「まだ3年しか乗ってないのに…」新車の「CR-V」を手放し、「アルファード」に買い替えた息子。残クレでの“早期買い替え”は本当に得なのでしょうか?
その選択に驚きつつ調べてみると、最近は残価設定ローン(残クレ)やリースを活用し、数年ごとに車を乗り換える人が増えているようです。
特にアルファードやCR-Vのような人気車はリセールバリューが高く、短期間で売却しても思ったほど損をしないケースもあるようです。実際、保育園の送り迎えに、アルファードのような大きな車で来ている家庭もよく見かけます。
果たして早期買い替えは「損」なのか「得」なのかを整理してみました。
FP2級、日商簿記2級、建設業経理士1級、衛生管理者
20代・30代でもアルファードが買える?「残価設定ローン」とリセールの力
アルファードの車両本体価格は、500~800万円台が中心です。例えば600万円の車を、ローンを組んで購入する場合、返済年数にもよりますが毎月の支払は10万円近くかかります。
一方、残価設定ローンで購入する場合、3年後の残価を300万円と設定し、差額の300万円を分割で支払うなら、頭金を100万円ほど払って支払額を抑えれば月5~6万円で乗れる計算になります。
アルファードのような人気車は、3年後でも新車価格の6~7割で売れることも珍しくありません。アルファードほどではないものの、CR-VもSUVの高い需要があり比較的下取り価格は安定しています。結果的に「思ったより高級車に手が届く」と感じる人が増え、20代や30代の一般家庭でもワンランク上の車を選びやすくなっているのです。
早期買い替えの“得”な面─常に新車で最新装備
筆者は「車を早く乗り換えると損」というイメージを持っていました。ところが、実際には得な面も少なくありません。
まず、新車の3年間は車検がありません。10万円前後の車検費用を避けられるのは、大きなポイントです。さらに、最新モデルは燃費性能が改善されており、走行距離が多ければ年間で数万円のガソリン代が浮くケースもあります。
安全装備も年々進化していて、衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能が標準搭載されるなど、家族を乗せる際の安心感も高まります。
前記したように、人気車種であれば3年後でも新車価格の60~70%で売れることも珍しくなく、「思ったより出費が少なかった」と感じる人も少なくありません。常に最新の車に乗れるのは、新しもの好きの人にとっては特にうれしいメリットですね。
見落としがちな“損”な面─支払いは止まらない
早期買い替えには落とし穴もあります。例えば、アルファードを残価設定ローンで3年ごとに更新し続けると、月5~6万円の支払いが延々と続き、10年間で総額600~700万円を払う計算になります。ローンを完済して「車を所有する」達成感を得られないまま、常に“レンタル”状態のように乗り継ぐことになるのです。
人気車であっても、将来の下取り価格は保証されません。アルファードのような高級車の場合、生産ペースが向上して市場に流れる台数が増えると、数年で下取り価格が50万~100万円も下がるリスクがあります。リセールバリューが低くなればトータルの支払総額が膨らんでしまうため、損をする可能性もあるでしょう。
まとめ
車の早期買い替えは一見「損」に思えますが、残価設定ローンやリセールの高い人気車を選べば、予想より出費を抑えつつ常に新車に乗れるという「得」の側面もあります。安全装備が充実している点も安心材料です。
一方、ローンで早期乗り換えを繰り返せば、10年間で数百万円以上の負担になる可能性があります。
結局は、「家計に見合った返済プランか」「3年ごとの新車乗り換えはライフスタイルに合っているか」が判断の分かれ目になるでしょう。
出典
トヨタ自動車株式会社 見積りシミュレーション
執筆者 : 里見るい
FP2級、日商簿記2級、建設業経理士1級、衛生管理者