「4000万円」のマイホームを購入予定ですが、金利が上がるニュースを見て迷っています。「固定金利」と「変動金利」のどちらにすべきでしょうか?
本記事では、金利の最新動向を踏まえたうえで、それぞれの金利タイプの特徴や選び方のポイントについて解説します。
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目次
金利上昇の今、なぜ選び方に悩むのか?
住宅ローンの金利は、長らく超低金利が続いていました。しかし2024年以降、日銀の政策変更や物価上昇の影響で、市場では金利上昇の兆しが見え始めています。これにより、今後変動金利が上がっていく可能性も十分に考えられます。
こうした中、変動金利の「低さ」は魅力的ですが、将来的な返済額の増加リスクがあります。一方で固定金利は「安心感」がありますが、初期の金利が高くなりがちです。そのため、多くの人が「今はどちらが得なのか」と迷っているのです。
固定金利と変動金利、それぞれの違いと特徴
変動金利は、半年ごとに金利が見直されます。借入当初は金利が非常に低く、毎月の返済額を抑えやすいのがメリットです。ですが、金利が上がると返済額も増えるため、将来の家計に不安がある人には向いていない場合もあります。
固定金利は、借入時に金利が決まり、返済額が最後まで変わらないのが特徴です。金利が上昇しても影響を受けないため、長期間安定した返済をしたい人に向いています。ただし、金利は変動よりも高めに設定されていることが多く、総返済額も増える傾向にあります。
4000万円借りた場合の比較シミュレーション
ここでは、35年ローン・元利均等返済で比較してみましょう(諸費用除く概算)。
・変動金利(0.7%)
月々約11.3万円、総返済額 約4750万円
・固定金利(2.5%)
月々約14.2万円、総返済額 約5960万円
このように、月々の返済では約3万円の差があります。変動金利を選べば家計は楽になりますが、金利が上がれば月々の返済額も大きく増える可能性があります。
金利タイプを選ぶための判断基準
どちらを選ぶべきかは、以下のようなポイントで考えてみましょう。
・収入が安定している、今後増える見込みがある
→ 変動金利でも対応可能
・子どもの教育費や介護などで支出が増える予定
→ 固定金利で家計を安定させた方が安心
・将来転勤や転職などで売却する可能性がある
→ 返済期間が短いなら変動金利でもリスクは抑えやすい
・返済額が一定でないと不安になる
→ 固定金利が向いている
どちらも不安なら“ハイブリッド型”という選択肢も
最近は、固定と変動を組み合わせた「ミックスローン」や、最初の10年だけ固定にしてその後変動に切り替える「期間選択型固定金利」なども選べます。最初の数年は家計が苦しいかもしれないが、収入の見込みが立てば変動でもOK、というように、状況に応じた柔軟な選択も可能です。
大切なのは“将来の自分”をイメージすること
「金利はどう動くか?」は誰にも正確には読めません。だからこそ、自分の家計やライフプランに合った返済スタイルを選ぶことが、後悔しないための第一歩です。
安心感を重視するなら固定金利、コストを抑えたいなら変動金利。両方の良さを取り入れるハイブリッド型も、今の時代には現実的な選択肢です。
ローンの選び方は、家を選ぶのと同じくらい重要です。迷ったときは、複数の銀行で見積もりをとったり、FP(ファイナンシャルプランナー)に相談したりして、納得のいく決断をしましょう。
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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