更新日: 2020.03.13 その他老後

80歳でも関係ない!体も頭も元気の秘訣を聞いてみた

執筆者 : 林智慮

80歳でも関係ない!体も頭も元気の秘訣を聞いてみた
とある高齢女性、それはそれはお元気な方です。お孫さんが取り組んでいるスポーツの全国大会の応援にと、日本中どこへでも駆けつけていらっしゃるとのことでした。
 
その元気なご様子と話し方は、とても80歳とは思えないものでした。元気でいられる秘訣を知りたく、お話を聞かせていただきました。
 
林智慮

執筆者:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。

お達者度全国1位の静岡県

その方のお住まいは、静岡県浜松市。厚生労働科学研究によれば、平成22年、25年、28年の静岡県の健康寿命の平均値は、男性72.15年、女性75.43年で、全国2位です。1位は山梨県で男性72.31歳・女性75.49歳、3位は愛知県で男性72.15歳・女性75.30歳です。
 
健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間をいいます。特に、65歳における平均自立期間を「お達者度」として表しています。
 
静岡県ホームページ「ふじのくに」によれば、静岡県民が健康長寿である理由に、
・地場の食材が豊富なので食生活が豊か
・全国一のお茶の産地で、お茶をたくさん飲んでいる
・元気に働いている高齢者が多い
・温暖な気候から来る穏やかな県民性

とあります。
 
健康長寿には、食生活・運動・社会参加が関係していることがわかってきたことから、静岡県は、働き盛りを中心とした「ふじ33プログラム」という健康長寿プログラムを開発、平成26年からは65歳以上対象の「シニア版ふじ33プログラム」も完成しました。県民総合健康センターが普及支援しています。
 
厚生労働省「平成29年度 医療費の地域差分析(国民医療費ベース)」によりますと、平成26年から平成29年の間では、1人当たり年齢調整後医療費の下位(医療費が少ない)5県に静岡県がランクインしています。平成29年度の場合、1位の福岡県は38万8620円ですが、静岡県は30万8578円と約8万円も安いのです。
 
健康であれば病院に行かなくてすみます。健康であることで、個人も自治体も医療費の負担が軽くなります。

20大都市で健康寿命日本一の浜松市

また、浜松市ホームページ「健康長寿日本一!」には、20大都市で2010年、2013年、2016年と男女とも健康寿命1位であり、その背景として、市民の就労率が高い、地域活動の参加が活発である、温暖な気候、豊富な食材、浜松方式といわれる救急医療体制に恵まれていることが挙げられています。
 
ところで、浜松市には元気リーダー育成事業というものがあります。地域住民に健康づくりに関する活動を、継続的に指導や普及促進できる人材を育成する事業で、60歳以上の市民が対象です。
 
また、地域リハビリテーション活動支援事業もあり、リハビリテーション専門職が地域へ出向いて、介護予防の話や体操等を紹介します。派遣先は、65歳以上の市民により構成された団体です。
 
高齢者参加型の行事はどの市町村でも行われていますが、浜松市はそれだけでなく、高齢者が主体となって行事の計画・実行、指導者としての活動を支援しています。

根底にある「やらまいか」精神

高齢女性のお話では、長い年月の間には大変なこともあったそうですが、常に「どうしたら良いか」を考え実行されていたそうです。決して恨むこと、他人の所為にすることはなかったとか。そして、いつも、より他人が幸せになることを選んで行動されてこられたとのこと。
 
浜松市民の根底にある「やらまいか」精神。「よし、やってやろう」という気持ちが行動につながり、考え動くことが、いくつになっても心身ともに健康を保てるのかもしれません。
 
(参照・引用)
静岡県公式ホームページ「ふじのくに」
静岡県総合保健センター
浜松市
厚生労働省「平成29年度 医療費の地域差分析」
厚生労働科学研究「健康寿命のページ」
厚生労働科学研究所「健康寿命の全国推移の算定・評価に関する研究 —全国と都道府県の推移—」
内閣府「人の活躍:高齢社会に対応した社会システムの構築」
 
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者