月2万4140円を返済していくので赤字額は6万2057円になります。これが借入期間の10年間続くため、年金額や貯金額にもよりますが、自動車ローンを返済していくのは難しいケースも多そうです。
ローン返済が困難であるなら、就労も選択肢の一つです。収入を増やすことでローンの審査にも通りやすくなる可能性があり、返済の負担も減らすことができるでしょう。
家計に合った購入方法の検討を
年金受給のみでも金融機関を選べば自動車ローンを組むことは可能です。65歳以上であっても借入時の年齢と償還時の年齢が問題なく、収入の要件も満たして入れば借入対象になります。
しかし、事例のように新車のアクアを購入したい場合は、ローンを組めたとしても返済が家計の大きな負担になる可能性が高いです。
そこで、収入を増やすために就労するのも一つの手です。収入が増えれば家計の負担を減らすことができ、自動車ローンの審査にも通りやすくなります。まずは金融機関でローンの借入対象、借入条件を確認し、家計に合った購入方法が可能かを家族で検討してみてはいかがでしょうか。
出典
トヨタ アクア 価格・グレード
統計局 家計調査報告家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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