更新日: 2020.07.03 住宅ローン

住宅ローンを選ぶ際の4つのポイント

住宅ローンを選ぶ際の4つのポイント
人生の中で大きな買い物として一番に浮かぶのは、やはり【住居】ではないでしょうか。住宅金融支援機構が行っている、住宅ローン利用者実態調査によると、多くの人は住宅ローンを決める際に、【金利】を一番重要としているようです。
 
ただし、本当に金利が安ければいいのでしょうか。
 
今回は、住宅ローンを選ぶ際のポイントを判りやすく解説していきます。
 
大堀貴子

執筆者:大堀貴子(おおほり たかこ)

CFP(R)認定者 第Ⅰ種証券外務員

2008年南山大学法学部法律学科卒業後、大手証券会社で、営業として勤務。主人のタイ赴任がきまり、退社。3年間の在タイ中、2人をタイで出産、子育てする。本帰国後、日本で3人目を出産。現在、3人の子育てと長女の国立小学校受験に奮闘中。子供への早期教育の多額の出費、住宅ローン、子供の学資資金、また老後資金準備のため、いろいろな制度を使って、資産運用をしています。実際の経験を踏まえた、お金に関する、役立つ情報を発信していきたいと思います。

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※金利プランは「当初期間引下げプラン」「全期間引下げプラン」の2種類からお選びいただけます。
ただし、審査の結果保証会社をご利用いただく場合は「保証付金利プラン」となり、金利タイプをご選択いただけません。

※固定金利特約は2年、3年、5年、10年、15年、20年、30年、35年からお選びいただけます(保証付金利プランとなる場合は、3年、5年、10年に限定されます)。
金利タイプを組合わせてお借入れいただくことができるミックス(金利タイプ数2本)もご用意しています。 お申込みの際にご決定いただきます。

※ただし、審査の結果金利プランが保証付金利プランとなる場合、ミックスはご利用いただけません。

金利は低ければいいものではない

住宅ローンを選ぶ際にチェックするポイントは、1.金利 2.金利タイプ 3.諸費用 4.保障です。
 

1.金利

金利は低ければ低いほど、返済総額が下がります。しかし、金利の数字だけではなく、金利のタイプについて理解して選ぶことが重要です。
 

2.金利タイプ

金利タイプは、変動金利と固定金利(全期間固定型)、固定金利(期間選択型)があります。
変動金利は、金利実勢に応じて金利が変更され、返済額も変わります。固定金利は契約時の金利が続きますが、期間選択型の場合はあらかじめ設定された期間のみ契約時の固定金利となります。
 
変動金利
金利が6ヶ月ごとに実勢に即して変動します。
毎月の返済額は、5年ごとに見直し、支払額が増えるときは125%を超えることはありません。ただし、返済額がその分減るわけではなく、繰り延べられます。
 
変動金利は、同時期で比較すると一番金利が低くなり、民間金融機関で一番選ばれている金利タイプとなります。
 
デメリットとして、金利が上がるとその分返済額も増えるため、資金計画がたてづらい点があげられます。
 
<こんな方におすすめ>
・金利はしばらく上がらないだろうと考えている
・金利動向を時々見ている
 
固定金利(全期間固定型、フラット35など)
金利が返済中変わることはなく、金利が上がったとしても返済額が変わることはありません。返済期間が長くなるほど金利は高くなり、同時期で比較すると一番金利が高くなります。
 
<こんな方におすすめ>
・35年など長期に亘る返済
・金利が上がると考えている
・将来収入が上がるか分からない
 
固定金利(期間選択型)
固定金利の期間が全期間中の一定期間になっている金利タイプです。期間終了後は終了時の基準金利をもとに新たな住宅ローン金利が適用されます。
 
全期間固定金利にするよりも固定金利期間が短いため、固定金利(全期間固定金利型)と比較すると金利は低いです。
 
一方、金利が上がらないだろうと考えている方には変動金利が良く、逆に金利が上がり返済額が増えると返済が難しくなる場合は、全期間固定型の「フラット35」がおすすめです。
 
<こんな方におすすめ>
・固定金利期間終了後、金利が高くなったら繰上げ返済を考えている方
・固定金利期間終了後、貯蓄があるまたは収入が上がっている見込みがある
 
3つの金利タイプの特徴を見て、自分のライフスタイルに合うものを選ぶと良いでしょう。
 

3.諸費用

住宅ローンを借りるときには、印紙税・登記費用・事務手数料・繰上げ返済手数料・金利タイプ変更(変動金利→固定金利、固定金利→変動金利)手数料などがかかります。
 
一方、事務手数料、保証料、繰上げ返済手数料は、金融機関によって無料や低料金のところもあるので、確認した方が良いでしょう。
 
■事務手数料:借入金額によって変わるため仮計算して比較
■保証料:無料が良いが、事務手数料と合わせて比較
■繰上げ返済手数料:無料が良い

 
・融資事務手数料
住宅ローン借入時に支払う手数料で、借入額の2%程度が多いですが、金融機関によっては、「借入金額の0.5~2%」や「定額」など異なります。借入金額が大きければ定額の方がお得な場合があります。
 
保証料
金融機関によっては、保証料がかかります。数十万円を一括で支払うか、0.2%程度の住宅ローン金利への上乗せを求められます。保証会社を利用していない金融機関を選べば、保証料はかかりません。
 
ただし、保証料が無料の銀行は、事務手数料が高いことがあり、審査基準も高くなる可能性があります。また、保証料を一括で支払い、かつ繰上げ返済した場合、残りの返済期間にかかっていた保証料は保証の必要がなくなるため返却されます。
 
繰上げ返済手数料
繰上げ返済をするほど支払利息は減りますのでこまめに繰上げ返済できるよう、繰上げ返済手数料は無料の銀行を選ぶのがおすすめです。
最近ではインターネット利用の場合、無料となる金融機関が多いようです。
 
繰上げ返済は、返済期間を短縮する「期間短縮型」と毎月の返済額が軽減される「返済額軽減型」があります。住宅ローン控除は、期間短縮で返済期間が短縮され、残り期間が10年未満となっても、当初からのローン期間が10年以上であれば対象となりますので確認しましょう。
 

4.保障

住宅ローンには、死亡時と高度障害時に住宅ローン残高が0円になる「団体信用生命保険」いわゆる「だんしん」があります。
 
住宅ローンの支払いが困難になるケースは、「だんしん」の保障範囲内とは限りません。
 
住宅ローン返済が難しくなる原因としては、けがや病気が原因で働けなくなったときや給料が減ってしまったときが考えられます。住宅ローン返済が難しくなれば、大事な持ち家を手放すことになりかねません。
 
住宅ローンを組むときは20代30代と若い方が多く元気ですが、住宅ローン返済と子供の教育費などが重なる40代で3大疾病(がん・脳卒中・急性心筋梗塞)や糖尿病などの生活習慣病にかかるリスクが高まります。
 
そこで、住宅ローン金利に上乗せすることで、3大疾病や生活習慣病などで働けなくなったときのためにローン残高が0円になる保障を付加することも考えましょう。
 

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保障の範囲を知っていますか?

前述した通り、「だんしん」は死亡時・高度障害時に住宅ローン残債が0円になります。
 
しかし、病気やけがなどで入院し、一時的に収入が減る場合や、がんなどで退院後に診断前ほど働けず収入が減ることで、住宅ローン返済が困難になるケースが考えられます。そのような場合に備え、別途保障を付加することも検討しましょう。保障対象に関しては以下の通りです。
 

保障対象

3大疾病
身近に起きる病気として、がん・脳卒中・急性心筋梗塞の3大疾病があげられます。
 
中でも、日本人のがん罹患数は年々増加しており、日本人の2人に1人が生涯がんになる状況で、誰でも罹患する可能性が高くなっています。医療の進歩により生存率も大きく上がっていますが、罹患後は収入が減る可能性があります。
 
他にも、脳卒中は入院が長期に亘り、平均で78日の長期入院を強いられます。がんや急性心筋梗塞は入院が短期化してはいますが、通院や薬の副作用等で罹患前と同様に働けるかどうかが心配です。
 
そこで、そんなときに保障してくれるのが3大疾病保障で、3大疾病にかかったときに住宅ローンの返済を軽減もしくは0円にしてくれます。
 
がん
2人に1人が生涯がんになるといわれています。そんながんに特化した保障で、がんにかかると、住宅ローン残高を軽減または0円にしてくれます。保障を一番かかりやすいがんに限定することで、上乗せ金利を抑えることができます。
 
全疾病
けが、病気で就業不能となった場合が対象となります。
そのため、一定の条件はあるものの、3大疾病だけでなく、5大慢性疾患(糖尿病・肝硬変・高血圧症・慢性腎不全・慢性膵炎)、それ以外のけがや病気も含まれており、保障範囲が広くなります。
 
上記のような保障で注意しておきたいのは、全てにおいて住宅ローンが0円になるわけではないということです。入院が◯日以上の場合0円、就業不能状態が○日以上の場合0円、もしくは就業不能期間の月額返済額を保障などの条件があります。事前に保障の範囲について確認しておきましょう。
 

まとめ

住宅ローン金利だけで比較するのではなく、事務手数料・保証料を比較して、保障範囲も確認することが大切です。
 
それぞれの金融機関でも上乗せ金利と保障内容が異なるため、もしも働けなくなったときに、持ち家を手放すことにならないようによく考えて、保障を付けるか付けないかを検討したいですね。付加するならば、住宅ローン金利に上乗せ金利を加味した合計金利で比較しましょう。
 
執筆者:大堀貴子
CFP(R)認定者 第Ⅰ種証券外務員
 


 

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