同じ階に住んでいる高齢夫婦は、よく2人で「旅行」に出掛けています。年金暮らしのはずですが、そんなにゆとりがあるものでしょうか?

配信日: 2025.10.16 更新日: 2025.10.21
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同じ階に住んでいる高齢夫婦は、よく2人で「旅行」に出掛けています。年金暮らしのはずですが、そんなにゆとりがあるものでしょうか?
近所に住む高齢夫婦が頻繁に旅行へ出掛けている様子を見て、「どうしてそんなに余裕があるのだろう」と疑問に感じたことのある人もいるかもしれません。一般的に年金だけでは生活が厳しいといわれることが多いですが、実際には旅行や趣味を楽しむ高齢者も少なくありません。
 
この記事では、統計データをもとに、年金暮らしの高齢夫婦の家計状況を分かりやすく解説します。あわせて、ゆとりのある老後を送るためにどんな工夫ができるのかも紹介します。
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同じ年金暮らしでも「ゆとり」がある人とない人の差はどこから?

「年金暮らし」と聞くと、切り詰めた生活を想像する人が多いかもしれません。しかし、実際には家庭によって大きな差があります。現役時代にどれだけ貯蓄をしてきたか、退職金をどう使ったか、そして住宅ローンの有無などが、その後の暮らしのゆとりを大きく左右します。
 
例えば、すでに持ち家のローンを完済している家庭では、毎月の住居費がほとんどかからないため、その分を趣味や旅行に回すことができるでしょう。また、企業年金や個人年金保険の給付を受け取っている世帯では、公的年金に加えて上乗せ収入があるため、生活費に余裕が生まれやすくなります。
 
一方で、家賃を払い続けている世帯や医療費の負担が大きい世帯では、どうしても自由に使えるお金が限られてしまいます。つまり、同じ年金生活でも、収入と支出の構造の違いが生活のゆとりを決定づけているのです。
 

統計データで見る「高齢夫婦世帯」のリアルな収支

総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみ無職世帯、いわゆる年金生活者世帯の1ヶ月あたりの実収入はおよそ25万円で、そのうち22万円ほどが年金などの社会保障給付です。
 
一方、消費支出は約26万円で、非消費支出も合わせると、1ヶ月の収支差は3万4000円ほどの赤字となっています。赤字分は貯蓄を取り崩すなどして生活している家庭が多いのが現実です。
 
支出の内訳を詳しく見ると、食費や水道光熱費、医療費などの生活に必要な出費だけでなく、交際費や教養娯楽費といった「趣味や楽しみのための支出」にも月数万円を充てていることが分かります。
 
つまり、すべての高齢世帯が節約一辺倒というわけではなく、限られた収入の中でも趣味や旅行を楽しむための支出を確保しているということです。
 

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年金だけで旅行を楽しめる家庭の特徴とは?

年金だけで旅行を楽しめる家庭には、いくつかの共通点があると考えられます。まず、生活の固定費をしっかり抑えていることが挙げられます。車を手放して公共交通機関を利用したり、保険料や通信費を定期的に見直したりすることで、毎月の出費を減らしている可能性があります。
 
さらに、旅行の仕方にも工夫があるでしょう。平日を選んで宿泊費を抑えたり、シニア向けの割引を活用したりと、限られた予算でも満足度の高い旅を実現しているケースです。
 
また、夫婦でお金の使い方に対する価値観を共有していることも重要です。お互いに「何にお金を使いたいのか」を理解し合うことで、無理なく楽しみを続けることができるのです。
 
つまり、旅行に行けるのは単に経済的に余裕があるからだけではなく、お金の使い方を工夫し、優先順位を明確にしているからだといえるでしょう。
 

老後のゆとりは「準備」と「暮らし方」でつくれる

老後にゆとりを感じられるかどうかは、現役時代の準備と引退後の暮らし方の両方にかかっています。働いているうちから少しずつ老後資金を積み立てたり、iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISAといった制度を活用したりすることで、将来の安定につなげることができるでしょう。
 
さらに、定年後は支出を見直し、「自分たちが何にお金を使いたいのか」を考えることが大切です。旅行や趣味にお金を使うことが生きがいになれば、生活の満足度はぐっと上がります。
 
年金生活でも上手にやりくりしながら心豊かに暮らしている夫婦は、単に収入が多いわけではなく、日々の選択を通じて自分たちらしい生き方を築いていると考えられます。現役のうちから少しずつ準備を始め、老後の支出を見直す意識を持てば、「ゆとりある暮らし」に近づけるでしょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支<参考4>65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2024年-(18ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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