更新日: 2020.09.29 その他ローン

カードローンはあくまで「つなぎ」気軽に借りられるからこそ要注意

カードローンはあくまで「つなぎ」気軽に借りられるからこそ要注意
家計が苦しくなったときに、頼りになるのは銀行口座を開設するときに付帯したキャッシングサービスやカードローン。
 
あと10日間、あと1週間、どうにか調達できれば、というときにありがたいですよね。ただ、これは、あくまでも「つなぎ!」としての役割であることはしっかり覚えておきましょう。
柴沼直美

執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

ネット銀行系は適用金利が低く、1.99%~7.99%というのもあり

銀行系のカードローンやキャッシングサービスの金利は、金融機関によって差があり、例えば10万円を借りる場合コースによっては1.99%から7.99%という驚異的に低い金利を適用しているところもありますが、高いところでは18%となっています。
 
この差は、すべてネットでの対応なのか、コールセンターがあるかなど有人か無人かという違いからのようです。
 
すべてネットで解決しようと思っても、通信環境によってうまく進まなかったりしたときに、コールセンターがあると心強い場合がありますが、スタッフを配置するかどうかが金利に反映されているように見受けられます。

そうはいっても、早く返済したほうがいいのは同じ

例えば10万円で利率18%のカードローンで借りて、毎月1万円ずつ返済すると仮定すると、支払う金利は9158円となり、ほぼ11カ月の借金返済生活です。
 
利用する金額が10万円なのでピンとこないかもわかりませんが、これが1桁増えて100万円になった場合、毎月返済額を2倍の2万円としても、適用金利15%として、57万9052円を借り入れに加えて返済することになり、返済が完了するまで6 年7カ月(79カ月)もの借金生活を送ることになります。大きな負担感です。
 
借入金額が大きくなると適用金利はどの金融機関でも低下しますが、それほど大幅に下がるわけではありません。
 
10万円の場合に18%ならば、100万円の場合は15%というところが多いです。計算上はわかっていても、当初に契約しておけばカード1枚で気軽に借りられるところから、深刻さが実感しづらいところが要注意です。

まとまった資金を借りたときは積極的に繰り上げ返済

それでもやむを得ず他の手段が見つからないので、カードローンやキャッシングを利用した場合は、積極的に繰り上げ返済を使ってできるだけ早く、負債の負担は軽減しておくべきです。
 
同じ100万円を適用金利15%で借りた場合に、冬と夏のボーナスで20万円ずつ繰り上げ返済に充てたとすると、支払利息は合計で18万1322円と、繰り上げ返済しない場合の3分の1程度に抑えられ、返済回数も2年9カ月(33回)と繰り上げ返済しない場合の半分以下に短縮されます。
 
住宅ローンの場合は、家族全員が長い年月寝起きや食事などの生活をともにする空間であることから、長期間のローン返済というのは避けられない、と覚悟を決められますが、お金の使い方を甘く見たためにカードローンに頼ってしまって、いつまでも借金生活から抜けられない、あるいはその状態が慢性的に続くというのはぜひ避けたいものです。
 
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者

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