「年収500万円」で“高級マンション”に住みたい夫…ローンは組めるけど生活は大丈夫? 都内での年収500万円の生活レベルについて解説
今回は、ローン審査の基準や都内の生活費から、理想と現実のギャップを整理します。
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目次
年収500万円で都内の高級マンションは本当に住めるのか?
東京都内で「高級マンション」に住む、年収500万円でその希望は現実的でしょうか。
結論から言えば、いわゆる都心部のハイクラスマンション(タワーマンションなど)は、購入も賃貸も資金面で非常にハードルが高いです。一方で、23区外や都心から離れたエリア、中古物件などで「高級感」を味わえるマンションを現実的な条件で見つける可能性なら十分にあります。
「高級マンション」の定義はさまざまですが、東京都区部では平均価格1億円以上も珍しくないため、年収500万円台で新築・高級物件は現実的とはいえません。
一方、墨田区や足立区などのエリア、あるいは築浅中古マンションでは年収500万円でも現実的な選択肢が広がります。
住宅ローン審査で借りられる金額と無理のない予算ラインは?
金融機関の住宅ローン審査は「返済比率(返済負担率)」が重要です。
フラット35基準では「年収400万円以上の場合、総返済負担率35%以下」が上限とされており、単純計算で年収500万円の場合は年間175万円(月約14万5000円)までの年間返済額が目安となります。また、堅実に生活設計を組むのであれば「返済比率25%以内」(年間125万円、月約10万4000円)を目指すのが賢明です。
2025年現在、主要銀行やフラット35のシミュレーションによれば、年収500万円で35年ローンを組めばおおよそ3700万円~4000万円程度の借り入れが可能とされています。ただし、これが「無理なく返済できる金額」とは限らず、将来の収入減・支出増も見据えた上で、3000万円前後を目安にして生活を圧迫しないことが大切です。
なお、夫婦共働きの場合は「ペアローン」や「収入合算」などを活用し、借入可能額を引き上げることもできます。しかしリスクも増えるため、長期的な計画が不可欠です。
年収500万円の適正な家賃目安はどれくらい?
国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、年収500万円は給与所得者平均(460万円)をやや上回りますが、都心でゆとりある暮らしを目指すと余裕が大きいとはいえません。
社会保険料や税金を差し引いた「手取り」はおよそ375万円~425万円が目安です。月収ベースでは約31万円~35万円となり、ここから家賃や生活費、教育費、貯蓄をやりくりする必要があります。
適正家賃は「手取りの3分の1以下」が基準とされます。すなわち家賃目安は月10万3000円~11万7000円程度ですが、都心ハイクラスマンションの家賃の多くは20万円以上です。したがって、年収500万円で新築高級マンションに賃貸で住む場合、貯蓄や日々の余裕を大きく犠牲にすることとなるでしょう。
まとめ|無理のない住まい選びと将来の安心を両立するには
年収500万円でも、物件エリアや条件を柔軟に見直せば、マンション購入やちょっとぜいたくな住まいを手に入れることは十分に可能です。ただし、都心の超高級マンションは現実的選択肢になりにくいため、郊外・中古・共働きなども視野に入れましょう。
家計と将来のライフイベントをしっかり見通した上で、身の丈にあった範囲内で理想の住まいを探すことが、長い目で見て最大の安心と充実につながるでしょう。
出典
国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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