最終更新日:2019.01.10 公開日:2018.10.17
老後

退職したいけど、「退職させてくれない会社」信じられない実態。退職を考える前の準備

「退職を認めない会社がある」。こんなニュースをネットで見た時には、とても信じられませんでした。今や、労働基準監督署への相談は、解雇よりも件数が多いそうです。人手不足と言っている会社はとてもたくさんありますし、再就職も業種などのこだわりがなければ容易にできます。
 
ただ、せっかくの転職で会社ともめると、新生活に影響があるかもしれません。退職を考えた時に注意すべきこと、整理してみましょう。
 
當舎緑

執筆者:

Text:當舎緑(とうしゃ みどり)

社会保険労務士。行政書士。CFP(R)。

阪神淡路大震災の経験から、法律やお金の大切さを実感し、開業後は、顧問先の会社の労働保険関係や社会保険関係の手続き、相談にのる傍ら、一般消費者向けのセミナーや執筆活動も精力的に行っている。かながわ県民センターや横浜市の区役所での行政書士相談、金融機関での年金相談、病院でのがん患者就労支援相談員としても活動している。セミナーの得意テーマは、教育資金の準備方法、社会保険の仕組み、エンディングノートの作り方、これから始めるやさしい終活、成年後見の活用方法、家族信託の仕組みなど。著書は、「3級FP過去問題集」(金融ブックス)。「子どもにかけるお金の本」(主婦の友社)など。子どもにかけるお金を考える会のメンバー、一般社団法人かながわFP生活相談センター理事。一男二女の母でもある。

 

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當舎緑

執筆者:

Text:當舎緑(とうしゃ みどり)

社会保険労務士。行政書士。CFP(R)。

阪神淡路大震災の経験から、法律やお金の大切さを実感し、開業後は、顧問先の会社の労働保険関係や社会保険関係の手続き、相談にのる傍ら、一般消費者向けのセミナーや執筆活動も精力的に行っている。かながわ県民センターや横浜市の区役所での行政書士相談、金融機関での年金相談、病院でのがん患者就労支援相談員としても活動している。セミナーの得意テーマは、教育資金の準備方法、社会保険の仕組み、エンディングノートの作り方、これから始めるやさしい終活、成年後見の活用方法、家族信託の仕組みなど。著書は、「3級FP過去問題集」(金融ブックス)。「子どもにかけるお金の本」(主婦の友社)など。子どもにかけるお金を考える会のメンバー、一般社団法人かながわFP生活相談センター理事。一男二女の母でもある。

 

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退職を考えた時にしておくべきこと

退職の意思は2週間前に会社に伝えればいいんでしょう? という方がいらっしゃいます。これは民法の規定で、「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する」という記載があるからです。
 
ただ、会社側からすると、突然辞められると、代替の人を募集する時間も必要ですし、2週間で仕事の引き継ぎといっても、不可能でしょう。2週間で辞めることはできますが、会社にとっていい印象は残りません。そうなると、どうなるか。「辞めさせない」という言葉がつい出てしまうということもあるでしょう。
 

退職届の正しい出し方

退職届を受理してもらえないということが先ほどのニュースでも出ていましたが、実際退職するときはどのような流れになるのでしょう。皆さん、あまりじっくり見たことはないかもしれませんが、「就業規則」には必ず記載されているはずです。
 
見たことがないといっても、会社に備え付け、もしくは、パソコンに入れておいて、会社はいつでも社員が見られる状態にする義務があります。民法では2週間前の届出とされていたとしても、私が会社の就業規則を見たり、作成させていただいたりするとき、「2週間前」までに提出すればよいとする会社はまず見当たりません。
 
期間は、6か月前や3か月前などと様々に記載されていることがほとんどです。会社にとって引き継ぎができる期間を目安としているといえるでしょう。まず退職を考えた時には、慎重に、どうすれば「会社に迷惑を考えず、業務を引き継げるか」という考え方をしてみてください。
 

手続きで覚えておきたいこと

退職を認めてもらえない場合のデメリットを考えてみましょう。離職票を発行してもらえないという話も聞いたことはありますが、次の会社に就職した場合、新しい会社で雇用保険の資格取得の手続きがされます。前の会社で喪失手続きがなされていない場合には、保留とされ、ハローワークから退職手続きの勧奨がなされます。
 
健康保険、厚生年金などの社会保険の手続きに関しても、前職で手続きがなされていなかったとしても同様です。転職先の会社が資格取得をする手続きは可能です。
 

会社とちゃんと話すこと

わたしたち社会保険労務士は、基本的には会社側の味方です。ですから、会社側から多くの愚痴を聞きます。労働者が、突然、会社に退職の意思も表明しないで出社しなくなった、休憩時間にいきなりいなくなった、急に来なくなり、その後ラインで「辞めます」という意思表明があったなど、常識から外れた行動をする方がいるのは事実です。
 
会社の意思と労働者の意思がかみ合わない場面は本当にたくさんあります。ただ、会社側からすれば、できるだけ「解雇」することは避けたいのです。会社側からすると、「これだけ育ててやったのに」「ようやく慣れて色々な業務を任せることができると思ったのに」など、期待が外れて、「辞めさせない」という、行き過ぎた発言が飛び出してしまったのかもしれません。
 
嫌なら嫌ということを、ちゃんと会社に言う勇気も必要となるでしょう。「どうせわかってくれない」でなく、一度は誠実に話をする機会を設けましょう。争うのは、それからです。
 
嫌なことがあると「次に行こう」と簡単にやめる方も多いような気がしています。ただし、会社の担当者も人間です。せっかく採用したのだから「辞めてほしくない」という気持ちも持っています。将来を期待している成長株だと育てている最中の退職にがっかりするのも人間として当然の心理です。
 
「退職をさせてくれない」という会社は、ニュースで見ると、これはブラック企業なの? と感じるかもしれませんが、もし非常に悪質であるなら、「労働基準監督署に仲介を頼む」などの手順も残されています。そこまでする必要があるのかどうか、それは、就業規則や契約書で定められた順序を踏み、こちらも誠意をもって話し合ってから、判断をするべきでしょう。
 
Text:當舎 緑(とうしゃ みどり)
社会保険労務士。行政書士。CFP(R)

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