定年時に貯金が600万円あるから大丈夫!と豪語していた両親が70代になりパートを始めました。老後働かなくて済むにはいくら貯めておく必要があるのでしょうか?

配信日: 2025.09.29 更新日: 2025.10.21
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定年時に貯金が600万円あるから大丈夫!と豪語していた両親が70代になりパートを始めました。老後働かなくて済むにはいくら貯めておく必要があるのでしょうか?
定年退職時にまとまった貯金があっても、老後の生活には予想以上にお金がかかる可能性があります。600万円の蓄えがあったとしても資金が想定より早く減れば、働かざるを得なくなる家庭もあります。老後資金はいくらあれば安心できるのか考えてみましょう。
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老後の生活費の現実

老後に必要な生活費はどのくらいでしょうか。総務省「家計調査」によれば、高齢夫婦無職世帯の平均支出は月約25万7000円です。一方で、厚生年金を受給する夫婦2人の標準的な年金収入(可処分所得)は月約22万2000円にとどまります。
 
この差を計算すると、毎月約3万5000円の赤字です。年間に換算すればおよそ42万円が不足する計算になります。つまり、年金収入だけでは生活費をすべてまかなえないため、貯蓄を取り崩さなければなりません。
 

600万円の貯金でどれくらい保つのか

600万円の貯金があれば何年くらい生活の補填ができるのでしょうか。年間42万円を補うと仮定すれば、600万円÷42万円=約14年となります。スタートが65歳からとすれば、79歳前後で資金が尽きる計算です。
 
ただし、この試算は平均的な生活費を前提にした場合です。実際には生活水準が平均より高い家庭もあり、医療費や住宅修繕費といった突発的な支出も想定されます。物価の上昇が続けば、支出はさらに増えていきます。600万円は決して小さな金額ではありませんが、長い老後を支えるには不足する可能性が高いといえるでしょう。
 

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老後資金の必要額の目安

働かなくても安心して暮らすためには、どの程度の老後資金を準備すればいいのでしょうか。金融広報中央委員会(知るぽると)の調査では、「ゆとりある老後生活」には夫婦で月約36万円が必要とされています。年金収入との差額を考えると、生活費を支えるための貯蓄が相当規模で必要になることが分かります。
 
老後の人生を30年間と見積もれば、生活費は1億円近くに達します。ここから年金でまかなえる分を差し引いたとしても、2000万〜3000万円程度の準備が一つの目安です。老後を安心して過ごすためには数千万円単位の資金が必要であるといえるでしょう。
 

資金不足を防ぐための工夫

老後資金を長持ちさせるためには、いくつかの工夫が欠かせないでしょう。この章では、資金不足を防ぐための具体的な工夫について紹介します。
 

生活費の見直し

住居費や保険料などの固定費を削減することで、赤字額を抑えられます。通信費や不要なサービスの整理も効果的です。
 

資産の運用

預金だけではインフレに対応できない可能性もあるでしょう。そのため、国債や分散型の投資信託を活用するのも一つの方法といえます。大きなリスクを取らずに、資産の目減りを防ぐ効果に期待できるでしょう。
 

公的制度の活用

高額療養費制度や介護保険制度は、予想外の出費に備えるうえで重要です。制度を理解しておくことで、医療や介護の負担を軽減できるでしょう。
 

年金の繰下げや短時間就労

年金を繰り下げれば受給額は増えます。また、短時間のパートや副収入を組み合わせることで、資金の減り方を抑えられます。
 

働かずに暮らすために必要な考え方

老後資金に関して「いくらあれば安心」と一概にはいえません。年金額や生活スタイル、健康状態によって必要な金額は大きく変わります。ただし、平均的なデータを参考にすれば、老後を安心して過ごすには2000万〜3000万円程度の資産が必要と考えるといいでしょう。
 
定年時に600万円の備えは決して少ない金額ではありません。しかし、それだけで老後30年を乗り切るのは難しいでしょう。退職前から資金計画を立てて、可能な範囲で貯蓄や運用を進めることが、働かずに暮らすための重要な備えになります。
 

安心して働かず暮らすにはいくら必要か

600万円の貯金では、長い老後の人生を支えるのに十分な資金とはいえません。高齢夫婦無職世帯の平均支出は25.7万円、厚生年金を受け取る夫婦の標準的な年金収入は22.2万円であり、毎月3.5万円の赤字が発生するのが現実です。
 
安心して暮らすためには、年金と貯蓄を組み合わせて2000万〜3000万円を目安に準備することが求められます。
 

出典

総務省 「家計調査報告(家計収支編)」2024年(令和6年)平均結果の概要
金融広報中央委員会 知るぽると 暮らしと金融なんでもデータ(2019年度)6-1
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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