更新日: 2024.02.17 定年・退職
年金生活に入りましたが、やはり働いた方がいいなと気づきました。高齢者でブランクありだと再就職は難しいでしょうか?
厚生労働省は、「生涯現役社会」の実現に向けて高年齢者雇用・就業対策を行っています。本記事では、高年齢者雇用・就業対策とはどんなものなのか、再就職に当たり利用できそうな支援について解説します。再就職をご検討の方は、ぜひ最後までお読みください。
執筆者:中村将士(なかむら まさし)
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー
私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。
高年齢者雇用・就業対策の概要
高年齢者雇用・就業対策として、厚生労働省は以下の3つを柱とした施策を講じています。
(1)企業における高年齢者雇用の拡大
(2)地域における多様な雇用・就業機会の確保
(3)企業や高年齢者を支えるための支援
このことは、「企業への働きかけ」「地域への働きかけ」「企業(事業主)や高年齢者に対する支援」を意味します。
企業への働きかけとして、厚生労働省は、企業などの事業主に対し以下の義務・努力義務を課しています。
・60歳以上定年の義務(定年年齢の下限)
・65歳までの雇用確保の義務(高年齢者雇用確保措置)
・70歳までの就業確保の努力義務(高年齢者就業確保措置)
地域への働きかけとして、厚生労働省は以下の事業に取り組んでいます。
・生涯現役地域づくり環境整備事業
・シルバー人材センター事業
事業主に対する支援として、厚生労働省は以下の支援を行っています。
・助成金
・相談・援助サービス
高年齢者に対する支援については、次章で詳しくご紹介します。
高年齢者に対する支援の内容
高年齢者に対する支援には、以下のようなものがあります。
・生涯現役支援窓口の再就職支援
・シルバー人材センターの生きがい就労支援
「生涯現役支援窓口」とは、全国300か所のハローワークの窓口のことで、おおむね60歳以上の方を対象に、再就職に向けた支援などを行っています。この支援の特徴は、以下のとおりです。
・シニア世代が活躍できる求人の新規開拓
・シニア世代の採用に意欲的な企業の求人情報の提供
・多様な就業ニーズなどに応じた情報(関係機関の相談窓口について)の提供
・シニア世代の方に適した、各種ガイダンス・職場見学などの実施
「シルバー人材センター」は、入会をする(会員になる)ことで、臨時・短期的な仕事や軽易な仕事の就業機会を提供してくれます。
再就職でお悩みであれば、ハローワークに足を運んでみたり、シルバー人材センターへの入会を検討したりするのも良いでしょう。
その他、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構( JEED )では、セカンドキャリアに関する各種情報提供を行っています。また、お住まいの地域によっては、就職相談会が開催されていることもあります。まずは情報を集めたいという場合は、この辺りを足掛かりにするのも良いと思います。
まとめ
本記事では、厚生労働省が行っている高年齢者雇用・就業対策について解説をしました。「生涯現役社会」の実現に向けて、環境を整える方向に向かっているといえます。再就職をご希望の場合、以下のことを検討してみてはいかがでしょうか。
・働いていた会社に再就職できるか相談する
・ハローワークの「生涯現役支援窓口」で相談する
・シルバー人材センターに入会する
・地域の就職相談会に足を運ぶ
ブランクがあっても、働く意思があれば、再就職ができるような環境になってきています。まずは「どこかに相談する」ところから始めてみてはいかがでしょうか。
出典
厚生労働省 「高年齢者雇用・就業対策」
厚生労働省 「高齢者雇用の3つの柱」
厚生労働省 「事業主の方へ」
厚生労働省 「自治体の方へ」
厚生労働省 「高齢者の方へ」
独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 「高齢者の方へ」
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー