更新日: 2020.07.05 セカンドライフ

30~40代前半に知っておくべき「老後破産しやすい原因」とはなんだろう

30~40代前半に知っておくべき「老後破産しやすい原因」とはなんだろう
老後のことを心配している人はとても多いですが、その割に今を見直そうとしていない人も多いと感じます。どんなに心配しても老後を迎えることは避けられませんし、いつか空からお金が降ってくることも考えられません。
 
まだ老後という時期まで時間があるうちに、老後に困りやすい人のチェックポイントを知っておきましょう。
塚越菜々子

執筆者:塚越菜々子(つかごし ななこ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
お金の不安を賢く手放す!/働くママのお金の教養講座/『ママスマ・マネープログラム』主催
お金を貯める努力をするのではなく『お金が貯まる仕組み』づくりのサポート。保険や金融商品の販売を一切せず、働くママの家計に特化した相談業務を行っている。「お金だけを理由に、ママが自分の夢をあきらめることのない社会」の実現に向け、難しい知識ではなく、身近なお金のことをわかりやすく解説。税理士事務所出身の経験を活かし、ママ起業家の税務や経理についても支援している。
https://mamasuma.com

住まい編

●住宅ローンのボーナス払いの額が大きい
ボーナスは約束された収入ではありません。30年以上の住宅ローンを組む場合、それと同じ期間だけボーナスが約束されているわけではないのです。
 
業績によりボーナスがカット、転職によりボーナスのない会社に勤務となった場合は、大きな影響が出てきます。
 
●定年後までローンが残る
住宅購入が遅く、しかも毎月の返済額を抑えるために長い期間で借りてしまうと、定年後までローンが残ることも考えられます。年金から借り入れの返済を行うのは非常に大変です。
 
総務省の調査によると、70代の約9割が持ち家だというのに老後破産が増えているのは、住居費が少なくても暮らしていくのが大変だということです。年金で支払うものにさらに住宅ローンが加わっていれば、暮らしが困難になるのはいうまでもありません。
 
●賃貸暮らしなのに貯金がない
賃貸VS持ち家というのはよく話題に上りますが、どちらが優れているというものではありません。ただ、ローンを払い終わってしまえば維持費程度で済み続けられる持ち家と違い、賃貸暮らしは住んでいる限り家賃を払い続けなくてはいけません。
 
労働収入がなくなったあとも払い続けられる余力がないと年金暮らしになってからは家計が回らなくなる可能性も出てきます。
 

子供編

●晩婚晩産で子供の独立年齢から定年までが短い
30代半ばで結婚、40歳で出産というのも今は珍しくありません。平均初産の年齢が32歳。その子供が22歳まで面倒を見ると54歳になります。65歳まで働けるように法律の改正がありましたが、依然として9割近くが60歳で退職。
 
そのまま再雇用になっても賃金は大きく下がるのが現状です。
 
60歳までの6年程度で、その後20年以上の年金の不足分を賄う貯蓄を0から作るのは容易ではありません。
 
●教育にかけるお金の上限を決めていない
子育て世帯の家計の相談を見ていると「とにかく教育費がかかる」と口をそろえて言います。かけようと思えば、天井なしにかけてしまうことができる教育費。
 
目の前いる子供と、目に見えぬ将来だと、確かに目の前の教育費に使ってしまいがちになります。
 

仕事編

●退職金がない会社に勤めていて貯蓄がない
退職金がある会社だから安心というわけではありませんが、自動的に老後に向けて貯まっていくお金があるかないかでは、老後のスタート時に大きな差がつきます。
 
目先の給料だけではなく、退職時にもらえる金額があるかないかを把握しないで、老後に向かうのは危険かもしれません。
 
●厚生年金のない働き方をしている
年金制度の崩壊が騒がれていますが、年金がまったくなくなるということは考えられません。国民年金は日本人全員が対象となる最低限のセーフティネット。それだけで暮らしていくのは不可能な金額であるのが現状です。
 
厚生年金といっても現役世代の収入によって左右されるのは確かですが、それでも国民年金だけよりは多くもらえます。国民年金のみ受給予定の場合は、なおさら自分で備えていく意識が必要です。
 
●起業してうまくいかない場合の退き際を決めていない
サラリーマンという働き方を辞め、自ら事業を興すという働き方も選択肢としてはあります。年々数は増えてきている印象ですが、同様にうまくいっていない事業も多くあります。
 
成果が出る時期が確定していないからこそ「もうちょっと続ければうまくいくかも」と、ずるずると貯金を取り崩し続けてしまうケースも見受けられます。始めるときにはうまくいかなかった場合の、退き際も定めておくことが肝心です。
 

生活習慣編

●住宅ローン以外の借り入れがある
住宅ローン以外の借り入れがある人は、貯蓄より前にまず借金を返済することが最優先です。利息がつかなくても、借金がお金を生み出すことはありません。
 
また「借りること」に対するハードルの低さが、生活レベルを容易に崩します。限られた収入の中で支出をコントロールしていく練習は、収入があるうちにこそしておかなければなりません。
 
●人にどう見られるかを基準にお金を使う
ものを買ったり、お金を使う基準が「人がどう思うか」という他人軸の人がいます。ありていに言えば「見栄っ張り」ということですね。
 
一定の見栄はあったほうが張り合いは出ますが、判断基準を自分ではなく他人にもっていってしまうことで、評価され続けないと満足できないまま、身の丈を超える暮らしをしてしまうことがあります。
 
老後にお金のことで困っている人はどんな人だと思うか、というイメージを聞くと「事業に失敗した」「ギャンブルにつぎ込んだ」「派手な暮らしを続けた」「病気で働けなくなった」など、特別な人がそうなるものだと思っている人が多くいます。
 
ですが、決してそればかりではないのです。ここまでに書いてきたことは特別な人だけではなく「ごく普通の人」でも該当しているものがあるかもしれません。
 
該当するからすぐに老後に困るわけではありませんが、傾向として知っておき、今できることがないか確認してもらえたらと思います。
 
Text:塚越 菜々子(つかごし ななこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
お金の不安を賢く手放す!/働くママのお金の教養講座/『ママスマ・マネープログラム』主催
 

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