更新日: 2021.06.21 セカンドライフ

もう遅い?まだ間に合う?50代からの老後資金のつくり方

執筆者 : 下田幸彦

もう遅い?まだ間に合う?50代からの老後資金のつくり方
「これから人生100年時代。老後資金の準備はお早めに」と聞いたことはありませんか?
 
もしあなたが「もう50代だし、今さら遅いかも」と思っているなら、今回の記事はあなたのためのものです。
 
下田幸彦

執筆者:下田幸彦(しもだゆきひこ)

ファイナンシャルプランナー(AFP)

ファイナンシャルプランナー・住宅ローンアドバイザー・証券外務員二種・FP事務所・青い森マネードクターズ 代表
 
青森県出身。大学卒業後IT企業に入社。金融系システム構築をきっかけにFP資格を取得。
 
保険ショップ店長、東証一部上場ハウスメーカー金融担当者を経て2016年独立。
 
10年にわたる保険業界と住宅業界の経験をもとに、保険などの金融商品を販売しない独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を重視した中立な立場のアドバイスを行っています。
 
個別相談を中心に企業や学校へのマネーセミナー、各メディアへのコラム執筆も担当。
 
FP事務所・青い森マネードクターズ公式運営サイト
「青森くらしのお金相談室」
http://aoimori-fp.com/
 
無料メールマガジン「お金の知恵・マネーチェ」
http://aoimori-fp.com/mlmglp
 

老後資金準備は50代からでも遅くない

先日、セカンドライフを満喫されているお客さまとお会いした時のこと。
 
そのお客さまは以前は学校にお勤めされており、現在退職してご夫婦で趣味を楽しみながら時間的、金銭的にもゆとりを感じられる生活を送っています。
 
そこで、どのように今の生活環境を築かれたのかについて尋ねてみました。すると、自分たちの老後準備を始めたのは50代の時(退職の10年前)だったそうです。具体的にその方法を伺ったところ、とてもシンプルなことを実践されていました。
 
しかし、その方法とは著者がファイナンシャルプランナーとしてアドバイスさせていただいている方法そのものだったのです。
 

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50代からの老後資金準備、実はシンプル。

そのお客さまが実践したこととは何か?それは次の3つのステップです。
 
退職後の理想の生活をできるだけ具体的にイメージする
理想の生活にかかるおおまかな支出と収入を確認・把握する
老後資金が不足しそうな場合、支出を見直して貯蓄額を増やす
 
そして、上の1~3を全て行ったら、それで終わりではありません。最初に立てた計画が目標に向かって順調に進んでいるか毎年確認したそうです。
 
これは「PDCAサイクル」ですね。PDCAとはビジネスの現場などで行われる品質管理や進捗管理のための方法の1つです。
 

ステップ1.退職後の生活イメージをできるだけ具体的に持つ

さきほどご紹介した老後資金準備3つのステップの1つ目は、「退職後の生活イメージをできるだけ具体的に持つこと」です。
 
一日の大半を会社で過ごす方も多いと思います。しかし、退職後は、どこで何をするかは完全に自由になります。早めにそのことをイメージしておくことが大切です。何も準備せずにいざその時が来て、「さて、どうしよう」とならないようにしましょう。
 
まずは、大きめの紙(A4以上)とペンを用意してください。そして静かな場所で次のことをじっくり考えてみてください。
 
・どこに住みたいか(今のままでよいか、別の場所がよいか)
・誰と一緒に時間を過ごしたいか(夫婦、家族、趣味の仲間、仕事関係の人間)
・仕事はしているか?(働かないという選択もあります)
・今までやり残してきたことはないか
・一日のスケジュール(何時に起きる?習い事に通う?何を食べる?)
 
まずはお金のことではなく、理想の生活イメージを描くことが大切です。
 

ステップ2.老後生活のおおまかな支出と収入を確認、把握すること

3つのステップの2つ目は、「老後生活のおおまかな支出と収入を確認、把握すること」です。
 
ステップ1で理想の生活イメージを描けたら、次は資金面が大丈夫か?についておおまかにつかむようにしましょう。
 
収入面については、「公的年金はいくらもらえるのか」「退職金はいくらになるか」です。50歳を過ぎると将来の年金見込額が「ねんきん定期便」に記載されます。退職金は勤務先の退職金規定で確認しましょう。確定拠出年金導入企業にお勤めの方は、拠出額と想定利回りから概算で金額を計算しておきましょう。
 
その他、生命保険の満期金があるかなども含め、将来の収入の時期と金額をつかみましょう。
 
支出面については、食費、光熱費、住居費などの毎月の支出と、家族旅行、固定資産税などの各種税金、自家用車、家具家電製品など耐久消費財の買い替え費用など、毎年もしくは数年に一度の大きめの支出も忘れずに。支出の把握は家計簿をつけている方にとっては比較的楽な作業になります。
 
収入面と支出面のおおまかな金額がつかめたら、毎年の家計が黒字なのか赤字なのかがわかります。できるだけ毎年黒字になるのが理想です。一時的に赤字の年があっても貯蓄を取り崩して対処できれば、さほど問題はありません。
 

ステップ3.老後資金が不足しそうなら、支出を見直して貯蓄額を増やす

ステップ2でおおまかな計算をした結果、老後資金が不足しそうなら対策が必要となります。老後資金改善策としては、次の3つの方法が考えられます。
 
1.収入アップ
2.支出カット
3.資産運用で手持ち資産を増やす
 
収入アップは勤務先での昇給、副業による収入の複線化などがあります。しかし、人によっては簡単にできないこともあるため、今回は支出カットについて考えます。
 
支出カット、つまり節約です。節約の順番として「固定費から見直す」のが鉄則になります。
 
50代からできる家計の固定支出の見直しとしては、
1.保険の見直し(保障の過不足、重複を確認)
2.住宅ローンの見直し(借り換えや繰り上げ返済の検討)
3.通信費の見直し(格安スマホや料金プランの変更)
4.光熱費の見直し(電気、ガスの契約会社の変更)
 
生命保険は状況に応じて死亡保障から医療・介護保障を重視した内容へ。保障の削りすぎは本末転倒ですので、専門家に相談しながら進めることをおススメします。
 
住宅ローンの借り換えや繰り上げ返済を検討する場合は、借り換えにかかる手数料、保証料などの諸費用を含めたトータルコストでメリットがあるか確認した上で実行しましょう。
 
通信費の削減は格安スマホへの切り替えや料金プランの見直しを検討してみましょう。
 
さらに、2016年4月から電力の小売自由化により、家庭の電力会社が選べるようになりました。
 
今後の家計の支出改善は「金融支出」と「インフラ支出」がポイントです。全てを一度に実行するのが大変な時は、専門家のサポートを受けながら上手に支出改善につなげましょう。
 

まとめ

人生100年時代を迎える今、50代はまだまだ折り返し地点と言えます。
 
老後のお金の不安を解消して、長生きが楽しみとなるように、今からできることを1つずつ行動に移していきましょう。
 
Text:下田 幸彦(しもだゆきひこ)
ファイナンシャルプランナー(AFP)