更新日: 2021.12.29 セカンドライフ
おひとりさまの40代が知っておきたいシニアライフ。悠々自適に暮らすためには老後資金の備えが大切
早くから老後の収支状況や必要な老後資金を考えることは大切です。ここでは、高齢者世帯の平均収支や老後資金について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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目次
高齢者世帯の平均収支額とは
総務省「家計調査報告(家計収支編)2020年」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)と65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の実収入と可処分所得、支出の平均は図表1のとおりです。
図表1
実収入 | 可処分所得 | 支出 | 差額 | |
---|---|---|---|---|
夫婦高齢者 無職世帯 |
25万6660円 | 22万5501円 | 22万4390円 | 1111円 |
高齢単身 無職世帯 |
13万6964円 | 12万5423円 | 13万3146円 | ▲7723円 |
※総務省「家計調査報告(家計収支編)2020年」の「65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯)」より筆者作成
夫婦高齢者無職世帯の実収入の85.7%(21万9976円)、高齢単身無職世帯の実収入の89.0%(12万1942円)が社会保障給付です。
年金だけでは足りず毎月の収支は赤字の可能性がある
総務省「家計調査報告(家計収支編)2020年」によると、夫婦高齢者無職世帯の1ヶ月の収支は1111円の黒字で、高齢単身無職世帯は1ヶ月で7723円の赤字になります。
ただし、総務省「家計調査報告(家計収支編)2020年」の収支はあくまでも平均的なものです。主な支出は、図表2のとおりです。
図表2
支出項目 | 夫婦高齢者無職世帯 | 高齢単身無職世帯 |
---|---|---|
食費 | 6万5804円 | 3万6581円 |
住居費 | 1万4518円 | 1万2392円 |
水道光熱費 | 1万9845円 | 1万2957円 |
家具・家事用品費 | 1万258円 | 5328円 |
被服費 | 4699円 | 3181円 |
保健医療費 | 1万6057円 | 8246円 |
交際費 | 1万9826円 | 1万5253円 |
※総務省「家計調査報告(家計収支編)2020年」より筆者作成
例えば、住居費は賃貸住まいであればもっと高くなる可能性があります。交際費についても、友人とのゴルフや外食、旅行などが多ければもっとかかります。ゆとりある老後生活を送るには、平均収支よりも多くのお金が必要になるでしょう。
また、国民年金のみなど実収入が少ない場合は、毎月の収支が大幅な赤字になることが考えられます。
悠々自適に暮らすためには老後資金の備えが不可欠
友人や夫婦で頻繁に外食や旅行を楽しむ、好きな洋服やアクセサリーを身につける、孫と一緒に出掛け買い物をする……。このように好きなことをしてもお金に困らない老後生活を送って、悠々自適に暮らすためには老後資金の備えが必要です。
平均的な老後の収入(年金)だけでは、ゆとりのある生活は難しい可能性があります。特に平均的な収支より老後収入が少ない場合や支出が多いときは、十分な備えが必要です。
必要な老後資金は、老後の収入や支出、ライフプランによって異なります。平均収支を参考にして老後生活をイメージしながら、老後に年金以外でいくら資金があると悠々自適な生活を送れるのか計画を立てるようにしましょう。
40代から老後資金を備える方法
40代から老後資金を備える方法には、先取り貯蓄やiDeCo・つみたてNISAを活用した資産運用、副業などがあります。ついついお金を使ってしまう方は先取り貯蓄、老後まで時間がある方は資産運用、収入自体を増やしたい方は副業がおすすめです。
ここでは、40代から老後資金を備える3つの方法について確認していきましょう。
先取り貯蓄
40代から老後資金を作る方法として押さえておきたいのが、先取り貯蓄です。先取り貯蓄とは「収入が入ったら先に3万円を貯金する」など、先に貯蓄をして残りのお金で生活をやりくりする方法です。
必要な貯蓄額を見越して確保することを念頭に置きます。余ったお金を貯蓄するという消極的な貯金よりも、確実に貯蓄を増やすことができます。
iDeCoやつみたてNISAを活用した資産運用
iDeCoは自分で掛け金を拠出して、自分で運用しながら年金額を増やす私的年金制度です。掛け金は全額所得控除の対象となり、運用益に通常かかる20.315%の税金が非課税となります。運用資産は原則として60歳以降に一時金または年金として受け取ることが可能です。受け取る際にも控除対象となります。
つみたてNISAは、2018年にスタートした「長期・積立・分散」投資をサポートする個人向けの税制優遇制度です。毎年非課税投資枠が40万円あり、一定の投資信託の譲渡益や分配金が非課税となります。非課税期間は最長20年間のため、40代から老後資金を作る際におすすめです。
つみたてNISAの対象商品となるのは、「販売手数料ゼロ(ノーロード)」「信託報酬一定水準以下」「分配頻度が毎月ではない」など、国が定めた一定の要件を満たした公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)のみです。非課税投資枠は20年間で最大800万円(年間40万円×20年間)あるため、非課税メリットを生かして、効率の良い資産形成を目指せる制度です。
このように、iDeCoやつみたてNISAを活用すれば、節税しながら老後資金を準備できます。
副業をする
帰宅後の時間や休日を利用して副業をすることで、収入が増えて老後資金を準備しやすくなります。最近では、インターネットを活用したクラウドソーシングによる副業が人気です。ライティングやデータ入力など、初心者でも比較的取り組みやすい案件が多くそろい、自宅で仕事をすることが可能です。
収入が増えれば、より多くのお金を貯蓄や投資にまわせます。
悠々自適の生活を目指して必要な老後資金を計算してみましょう
年金だけでは、悠々自適な老後生活を送るのは難しい可能性があります。そのため、平均収支を参考にしながらも、自分の思い描くシニアライフを考慮して老後の資金計画を立てることが大切です。
まずは、自分なりの老後資金計画を立て、先取り貯蓄やiDeCo・つみたてNISAの活用、副業などをして悠々自適なシニアライフを送れる資金作りを行っていきましょう。
出典
総務省「家計調査報告(家計収支編)2020年」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員