更新日: 2024.12.03 定年・退職
「定年後は働かずゆっくり過ごす」と友人に言ったら驚かれました。定年退職後も働く人は多いのでしょうか?
そこで今回は、定年退職後も働く人は多いのかについて調べてみました。高齢者が働く理由についてもご紹介しますので、参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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定年退職後も働く人は多い?
内閣府の「令和6年版高齢社会白書(概要版)」によると、高齢者の就業者数や就業率は上昇傾向にあるとのことです。65歳以上の就業者数については、20年連続で前年を上回っていて、年代別の就業率については以下の通りです。
・65~69歳:52.0%
・70~74歳:34.0%
・75歳以上:11.4%
同調査から、定年退職後の65~69歳では、半数以上の方が何らかの仕事に就いていると考えられます。2013年では65~69歳の就業率は38.7%であったことから、10年間で13.3ポイント増えていることが分かります。定年退職後に誰もが「働かずゆっくり過ごす」わけではないようです。
老後も働く理由は……生活費が足りなくなる!?
高齢者の就業率が上昇している理由として、生活費が足りなくなることが考えられます。総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の無職世帯の家計収支は赤字であるとのことです。単身世帯と夫婦のみの世帯における家計収支の不足分は以下の通りです。
・高齢単身無職世帯:3万768円
・夫婦高齢者無職世帯:3万7916円
これらの不足分は基本的に貯金を崩してまかなうと考えられますが、十分な貯蓄がなければ老後の生活ではお金が足りなくなり、何らかの方法で収入を得る必要が生じます。
老後に仕事を続ける理由はほかにもある
老後も仕事を続ける理由は「収入」だけではないようです。株式会社パーソル総合研究所が実施した調査によると、高齢になっても働き続けたい理由の上位5項目は以下の通りです。
・働くことで健康を維持したいから
・生活を維持するために収入が必要だから
・働かないと時間をもてあましてしまうから
・将来の年金生活が不安だから
・仕事を通してやりがいを得たいから
同調査から、収入以外にも「健康」「やりがい」を理由に定年退職後も仕事を続ける方がいることが分かります。
厚生労働省の「令和5年簡易生命表の概況」によると令和5年現在の平均寿命は男性で81.09年、女性で87.14年であるとのことです。前年と比較して男性は0.04年、女性は0.05年上回っています。
平均寿命は今後も伸びていく可能性が高く、90歳くらいまで生きることが当たり前になってくる昨今、定年退職後の65歳から25年間またはそれ以上をどう過ごすか、経済的なことも踏まえてよく考えておくことは大切です。
定年退職後も働く人の割合は上昇傾向にある!
65~69歳の就業率は52.0%で、10年前と比較すると13.3ポイント増えていることが分かりました。定年退職後も、半数以上は何らかの仕事をしていることが伺えます。高齢者の就業率が上昇傾向にある現状をみると、「定年後は働かずゆっくり過ごす」と言って友人に驚かれたとしても、不思議ではないでしょう。
定年退職後も仕事を続ける理由に、生活費が足りなくなることが考えられます。65歳以上の高齢者世帯では、毎月の生活費に3万円以上の不足分が生じる可能性があることが分かっていて、十分な貯蓄がない限り何らかの方法で収入を得なければなりません。
収入以外でも、健康ややりがいを求めて仕事を続ける方がいます。平均寿命が延びている日本では、定年退職後も続く老後生活をどう過ごすか、経済的なことも踏まえてよく考えておく必要があるでしょう。
出典
内閣府 令和6年版高齢社会白書(概要版) 第1章 高齢化の状況(第1節及び第2節) 【第1節】高齢化の状況及び【第2節】高齢期の暮らしの動向 65歳以上の就業者数及び就業率は上昇傾向
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4>65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯)(18ページ)
株式会社パーソル総合研究所 働く10,000人の成長実態調査2023 シニア就業者の意識・行動の変化と活躍促進のヒント
厚生労働省 令和5年簡易生命表の概況 1 主な年齢の平均余命(2ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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