最終更新日:2019.01.07 公開日:2019.01.06
老後

有料老人ホームへ入居するときに確認しておきたいこと

国民生活センター報道発表資料(平成23年3月20日)によると、有料老人ホームに関する相談の約8割が「契約・解約」に関するもので、中でも退去時や解約時の返金や精算に関するものが目立っています。
 
高齢化が進む中、この傾向は続くと思います。「契約・解約」に関するものの中からトラブルになりそうな事項を解説します。
 
新美昌也

執筆者:

Text:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

詳細はこちら
新美昌也

執筆者:

Text:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
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有料老人ホームとは

有料老人ホームとは、老人を入居させ、「食事の提供」「洗濯・掃除等の家事の供与」「介護(入浴・排せつ・食事)の提供」「健康管理」の4つのサービスのうち、いずれかのサービス(複数も可)を提供している施設をいいます。
 
有料老人ホームには「健康型」「住宅型」「介護付」の3種類があります。「健康型」は、食事などのサービスが付いた高齢者向けの居住施設で、介護が必要になったときには退去しなければなりません。
 
「住宅型」は、健康な人から介護が必要な人まで入居できる施設です。介護が必要になった場合は、地域の訪問介護や通所介護(デイサービス)などの介護サービスを利用します。
 
「介護付」は都道府県知事から介護保険の指定を受けた施設で、介護スタッフが24時間常駐し必要な介護サービス(特定施設入居者生活介護)を提供してくれます。
 

「未届施設」でないことの確認

有料老人ホームは、老人福祉法で地方公共団体への届出が義務付けられています。しかし、厚生労働省が継続的に行っている調査(フォローアップ調査)では、未届け件数が増加している実態が確認されています。
 
未届施設がなくならないのは、在宅での生活が無理なのに、かといって、高額な有料老人ホームに入居できない要援護高齢者をもつ家族のニーズ(親を安い施設に入れたい)が背景にあります。
 
有料老人ホームの届出をするためにスプリンクラーなどを設置すると、それが費用に跳ね返り、低所得者が入居できなくなります。
 
しかし、未届施設では、「一室に複数人が生活している」「夜間に人員が配置されていない」「廊下が狭く、車いすでの移動に支障がある」「徘徊防止のため居室を施錠する」など生活環境が劣悪です。また、スプリンクラーが設置されていないなど安全面でも問題があります。
 
有料老人ホームの要件を満たしていれば、届出の有無にかかわらず、指導監督を行うことは可能です。しかし、届出がなされなければ、有料老人ホームは行政との連携体制が不十分になる恐れがあります。
 
その結果、適正な人員配置、入居者の生活環境の改善や、事故等に対する適時・適正な対処がなされないリスクが高くなります。事業者の届出状況は自治体のホームページなどで公表されていますので確認しましょう。
 

「前払金」についての確認

有料老人ホームに入居する時に、多額の「前払金」を払うケースがあります。「前払金」について利用者保護の観点から3つのルールについて説明します。
 
(1)短期解約特例(90日ルール)
入居後3か月以内に契約を解除した場合には、事業者は、利用期間分の費用や原状回復日世を除いて、全額を返還しなければなりません。契約書に短期解約特例が記載されているか確認しましょう。
 
(2)権利金等の受領禁止
家賃や介護等のサービス費用、敷金等と異なり、権利金は利用者にとって何の対価であるか不明なので、事業者は権利金等の受領を禁止されています。
 
(3)前払金の保全措置
保全措置がない場合、有料老人ホームが事業を継続できなくなったときに、入居者が最初に支払った前払金の残余分を事業者は返済することができなくなります。そこで、事業者は保全措置を講じなければなりません。
 
具体的には。銀行等による連帯保証、保険会社による保証保険、一般社団法人・一般財団法人による保全契約、親会社による連帯保証、信託会社等による信託契約、全国有料老人ホーム協会による入居者生活保障制度のいずれかの保全措置をとる必要があります。
 
なお、2006年4月1日以前から事業を開始し、届出をしている有料老人ホームについては、保全措置が努力義務にとどまっていますので、保全措置を講じていない施設もあります。契約前に保全措置の有無や内容を確認するようにしましょう。
 

「退去」についての確認

事業者側から退去を迫られるのはどのような場合か(退去条件)、利用者が退去する場合の手続き、また、その際の違約金や原状回復費用などの金銭面についても契約する前に確認しておきましょう。
 
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー
 

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