住宅ローンの変動金利、銀行ごとに上昇幅は違いますか?うちは1年で0.25%上昇しましたが、平均値でしょうか。

配信日: 2025.12.26
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住宅ローンの変動金利、銀行ごとに上昇幅は違いますか?うちは1年で0.25%上昇しましたが、平均値でしょうか。
近年、住宅ローンの変動金利が静かに、しかし確実に上昇しています。
 
これまで「変動金利は低金利で安心」と考えていた方にとって、毎年届く返済予定表を見て「金利が上がっている」と気づいた瞬間は、不安を覚えるものではないでしょうか。
 
特に「この1年で0.25%も上がったが、これは平均的なのか、それとも高い方なのか」「銀行によって差はあるのか」という疑問は、多くの借入者が感じています。本記事では、変動金利の仕組みを整理し、上昇幅が異なる理由や想定すべきリスクについて解説します。
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変動金利の仕組みをあらためて整理する

住宅ローンの変動金利は、主に銀行が設定する「短期プライムレート(短プラ)」を参考に決まります。
 
短プラとは、優良企業向けの最優遇短期貸出金利のことで、日本銀行の政策金利や金融市場の動向を反映して変動します。日銀が金融引き締め方向に舵を切れば、銀行の資金調達コストが上昇し、結果として住宅ローン金利にも影響が及ぶ傾向があります。
 
ただし、ここで重要なのは、短プラが同じでも住宅ローン金利の動きは一律ではないという点です。実際のローン金利は、「基準金利 − 優遇金利」という形で決まっており、この優遇幅や改定のタイミングは銀行ごとに異なります。
 

銀行ごとに上昇幅が異なる理由

変動金利の上昇幅に差が出る理由は、大きく分けて三つあります。
 

1.金利改定の反映タイミングの違い

短プラが上がった場合でも、住宅ローン金利への反映時期は銀行ごとに異なり、半期ごとの見直し時に改定するかどうかの判断も分かれます。この差が、同じ時期でも金利上昇幅に違いを生みます。
 

2.住宅ローンを巡る競争環境

住宅ローンは銀行にとって長期的な顧客を確保できる重要な商品です。そのため、他行への借り換えを防ぐ目的で、上昇幅をあえて抑える銀行もあります。逆に、収益性を重視する銀行では、比較的早い段階で金利を引き上げることもあります。
 

3.優遇金利の見直し方法

表向きの基準金利は変えず、優遇幅を縮小することで、実質的に金利を上げるケースもあります。この場合、「基準金利は変わっていないのに返済額が増えた」と感じることになります。
 

1年で0.25%上昇は一般的なのか

では、「1年で0.25%上昇」というケースは一般的なのでしょうか。SBIホールディングス株式会社の住宅ローン関連の金利推移を見ると、0.25%はおおむねその範囲の中間的な水準といえます。
 
しかし、数字以上に影響が大きいのが返済額です。たとえば、借入残高3,000万円、返済期間35年の場合、金利が0.25%上昇すると、年間の利息負担は約7万〜8万円増えることになります。月々に直せば数千円でも、長期的には家計への負担は無視できません。
 

これから想定すべきリスク

変動金利の最大のリスクは、「どこまで上がるか分からない」点にあります。これまで超低金利の時期が長かったため、わずかな上昇でも心理的な負担は大きくなります。今後の金融情勢次第では、金利が段階的に上昇し、0.25%では済まない可能性もあります。
 
特に、教育費や老後資金など、将来の支出が重なる世帯では、金利上昇が家計を圧迫するリスクを早めに把握しておく必要があります。
 

今できる現実的な対策

対策として考えられるのは、固定金利型への借り換え、返済条件の見直し、繰り上げ返済の三つです。慌てて行動する必要はありませんが、「金利がさらに0.5%上がった場合の返済額」を試算するだけでも、判断材料になります。
 
重要なのは、「平均と比べてどうか」ではなく、「自分の家計にとって許容できるかどうか」です。金利が動き始めた今こそ、住宅ローンを放置せず、主体的に見直す姿勢が求められています。
 

変動金利の上昇幅は銀行ごとに異なる

住宅ローンの変動金利は銀行ごとに見直し時期や優遇幅が異なり、結果として上昇幅にも差が生じます。1年で0.25%程度の上昇は、おおむね一般的な範囲にあります。
 
ただし、その影響は家計によって大きく異なります。金利上昇局面に入った今こそ、自分の住宅ローンと向き合い、将来に備えることが重要と言えるでしょう。
 

出典

SBIホールディングス株式会社 住宅ローン関連の金利推移
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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