Xで「マチアプで奨学金借りてる人は…」の投稿に波紋!「価値観が合わないと思う」とのことですが、奨学金を借りるのは“デメリット”なのでしょうか?
投稿者は理由を「価値観が合わないから」としていますが、奨学金の利用は、本当に価値観の違いに関係するのでしょうか? 本記事では、奨学金を借りる人の割合や完済時期の平均年齢、利用するメリット・デメリットについて紹介します。
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目次
「奨学金を借りている人はマチアプで除外したい。価値観が合わない」という投稿がSNSで話題に!?
2025年7月、X(旧Twitter)では、「奨学金を借りている人はマチアプで除外したい。価値観が合わない」という投稿が注目を集めました。
この投稿には賛否両論が集まり、「環境ではなく本人の問題では?」「金銭感覚を合わせるのは大切」といった意見が飛び交いました。
マッチングアプリという将来を意識する出会いの場において、経済感覚や借金に対する考え方が問われるのは不思議ではありません。しかし、奨学金は一概に「借金=デメリット」と捉えられるものなのでしょうか。
奨学金を借りる人の割合は? 完済時期の平均年齢は?
独立行政法人日本学生支援機構の「奨学金事業に関するデータ集 令和7年1月[令和7年6月一部改訂]」によると、令和5年度には、高等教育機関の学生363万人のうち117万人、おおむね3人に1人が、日本学生支援機構の奨学金を利用しました。
奨学金の利用は決して珍しいことではなく、むしろ多くの人にとって「学びの機会を得るための選択肢」といえるでしょう。
また、第一種奨学金(無利子)における平均貸与総額は202万円で、平均返還年数は14年。第二種奨学金(有利子)における平均貸与総額は333万円で、平均返還年数は17年です。奨学金の返還は、貸与が終了した翌月から起算して7ヶ月後に始まります。
例えば、22歳で大学を卒業した場合、返済期間にもよりますが、完済するのはおおよそ30代後半から40代にかけてとなるケースが多いでしょう。
奨学金を借りるデメリット・メリット
多くの学生が、生活費や学費の負担を軽くするために利用している奨学金。しかし、返済の負担や将来の家計への影響など、注意しておきたい点もあります。ここでは、奨学金のデメリットとメリットを整理してみましょう。
まず、奨学金を借りるデメリットについては以下の通りです。
・返済が長期間に及ぶ(14年~20年)
・就職後の手取り収入が減る可能性がある
・ライフイベント(結婚、住宅購入など)への影響が出る可能性もある
次に、奨学金を借りるメリットについては以下の通りです。
・家庭の経済状況に左右されずに進学できる
・学費以外に生活費の補助としても利用可能
・金利や返済方法の選択肢が多く、無理なく返済できる支援制度も整っている
・失業や災害など、万が一返済ができなくなった場合、減額返還や返還期限猶予などの救済措置がある
奨学金は、将来への投資として活用するという前向きな側面もあります。大学で得た学びが収入アップやキャリア形成に結びつけば、返済負担は十分に見合うものとなり得ます。
こうした特徴を理解し、本当に必要な金額はいくらなのか、卒業後は何年間かけて、毎月いくら返済するのかを十分考えて利用しましょう。
奨学金の利用は個々の自由
奨学金の利用には、人によってさまざまな背景があります。将来に対する投資のために奨学金を借りて進学し、しっかりと返済している人も多く存在します。価値観は人それぞれですが、必ずしも「奨学金は借金だからNG」とは言えません。
奨学金を借りた・借りなかったことは価値観に影響があるかもしれませんが、それだけで出会いや付き合いを決めてしまうのはもったいないのではないでしょうか。
出典
独立行政法人日本学生機構 奨学金事業に関するデータ集 令和7年1月[令和7年6月一部改訂]
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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