住宅ローン4000万円、変動金利→固定金利にすべき? 判断を誤ると“数百万円損”も!?

配信日: 2025.06.25
この記事は約 4 分で読めます。
住宅ローン4000万円、変動金利→固定金利にすべき? 判断を誤ると“数百万円損”も!?
住宅ローン4000万円を借り入れ中という方のなかには、「今は変動金利だけど、金利が上がったらどうしよう……」と不安になっている方もいるかもしれません。金利タイプの選択ミスは、数百万円単位での総返済額の差につながることも珍しくありません。
 
本記事では、金利タイプによる総返済額の比較やメリット・デメリット、切り替えを判断するポイントを分かりやすく整理します。将来の返済計画に不安がある方はぜひ参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

4000万円の住宅ローン、変動金利と固定金利で総返済額はどれくらい変わる?

借入金額4000万円・返済期間35年・返済方法元利均等・ボーナス払いなしを前提に、固定金利とケース別の変動金利でシミュレーションした結果は以下の通りです。

●固定金利(全期間固定・年1.5%):総返済額約5146万円(利息負担約1146万円)
●変動金利 楽観ケース(年0.68%・利上げなし):総返済額約4496万円(利息負担約496万円)
●変動金利 悲観ケース(年0.68%・10年後と20年後にそれぞれ1.5%金利上昇):総返済額約5371万円(利息負担約1371万円)

変動金利(楽観ケース)では、固定金利よりも総返済額が少なくなるものの、悲観ケースでは固定金利より変動金利の方が、約225万円総返済額が多くなる可能性もあり、金利が急騰すれば返済額が大幅に上昇し、家計への影響が大きくなるリスクがあります。
 
ただし、これらはあくまでシミュレーション例であり、実際の金利や条件によって異なる場合があります。
 

変動金利・固定金利、それぞれのメリット・デメリットとは?

変動金利は、借入当初の金利が低い傾向にあるため、総返済額を抑えられる可能性があります。特に金利が長期間上がらなければ、利息負担が少なく済むことが大きな魅力です。また、多くの金融機関では「5年ルール」や「125%ルール」といった仕組みにより、急激に返済額が増えることを防ぐ措置も設けられています。
 
一方で、市場金利が上昇すれば、将来的に返済額が増えるリスクがあります。金利が大きく上がると、未払い利息が発生し、元本がなかなか減らない状態になる可能性もあります。そのため、家計に余裕がある人や繰り上げ返済を積極的に行える人に向いています。
 
固定金利は、借入時に決まった金利が返済終了まで変わらないため、将来の返済額を正確に見通せるのが最大のメリットです。毎月の返済額が一定なので、教育費や生活費など他の支出とバランスを取りながら計画的に返済できます。
 
ただし、変動金利と比べて金利が高めに設定されているため、総返済額はやや多くなる傾向があります。また、借入当初から高めの返済額になることが多いため、家計にある程度の余裕がある人や、将来の金利上昇が気になる人に適しています。
 
このように、両者にはそれぞれ異なる特徴とリスクがあります。ライフスタイルや収支状況に応じて、自分に合った金利タイプを選ぶことが重要です。
 

判断基準は? どんな人が固定金利に向く? 変動金利のままでよい?

金利タイプの選択は、自分の家計状況や今後のライフプランに応じて判断することが大切です。例えば、将来の収入が安定しており、金利が上昇しても一定の余裕を持って対応できる人は、変動金利を選ぶことで総返済額を抑えられる可能性があります。
 
一方で、教育費や大きな支出が控えていたり、家計に余裕がなかったりする場合は、返済額が一定で予算管理のしやすい固定金利が安心です。
 
また、金利が上昇局面にあると判断されるときや、固定金利の水準が下がっているときは、切り替えや借り換えを検討する好機といえます。選択に迷った際は、金融機関のシミュレーションを活用し、複数のケースを比較検討することが有効です。さらに、専門家に相談することで自分に合った金利タイプを明確にできる可能性もあります。
 

まとめ|切り替えを検討する際に大切なポイント

変動金利は総返済額を抑えやすい反面、将来の金利上昇による返済額の増加リスクがあります。一方、固定金利は毎月の返済額が一定で家計の見通しを立てやすく、安心感があるのが特徴です。どちらを選ぶかは、今後の金利動向や家庭の収支状況、リスクへの耐性によって判断が分かれます。
 
切り替えを検討する際は、現在の金利水準だけでなく、今後の支出予定や繰り上げ返済の可能性、金利タイプ変更や借り換えにかかる費用なども考慮することが重要です。また、返済期間中に環境が変化する可能性もあるため、柔軟に見直しできる体制を整えておくと安心です。
 
焦らず、将来のライフプランに合った選択をしましょう。自分の家計に合った判断が、数十年後の安心につながります。
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問