住宅ローン「4000万円」を借りていますが、金利が「0.25%」上昇! 返済は“残り25年”ですが、合計でどれだけ負担が増えますか? 金額をシミュレーション

配信日: 2025.11.29
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住宅ローン「4000万円」を借りていますが、金利が「0.25%」上昇! 返済は“残り25年”ですが、合計でどれだけ負担が増えますか? 金額をシミュレーション
ここ1年ほどで、金融政策の変更や長期金利の上昇を背景に、変動型住宅ローン金利がじわりと上がり始めています。変動型住宅ローンを組んで家を既に購入している、または購入を検討しているという人にとっては気になる話題ではないでしょうか。
 
最近では、2025年10月にみずほ銀行の変動型住宅ローンの金利が0.25%引き上げられ話題になりました。この0.25%という金利の引き上げ幅は、家計にとってどのくらい負担が増えるのでしょうか。
 
本記事では、借入額4000万円・返済期間25年を想定した試算を例に、金利上昇による家計への影響を具体的に解説します。
※本記事の内容は2025年11月時点の内容です
東雲悠太

FP2級、日商簿記3級、管理栄養士

変動型住宅ローン金利はなぜ上がった?

住宅金融支援機構の調査によると、住宅ローン利用者の約8割が変動型を選んでおり、金利の動向は多くの家計に影響があります。変動型住宅ローンの金利は、日銀が開く「金融政策決定会合」で決まる政策金利の動きをもとに、各銀行が半年ごとに見直す仕組みです。
 
直近で政策金利が引き上げられたのは2025年1月22~23日の会合で、当初0.25%だった政策金利を0.50%に引き上げました。これに連動して変動型住宅ローンの金利も引き上げられています。
 
メガバンクの2025年10月時点の店頭基準金利は、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3行ともに2.875%で横並びとなっています。みずほ銀行は、他行よりやや遅れて2025年10月に変動型金利を引き上げ、その結果、大手3行が同水準に並んだ形です。
 
日銀の今後の金融政策が注目されますが、景気減速への懸念から年内は追加利上げを見送るとの見方や、物価や賃金の動き次第では再利上げの可能性があるとの見方など、多くの指摘があります。変動型を利用している人は、今まで以上に金利上昇リスクを想定した返済計画を立てておくと安心です。
 

変動型住宅ローン金利が0.25%上昇したときの影響は?

変動型住宅ローン金利が仮に0.25%上昇した場合の返済額の影響を、次の条件で試算してみましょう。
 

試算条件

・借入額:4000万円
・返済期間:25年(300ヶ月)
・返済方法:元利均等返済、ボーナス返済なし
・上昇前金利:0.775%
・上昇後金利:1.025%

 

試算結果

・金利上昇前(0.775%)の月々返済額:約14万6709円
・金利上昇後(1.025%)の月々返済額:約15万1202円
・月々の増加額:約4493円
・総返済額の増加:約134万7900円(25年間で)

 
0.25%の金利上昇でも、月々約4500円、25年間で約135万円の負担増となります。このように金利の上昇幅がわずかであっても、ローン残高の状況によっては、家計への影響が大きいことを理解しておきましょう。
 

ローン条件を定期的に見直して無理のない返済計画を立てよう

変動型住宅ローン金利は、日銀の金融政策や長期金利の動きに連動しており、今後ますます上昇する可能性があります。今回の試算では、金利が0.25%上昇するだけでも月々の返済額が約4500円、25年間では約135万円増える結果となりました。今後、日銀が追加利上げに踏み切れば、さらに返済負担が増える可能性があります。
 
変動型を利用している人は、自身のローン条件を把握しておくことが大切です。家計の状況によっては返済計画の見直しや繰上げ返済、固定金利への借り換えを検討し、金利上昇局面でも無理のない返済を続けられるよう備えておきましょう。
 

出典

住宅金融支援機構 住宅ローン利用者の実態調査 住宅ローン利用者調査(2025年4月調査)
日本銀行 2025年1月金融政策決定会合での決定内容
 
執筆者 : 東雲悠太
FP2級、日商簿記3級、管理栄養士

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