将来「マイホーム」を買いたい30代夫婦です。40代以降の「住宅ローン」は「破綻のリスク」があると聞き、不安なのですがどう備えればよいのでしょうか?
本記事では、住宅ローン破綻の主な原因と、安心して住宅を購入するために30代のうちからできる備え方を分かりやすくご紹介します。住宅購入を前向きに検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
住宅ローン破綻が起きるのはどんなとき? 主な原因を知っておこう
住宅ローン破綻とは、毎月の返済ができなくなり、最終的に家を手放さざるを得なくなる状態を指します。なぜこうした事態が起きるのでしょうか。主な原因としては、以下のようなケースが挙げられます。
・返済期間が長すぎて、定年後もローンが続く
・病気やリストラなどで突然収入が減り、返済が困難になる
・子どもの教育費や介護など、ライフイベントにより支出が増える
・金利が上昇し、変動金利ローンの返済額が増える
特に注意したいのが「完済年齢」。40代で35年ローンを組むと、完済は70代になります。年金生活に入りながらの返済は、経済的にも精神的にも大きな負担となります。
不安を減らすには? 住宅ローンで失敗しないための備え方
住宅ローンへの不安を軽減するには、借り入れ前の準備が重要です。まず、年収に見合った無理のない借入額にすることが基本で、返済負担率は年収の25%以内に抑えることが安心とされています。
ボーナスや退職金を前提にすると、予想よりも少ないこともあるため、安定した収入をもとに金額を決めることも判断の目安になります。また、定年後も返済が続くと負担が大きくなるため、完済年齢はできるだけ定年(65歳)までに設定することが理想です。
国土交通省「令和5年度 住宅市場動向調査」によると、住宅取得借入金の返済期間の平均は、注文住宅(建築)では32.7年、分譲戸建住宅は29.7年、分譲集合住宅だと28.0年とされています。
世帯主の年齢はいずれも30代が最も多い割合となっていますが、平均年齢は40歳前後となっています。現実には完済年齢が65歳を超える場合も多いようですが、定年前に完済できるよう、あらかじめ計画を立てましょう。
さらに、頭金をしっかり準備することで、借入額を減らし返済にも余裕が生まれます。また、金利タイプの選択も大切で、将来の上昇リスクを考えるなら固定金利やミックス型を選ぶのも一つの方法です。加えて、病気や万が一に備えた保険を活用しておくと、安心してローンを組めます。
何から始める? 30代から考えたいマイホーム資金計画
計画的に準備を進めるために、次のステップから始めてみましょう。
1.今の家計の把握:毎月の収入と支出を見える化し、将来の返済余力を確認
2.住宅展示場やFP相談などで情報収集:住宅ローンの仕組みや物件価格の相場を知る
3.貯蓄の目標設定:数年以内にいくら貯めたいか(頭金・諸費用)を具体的に決める
4.ライフプランの作成:子どもの教育、老後の生活など将来の出費を見据える
無理なく返済できるかどうかは、ローンを組む前の準備で大きく左右されます。焦らず、段階的に進めていきましょう。
まとめ:安心して住宅ローンを組むために、今からできる準備を
住宅ローンに不安を感じているのは、住宅購入を真剣に考えている証拠です。40代以降の破綻リスクを意識することは大切ですが、30代の今から準備すれば、安心してローンを組めます。
借入額や返済期間の設定、頭金の準備、保険の加入など、備えられることはたくさんあります。将来の暮らしを見据えた家計管理を今から始めて、理想のマイホーム実現につなげていきましょう。
出典
国土交通省 住宅局 令和5年度 住宅市場動向調査 報告書
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー