65歳を過ぎて「住宅ローン返済」をしたくないので、退職金800万円を繰り上げ返済に使いたいです。妻には「やめたら?」と言われますが、定年後も返済し続ける方って多いのですか?

配信日: 2025.09.03
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65歳を過ぎて「住宅ローン返済」をしたくないので、退職金800万円を繰り上げ返済に使いたいです。妻には「やめたら?」と言われますが、定年後も返済し続ける方って多いのですか?
住宅を購入する際に、多くの人は住宅ローンを組むでしょう。35年や40年など、返済期間は長期にわたるため、定年後もローンを払い続ける場合もあります。
 
ただし、定年時にもらえる退職金をローン返済に充てる方法もあります。今回の事例では、退職金800万円を繰り上げ返済に充てたいとのことですが、家族からは「やめた方がいいのでは?」と言われているようです。
 
今回の記事では、定年後もローンを返済している人の割合を紹介し、退職金を返済に充てるメリットとデメリットについて解説します。
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定年後に住宅ローン返済している人の割合

まずは、住宅ローンを返済している人の割合を見ていきます。
 
金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯](2024年)」を参考にすると、以下のようになります。

・20代:31.1%
 
・30代:54.2%
 
・40代:54.3%
 
・50代:46.3%
 
・60代:43.1%
 
・70代:34.8%

住宅ローンを返済している年代が最も多かったのは40代でした。次いで、30代でも半数以上の人が住宅ローン返済をしており、50代以降になると40%台にまで下がっています。したがって、定年を迎える前までにローンを完済する人もある程度いることが分かります。
 

住宅ローン残高

次に、住宅ローンの残高を年代別に見ていきます。
 
同調査によると、各年代で最も多かった金額帯と割合は以下のとおりです(無回答除く)。

・20代:2000万円以上(17.8%)
 
・30代:2000万円以上(48.8%)
 
・40代:2000万円以上(36.3%)
 
・50代:2000万円以上(17.1%)
 
・60代:1000万~1500万円未満(12.0%)
 
・70代:100万~200万円未満、700万~1000万円未満、2000万円以上(すべて5.6%)

50代までは2000万円以上の残高がある人の割合が多いことが分かります。一方、60代を過ぎると残高が減る傾向にあり、70代を超えると、100万~200万円未満の割合も多く、返済額は少なくなっています。
 

退職金で繰り上げ返済するメリット

60代以降も住宅ローンの支払いが残っている人のなかには、退職金で繰り上げ返済を考えている人もいるでしょう。以下では、退職金を繰り上げ返済に充てるメリットについて解説します。
 

利息が減る

まずは、利息が減るというメリットがあります。返済期間が短ければ利息はそれほど大きくなりませんが、長期間だと利息は増えます。金利が高いローンを組んでいる場合、利息が大きく減れば家計の負担は軽減できるでしょう。利息を抑えるためにも、繰り上げ返済は有効です。
 

毎月の返済がなくなる

退職時にローンを完済すれば、老後の支払いはなくなります。老後は収入が減ることが多いため、毎月の支払いを抑えることで家計の負担を大きく軽減できるでしょう。
 
一方、ローンを繰り上げ完済しなくても返済額軽減型にすることで毎月の支払いを抑えられます。
 

退職金で繰り上げ返済するデメリット

退職金の繰り上げ返済にはデメリットもあります。どのような内容か以下で解説します。
 

老後の生活資金に充てられない

退職金をすべて住宅ローンに充ててしまうと、老後の支払いの負担はなくなりますが、その後の生活資金が少なくなる可能性があります。老後のおもな収入源は、一般的に年金か引き続き働くかのどちらかです。退職前に比べると収入が減る可能性が高いため、貯金や金融商品などの財源を確保しておきましょう。
 

リスクに備えられない

高齢になると、医療費や介護費用、住宅の修繕などさまざまな場面で出費があります。大きな金額がかかることもあり、いざという時にまとまったお金がないと支払いが難しくなります。どのくらいの金額がかかるのか予想できないため、リスクに備えたお金を多めに用意しておいた方がよいでしょう。
 

定年後も住宅ローン返済をしている人の割合は少なめ

住宅ローンを返済している人は60代、70代でそれぞれ3割~4割程度と少ない傾向です。一方残債は、70代では数百万円という割合も多くなっています。退職金の繰り上げ返済にはメリットとデメリットがあるので、家庭内で相談して、よく考えてから判断しましょう。
 

出典

金融経済教育推進機構(J-FLEC) 家計の金融行動に関する世論調査 2024年 二人以上世帯 各種分類別データ
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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