「金利上昇リスクを避けたい」の声多数…安心できるのはやはり「固定金利」なの?変動金利から乗り換えるときの注意点も解説
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目次
今なぜ「固定金利」が注目される? 金利上昇リスクの最新動向
住宅ローン市場では、変動金利が従来主流でしたが、2025年の今年、固定金利への注目が急速に高まっています。最大の理由は、日本銀行の金融政策の転換と金利上昇局面です。
2024年以降、日銀は長期金利の引き上げに踏み切り、結果として長期固定型ローンの金利も上昇傾向となっています。現在、住宅ローンの長期固定金利は2.7%まで上昇しているところもあり、今後の追加利上げも警戒されている状況です。
一方、変動金利は依然として低位で推移していますが、将来的な金利上昇リスクに備えて「毎月返済額が急増するのでは」といった不安も高まっています。住宅ローン利用者の多くが「安心した返済計画を立てたい」との理由で、固定金利型や返済額が確定するタイプへの関心を強めています。
固定金利と変動金利のメリット・デメリット比較と選び方のポイント
固定金利と変動金利には、それぞれメリット・デメリットがあります。
・市場金利が将来上昇しても返済額はそのまま
・長期的な家計計画が立てやすい
・安心感が大きい
・変動金利に比べ借入時の金利水準が高い
・特約期間終了後、継続する場合は手数料がかかる
・現状では非常に低水準の金利で借りられる
・市場金利が下がれば利息も減る
・市場金利の上昇リスクに常にさらされる
選び方のポイントは、自身のライフプランと収入予測、金融市場の動向を踏まえ、「多少コストが上がっても安心を優先したいのか」「当面は低金利恩恵を重視するのか」という価値観やリスク許容度です。
変動金利から固定金利への乗り換え時に気をつけたいこと
「やっぱり変動金利は不安」「固定金利に切り替えたい」というニーズが高まるなか、実際に乗り換える際の注意点も把握しておくことが大切です。
・借り換えに伴う諸費用や手数料
・団体信用生命保険(団信)の保障内容の見直し
・借り換えのタイミング
住宅ローンを借り換える際には、印紙代や登記費用、事務手数料などが発生し、諸経費の合計が100万円近くに上ることもあります。さらに、金融機関によっては既存ローンに「繰り上げ返済手数料」がかかる場合もあります。
また、借り換えの際には団信の見直しも可能です。現在の保障内容より手厚いかどうか、必ず確認しましょう。
そのほか、固定金利型の審査通過後に金利が上昇するリスクもゼロではありません。ニュースや専門家の分析などを参考に、借り換えのタイミングを見極めることが大切です。
借り換えによる総返済額のシミュレーションを必ず行い、得になるかどうか比較検討も行うことが重要です。住宅ローン業界団体や金融機関の公式サイト・シミュレーターも活用しましょう。
賢いローン選びとリスク対策まとめ
金利上昇リスクが現実味を帯びてきているいま、「安心」を重視して固定金利を選ぶ人が増えていますが、それぞれの家庭やライフステージによって最適解は異なります。金利の動向、家計の状況、将来の収入や支出見込みなどを冷静に分析したうえで、借り換えや金利タイプの選択は慎重に検討しましょう。
最新の住宅ローン金利や手数料体系は各金融機関のサイトや業界団体ページで確認できます。家計相談やファイナンシャルプランナーへの無料相談サービスも積極的に活用することで、将来的な金利上昇に備えた賢い資金計画が立てられるでしょう。
住宅ローンは借りるときだけでなく、借りている間も定期的に見直すことが、安心で豊かな生活を実現する大切な一歩となります。
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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