今回は全期間固定金利について詳しく解説し、全期間固定金利を選ぶ際の注意点や代表的な全期間固定金利の商品であるフラット35についても言及しますので参考にしてください。
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監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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目次
全期間固定金利とは?
『全期間固定金利』は、住宅ローン契約時から返済が終了するまで金利が一定です。元利均等返済であれば、最初から最後まで返済額が変わりません。
固定金利期間選択型住宅ローンの代表的なものは住宅金融支援機構と銀行などの民間金融機関が共同で提供している【フラット35】です。共同で提供している【フラット35】以外に民間金融機関が独自のものもあります。
ここでは全期間固定金利について、メリット・デメリットなど基礎的な点を解説します。
固定金利期間選択型との違い
『固定金利期間選択型』は「当初○年間○%」というように期間を限定して、原則としてその期間のみ固定金利になるタイプの金利システムです。固定金利期間は、2年〜20年の範囲で選ぶことが可能ですが銀行やローンの種類によって選べる年数に制限があります。選択期間が短いほど金利が低くなる傾向にあります。
固定金利期間が終わったあと、原則として変動型に切り替わりますが、新たに固定金利期間選択型を選択することも可能です。
全期間固定金利との違いは、期間限定だという点です。多くの金融機関において固定金利期間選択型の方が、全期間固定金利よりも金利を低く設定していますが、固定金利期間が終わった途端に急に金利が上がってしまう可能性があります。
借入時から住宅ローンが終了するまで一定の金利で返済するため、月々の返済額が最初から最後まで変わることなく、返済終了までのプランが立てやすい点がメリットです。ご子息の教育資金やご自身の老後資金の積み立てを計画的にでき、金利上昇や下降に神経質にならなくてすみます。
住宅ローンの金利タイプには、全期間固定金利型の他に固定金利期間選択型と変動金利型がありますが、金利は全期間固定金利型が最も高くなる傾向にあります。そのため他の金利プランに比べると月々の返済額も高くなり、返済額の総額が多くなる可能性があります。
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ただし、審査の結果保証会社をご利用いただく場合は「保証付金利プラン」となり、金利タイプをご選択いただけません。
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金利タイプを組合わせてお借入れいただくことができるミックス(金利タイプ数2本)もご用意しています。 お申込みの際にご決定いただきます。
※ただし、審査の結果金利プランが保証付金利プランとなる場合、ミックスはご利用いただけません。
※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます
・変動金利について
※2024年11月現在・本金利プランに住宅ローン金利優遇割を最大適用した金利です。
※J:COM NET優遇割・J:COM TV優遇割は戸建のみ対象
※J:COM NET優遇割、J:COM TV優遇割、コミュファ光優遇割は適用条件充足後、3ヶ月後から適用開始となります。
全期間固定金利型住宅ローンを選ぶ際に気をつけたい4つのこと
全期間固定金利型住宅ローンはどれも同じというわけではありません。どのような点を確認すべきなのかを知っておくと、後悔しない住宅ローンを選べます。
1.総返済額を計算する
低金利の変動金利型住宅ローンと全期間固定金利型住宅ローンで返済する場合の総返済額を計算してみましょう。変動金利型の計算は、金利が1%、2%上昇した場合などをシミュレーションして差がどの程度あるかを確認します。銀行の公式サイトには、簡単に計算できるページが用意されているのでそれを利用すれば簡単です。
全期間固定金利型は、安定しているため安心ですが、総返済額が変動金利型で金利が上昇した場合よりも多くなる可能性もあります。
また『フラット35』をお考えの人は団信への加入が任意ですから加入または未加入での総返済額を計算して団信への加入が必要かどうかを考えましょう。未加入の場合は金利が若干引き下げられることも覚えておくとよいでしょう。
その他保証料や事務手数料などの合計を含めて最終的にどのくらいの出費になるのかを比較していくことが大切です。
2.比較して低利の全期間固定金利型住宅ローンを選ぶ
全期間固定金利型住宅ローンといっても銀行や商品によって金利が異なります。これから最長35年間同じ金利で返済するのですから、比較検討してできるだけ低金利のローンを選びましょう。まずいくつかの全期間固定金利型住宅ローンの低金利の商品をネットでチェックして金利の一覧表を作成し、じっくり選びましょう。
また全期間固定金利型住宅ローンの金利も提供時によって金利が異なります。金利が低い時期に契約し、高いと感じる時期は様子を見た方が良いでしょう。
3.諸費用を比較
住宅ローンを選ぶ際、どうしても金利に目がいってしまいますが事務手数料や保証料などの諸費用を含めて比較してください。金融機関によって事務手数料や保証料に差があります。保証料が0円だからお得だと思わず、事務手数料も含めてきちんと計算することが大切です。
もちろん、諸費用合計が安い銀行でも金利が高ければ結局総返済額が多くなります。金利と諸費用の両方を比較することが大切です。
4.付加サービスを確認
金利もほぼ同じでどの住宅ローンを選んで良いかわからない場合は、金融機関それぞれが提供するサービスを比べてみましょう。
例えば、三井住友銀行は『自然災害時返済一部免除特約付住宅ローン』を提供しています。火災保険ではカバーできない災害によるダメージに対応しているため、自然災害が多いエリアに住んでいる方や自然災害が心配な方には一考の価値がある特約です。
その他、楽天銀行の住宅ローンでは、団体信用生命保険のプランと合わせて急な失業に備えた失業保障に加入することができます。またSBI新生銀行など繰上返済の手数料を無料にしている銀行もあるので、今後計画的に繰上返済をしていこうと考えている方はチェックしてください。
全期間固定金利の住宅ローン:銀行とフラット35の違い
住宅金融支援機構と提携して提供される『フラット35』と、民間銀行のみで提供される全期間固定金利の住宅ローンを比較していきます。特にフラット35の特徴から保証料や金利、頭金、年収、返済負担率を確認し、民間銀行との違いを明らかにしどちらにするか考えましょう。
フラット35の特徴
『フラット35』は融資率によって金利が異なります。融資率が9割以下の場合年1.290%~年2.060%のところ、9割以上ですと年1.550%~年2.320%です。つまり頭金を1割用意しておくかどうかで金利が異なります。
また返済期間が15年~20年の方が21年~35年よりも金利が低く設定されます。自己資金が多い人ほど利用しやすい設定です。
『フラット35』は、返済比率(総返済負担率)に関する取り決めがはっきりしている点も特徴です。もちろん銀行でも返済比率を35%以内にすることを推奨しています。しかし、『フラット35』の場合は、はっきりと年収400万未満の場合は30%以下、年収400万円以上の場合は35%と明記しているため、返済比率はローンを受けるための最低条件となります。
国土交通省住宅局の調査によると、民間の金融機関では必ずしも年収や返済比率を重視しないようです。年収や返済比率をスコアにして融資をするかどうか決定するスコアリング方式を採用している金融機関は全体のわずか13.6%でした。また返済比率に関しても50%を採用している金融機関も存在します。
保証料を取らないことも『フラット35』の特徴ですが、上述のようにローンを確実に返済することを前提としているといえるでしょう。
また『フラット35』は中古住宅を購入しリノベーションをする資金など幅広い目的で利用できる種類があることも特徴です。
フラット35の種類
『フラット35』は、省エネルギーのエコロジータイプや耐震性があるクオリティーの高いなど一定の要件を満たせば金利を引き下げます。『【フラット35】S』、『【フラット35】リノベ』、『【フラット35】地域活性化型(地方移住支援)』、『【フラット35】子育て支援型』の4種類です。
フラット35と民間銀行の固定金利住宅ローン比較
フラット35 | 民間銀行固定金利住宅ローン | |
---|---|---|
審査 | 返済比率、住宅基準 | 完済時の年齢、年収、勤続年数 |
保証料 | 不要 | 必要なところが多い |
団信加入 | 任意 | 必須 |
繰上返済手数料 | 無料 | 銀行による |
住宅の適合証明 | 有り | 無し |
『フラット35』は勤続年数は重視していません。また団信加入も任意です。そのため、転職したばかりの方や健康上不安のある方、がん治療をしたばかりの方はフラット35であれば銀行に比べて審査に通りやすいといえます。
関連記事「住宅ローン固定金利35年タイプとフラット35の違いとは?」
住宅ローンで全期間固定金利を選ぶ前にしっかりシミュレーション
全期間固定金利型の住宅ローンについて解説しました。全期間固定金利型のメリットはやはり人生設計をしやすい点でしょう。ただし総返済額を計算し、できるだけお得な方法を選んで利用しましょう。
全期間固定金利型の住宅ローンといえば「フラット35」ですが、返済基準が厳しく、もっと借入額を増やしたい場合は民間金融機関の全期間固定金利型の住宅ローンの方がより高額の借り入れができる可能性もあります。
それぞれのメリット、デメリットを考慮に入れてこれからの人生設計に最もマッチする住宅ローンを選びましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
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