更新日: 2021.02.12 住宅ローン
住宅ローン減税と繰り上げ返済。上手な活用法は?
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そもそも住宅ローンとは
住宅の購入は、人生で最大の買い物と言われ、多くの方が「住宅ローン」を利用されます。その「住宅ローン」とは、住宅を購入または改築したときに、収入の何倍にもなる場合もあるため、手持ちの資金では賄えず、金融機関から契約して借り入れることです。
住宅ローン減税とは
次に、「住宅ローン減税」とは、住宅購入促進を目的とした国の施策で、住宅ローンを借り入れて住宅を購入する場合に、購入者の負担を軽減するものです。
具体的には、毎年末の住宅ローン残高または住宅の取得価格のいずれか少ない方の金額の1%が、10年間にわたり所得税の額(控除できなかった場合は住民税から)から控除されるというものです。なお、現在、消費税対策のための2020年末までの時限措置として、期間が13年間に延長されています。
住宅ローンの繰り上げ返済とは
そして、「住宅ローンの繰り上げ返済」とは、毎月の住宅ローンの返済とは別に、借入金の一部または全部を返済することです。お金に余裕ができたときに、いつでも利用できます。なお、繰り上げ返済には、「期間短縮型」と「返済額軽減型」の二通りの方法があります。
「期間短縮型」は、毎月の返済額は変わりませんが、ローンの返済期間が短くなります。一方、「返済額軽減型」は、返済期間は変わりませんが、毎月の返済額が下がります。どちらを選ぶかは、それぞれのライフスタイルの変化に合わせて考えてみるとよいと思います。
住宅ローン減税と繰り上げ返済、上手な活用法は?
それでは、具体的な例にそって、住宅ローン減税と繰り上げ返済を適用したケースを見てみましょう。
仮に、住宅ローン借入額3000万円・固定金利1.0%・返済期間30年・毎年返済額約116万円(利息込み)として計算してみます(※)。
1、住宅ローン減税を申請すると
1年目ローン残 2914万円×1%=還付額29万円
2年目ローン残 2827万円×1%=還付額28万円
3年目ローン残 2739万円×1%=還付額27万円
4年目ローン残 2650万円×1%=還付額27万円
5年目ローン残 2560万円×1%=還付額26万円
(万単位未満は四捨五入)
1年目から5年目の5年間で計算すると、合計137万円が還付されることになります。
2、期間短縮型で住宅ローン繰り上げ返済した場合
住宅ローン減税の還付金を貯蓄しておいて、5年目に還付額の合計137万円を繰り上げ返済した場合で計算してみます。なお、今回は期間短縮型で繰り上げ返済することとします。
当初の予定では、毎年返済額は約116万円・返済期間は30年となります。5年後に、住宅ローンの繰り上げ返済を137万円した場合、毎年返済額は約116万円と変わりませんが、返済期間は25年(5年目時点)が23年6ヶ月と1年6ヶ月短縮し、利息額は約37万円減少します。
なお、今回は分かりやすくするために手数料その他のコストは計算に入れておりませんが、実際には繰り上げ返済には手数料がかかる場合もありますので、確認するようにしてください。
住宅ローン減税は1%と率が決まっており、年数も固定されているので、これを変えることはできません。
それに対し、繰り上げ返済はいつでも返済可能なので、返還する時期・金額・手数料(例えば金利が上がるとき)などを考慮に入れて、返済することができます。双方を上手く組み合わせて、最適な活用法を探してみるとよいでしょう。
迷った際の相談窓口はどこ?
住宅ローンに関する制度は、ややこしい計算が必要となるので、判断に迷った際には、ローンを契約している金融機関・中立的に判断しアドバイスができる人、また、ライフプランを考えてくれる人に相談すべきだと思います。
例えばFPに相談するとしても、得手不得手がありますので、住宅ローンに強い人が対象となると思います。日本FP協会の「相談できるFPを探すコーナー」で調べるのも一つの方法でしょう。
まとめ
住宅ローン減税には一定の要件がありますが、多くの人が利用できますし、住宅ローン繰り上げ返済は、どなたでも利用できるものです。
住宅ローン減税は確定申告(給与所得者の場合、2年目以降は年末調整でOK)で申請するだけで終了しますし、住宅ローン繰り上げ返済は複数回可能です。
それぞれの人生設計によって、その活用法はいろいろあると思います。筆者のおすすめは、住宅ローン減税貯金をし、住宅ローン繰り上げ返済する方法です。みなさんも、迷ったときには専門家に相談するなどし、ぜひご自身に合った活用法を探してみてください。
参考 (※)知るぽると 繰り上げ返済シミュレーション
執筆者:小久保輝司
幸プランナー 代表
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