受給予定の年金額が「月8万円」ほどと少なく、生活費が足りないかもしれません。“生活保護”と“年金”を同時に受けることはできますか?

配信日: 2025.09.28 更新日: 2025.10.21
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受給予定の年金額が「月8万円」ほどと少なく、生活費が足りないかもしれません。“生活保護”と“年金”を同時に受けることはできますか?
老後に受け取る予定の年金額が月8万円ほどと聞くと、この金額で本当に暮らしていけるのか不安になる方も多いでしょう。食費や光熱費に加えて、家賃や医療費、介護費用がかかると、年金だけでは足りないという現実に直面することがあります。
 
そのようなときに思い浮かぶのが「生活保護」という制度ですが、すでに年金を受け取っている人が利用できるのかどうか、仕組みや条件が分からず戸惑う方も少なくありません。
 
本記事では、年金と生活保護を同時に受けられるのか、その条件や手続きの流れ、さらに注意点や他に検討できる対策について解説します。
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年金だけでは暮らせないとき

生活保護は、経済的に困窮している人が「健康で文化的な最低限度の生活」を送れるように支援する制度です。生活費の不足分を補う生活扶助、家賃をカバーする住宅扶助、医療費を助ける医療扶助に加え、教育扶助や介護扶助など複数の扶助から構成されています。
 
ただし、生活保護は誰でも希望すればすぐに受けられるわけではありません。まず、自分が持っている資産や収入を最大限活用することが求められます。年金や手当など他の制度を利用してもなお生活が困難である場合、最後のセーフティネットとして生活保護が適用されるのです。
 
支給額は「最低生活費」と呼ばれる基準に基づいて計算されます。地域や世帯人数、年齢によって異なりますが、その最低生活費から年金などの収入を差し引いた残りが生活保護費として支給される仕組みです。
 

年金と生活保護は同時に受けられるのか?

結論からいうと年金を受け取りながら生活保護を受給できます。最低生活費が月12万円と定められている地域で、受給している年金が月8万円だった場合、不足する4万円が生活保護として支給されるイメージです。
 
ただし「年金と生活保護をそのまま合算してもらえる」わけではなく、生活保護は不足分を補う役割を果たすものです。そのため、もし年金額が最低生活費を上回っている場合には生活保護の対象にはなりません。
 
また、年金以外の収入がある場合も同様に考慮されます。アルバイト収入や仕送りがあると、その分は収入とみなされ、生活保護から差し引かれます。加えて、預貯金や不動産といった資産を持っている場合は、それらを生活費に充てることが求められるため、すぐに生活保護を受けられるとは限りません。
 
さらに、扶養義務者である親族に対して「援助が可能かどうか」の確認が行われるのも特徴です。実際には親族の援助が現実的に難しいケースも多いため、必ずしも援助が必要というわけではありませんが、調査自体は避けられません。
 

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生活保護を申請する流れと注意点

生活保護を受けるには、住んでいる市区町村の福祉事務所に申請が必要であり、ケースワーカーが収入や資産、生活状況を詳しく調査します。
 
年金振込通知書や銀行通帳、賃貸契約書、医療費や光熱費の領収書などの提出を求められます。審査で支給が必要と判断されれば申請月から生活保護費が支給され、自治体ごとの指定日に口座へ振り込まれます。年金と合わせて生活費に充てます。
 
生活保護受給中は一定の制約があり、持ち家や自動車など資産は必要に応じて処分を求められる場合があります。家賃が自治体基準を超える場合は住宅扶助の減額や転居を勧められることもあります。借金やローンの返済に生活保護費を充てるのは原則認められません。支給金は生活維持のための使用が前提です。
 
また、受給中はケースワーカーに定期的な生活状況報告が必要で、就労可能ならば仕事探しを求められます。これらの管理が厳格であるため、公平性が保たれています。
 

年金と生活保護以外に考えたい対策

年金と生活保護を組み合わせることは確かに選択肢の一つですが、それだけが解決策ではありません。まず検討したいのは支出の見直しです。家賃の安い地域に住む、通信費や保険料を抑える、光熱費を節約するといった取り組みは、小さな積み重ねでも生活を安定させます。
 
加えて、各自治体が用意している高齢者向けの支援制度を利用するのも効果的です。医療費の助成や介護サービスの軽減措置、住宅改修の補助など、生活保護に至る前に利用できる制度も少なくありません。
 
さらに、健康状態が許せば、短時間のパートや在宅ワークを行い、少しでも収入を増やすという方法もあります。働くことが難しい場合でも、給付金や手当を受けられる可能性がありますので、地域の福祉課や年金事務所に相談してみるとよいでしょう。
 

まとめ

月8万円の年金だけでは生活が成り立たないと感じる方でも、生活保護を併用することで最低限の生活を維持することは可能です。年金額が少なくても、制度を正しく理解し、生活の工夫や他の支援策と組み合わせることで、安心した老後を過ごす道は開けます。
 
不安を一人で抱え込まず、利用できる制度を上手に活用することが、将来の安心につながる第一歩になるでしょう。
 

出典

厚生労働省 生活保護制度
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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