更新日: 2019.10.02 セカンドライフ
【女性FPが悩みを解決】独身の私は、老後をどう準備すればいい?
執筆者:波多間純子(はだまじゅんこ)
㈱bloom代表。ファイナンシャル・プランナー(CFP(R)),キャリアコンサルタント
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「お金しだい」の人生から「自分しだい」の人生への選択をサポート。家計相談28年、相談件数4,000件超。家計相談と合わせて、その方の才能や適職を診断し潜在能力を高める「咲かせようじぶん資産」をテーマに個人セッションとワークショップを開催。
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少しずつでもコツコツ早めの準備がカギ
シングルの女性で子どもがいない場合、教育費などの費用が不要な反面、医療や介護で頼れる人が周囲にいないという心配があるようです。また、公的年金が1人分なので、夫婦世帯の年金に比べれば少ない傾向にあります。
また会社員が加入している厚生年金は、働いている間の収入の多寡が年金額に影響します。受給額は人によって差がありますので、毎年誕生月に郵送される「ねんきん定期便」で、年金額を定期的に確認しておくことが大事です。
現役中は自由になるお金が多いものの、ここは引き締めて老後資金を前倒しで準備しておきたいところです。少しずつでも、長くコツコツ貯めるのが、結局早道です。その際、漠然と貯めていくより、目的に応じて金融商品や制度を使い分けるのがおすすめです。
目的に沿った商品を利用
老後の不安で真っ先に浮かぶのは、病気などになった場合の医療費でしょう。もちろん、貯蓄で補ってもよいのですが、最低限の費用は医療保険で賄うのがおすすめです。
現在の医療費の自己負担は、高額療養費制度を利用すれば、月に10万円前後(70歳未満の被保険者)です。その費用分をカバーする程度で、医療保険に入るのが基本です。その場合、保障は一生涯続く終身型にして、保険料は現役中に払い終われるようにしましょう。保険料の支払いが年金生活に響かないことが、安心につながります。
介護については、老後どこで暮らしたいかを考えることが第一歩です。実家を引き継ぐ場合もあるでしょうし、マンションなど自力で家を用意することもあります。
また、将来的に、できるだけ自宅で過ごしたいか、早めに施設等に入りたいかなどのイメージを明確にしましょう。そうすることで、どういう介護を受けたいか、いくら必要かが見えてきます。
現在、公的介護保険での自己負担は、利用するサービスにかかる料金の原則1割となっています(現役並み所得の人は2割負担)。
介護費用の準備としては、終身保険や個人年金保険を活用して万一の保障を確保しつつ、将来的には生前に解約して解約返戻金を受け取るというのも、ひとつの考え方です(ただ解約返戻金や運用状況によっては、支払った保険料総額を割り込むこともあります)。
目的を定めて、長期的に積み立てができる保険の強みを生かし、コツコツ支払っていきましょう。
今は長引く低金利で、上記の保険の予定利率が低迷しています。そんな中、ちまたには、比較的高金利が狙える外貨建ての保険商品なども販売されています。けれども、目的は確実にお金を用意すること。円建てを基本にして、余裕があれば外貨建てを検討しましょう。
人生後半にお金と生きがいの両方を得るために
シングル女性に限りませんが、老後はいかに健康的に暮らせる期間を延ばすかが重要です。そのためには、バランスの良い食事や適度な運動はもちろんのこと、人や社会とのかかわりも大切です。
生きがいを感じられる仕事を長く続けられれば、適度な運動と社会とのつながりを維持できるうえ、お金も得られて一石何鳥にもなります。
人生後半の働き方は、無理なく楽しく働けることが一番です。そのためには、一見矛盾するようですが、「お金を第一優先にしないこと」がコツです。自分の「得意なこと」「続けられること」「社会貢献」を軸に始めてみましょう。
見つからない場合は、現役中に、趣味やボランティア等興味のあることに飛び込んでみてはいかがでしょうか。続けていくうちに、人生を彩る大きな花に育つはずです。
執筆者:波多間純子
㈱bloom代表。ファイナンシャル・プランナー(CFP(R)),キャリアコンサルタント