60代の両親の貯蓄額が「200万円」と聞き心配に…持ち家であっても「年金だけ」での生活は苦しいでしょうか? 夫婦2人の生活費をシミュレーション

配信日: 2025.10.17 更新日: 2025.10.21
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60代の両親の貯蓄額が「200万円」と聞き心配に…持ち家であっても「年金だけ」での生活は苦しいでしょうか? 夫婦2人の生活費をシミュレーション
親が高齢になり年金生活になると、それだけで生活ができるのだろうかと不安に思う人もいるのではないでしょうか。
 
持ち家では家賃がかかりませんが、税金や修繕費などの維持費は発生します。物価が上昇する現代において、年金額と貯蓄のみでやりくりできるのでしょうか。
 
本記事では、持ち家の場合に、年金と貯蓄200万円で生活ができるのか検証したいと思います。
サナ

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老後の生活は持ち家であっても厳しいのか?

持ち家の維持にかかる費用

持ち家の維持には、以下の費用が必要です。
 
・固定資産税、都市計画税
固定資産税は所有する土地や建物に課せられる税金のことで、都市計画税は都市計画区域内にある建物に課せられる税金です。
 
固定資産税は、原則「固定資産税評価額×1.4%」の計算式で算出されますが、その金額は所有する不動産の固定資産税評価額がいくらかによって左右されます。
 
例えば、評価額が2000万円の場合、1年あたりの固定資産税は2000万円×1.4%=28万円です。
 
・火災保険料、地震保険料
多くの場合、住宅ローンを利用する場合は加入が義務づけられており、その平均額は1年間で2~3万円です。
 
・修繕費、リフォーム費
持ち家の場合、外壁の塗装や水回り、床や壁の修繕などの費用が発生します。10~20年ごとに発生し、1年間あたりの金額に置き換えると、12~18万円程度必要です。
 
・管理費、自治会費
マンションの場合、共用部分について管理費や自治会費が発生するケースもあります。地域によって異なりますが、1ヶ月あたり数百円~数千円程度であることが一般的です。
 

年金額の平均

厚生労働省が発表している「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概要」によると、1ヶ月あたりの年金額の平均は、男性16万6606円、 女性10万7200円です。夫婦二人合わせると27万3806円となり、年金のみでも一定の収入を得られることが分かります。
 

支出額の平均

総務省が発表している「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、消費支出の1ヶ月あたりの平均額は25万6521円でした。
 

持ち家なら年金+貯蓄200万円で生活できるのか? 夫婦二人の平均的な年金受給額・平均支出をもとにシミュレーション

それでは、年金と貯蓄200万円で生活できるのでしょうか。以下を仮定条件としてシミュレーションしてみましょう。
 

・生活支出25万円(持ち家の維持費用も含む)
・夫婦二人の年金額24万円(税金や社会保険料を差し引いた金額を想定)
・毎月の不足分は1万円

 
このように仮定すると、毎月1万円が不足するため、1年間で12万円を貯蓄額から取り崩すことになります。すると、200÷12≒16となり、およそ16年は年金と貯蓄のみで生活できるでしょう。
 
ただし、総務省が発表する生活支出の平均金額はさまざまな項目を含んでいるため、実際に生活するなかでの支出額よりも多いことがあります。
 
また、年金額は、消費者物価指数などを考慮して毎年度改定されますので、増額する可能性が高いです。
 
16年という数字はあくまで目安であるため、余分な支出がないか見直すことでそれ以上の年月を生活できる可能性は十分にあります。
 

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子どもが親にできる支援とは?

扶養には税法上の扶養と健康保険上の扶養の2種類がある

親側にメリットが生じるのは、健康保険上の扶養に入れることです。
 
健康保険上の扶養に入れることで、親は健康保険料を支払う必要がなくなります。ただし、75歳以上の場合は後期高齢者医療制度の対象となるため、扶養に入れることができるのは74歳までの親です。
 

年金生活者支援給付金を受け取れるようにする

年金生活者支援給付金とは、年金に上乗せして給付金を受け取れる制度です。老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金は、65歳以上かつ老齢基礎年金の受給者であることや、そのほか一定の要件を満たすことで受給できる可能性があります。
 
申請が認められれば、基本的には月額5450円を、場合によってはさらに上乗せした金額を受け取ることができます。
 

まとめ

貯蓄額200万円は一見少なく思えるかもしれませんが、ある程度ゆとりある生活をしていても、貯蓄額を多く切り崩さずに生活できます。持ち家の場合も維持費はかかりますが、賃貸より費用を抑えられるケースも多数あります。
 
高齢になるにつれて病気になる可能性も高まりますので、突発的な支出に備えながら安定した生活ができるように、定期的に生活費を見直してもらうようにしましょう。
 

出典

厚生労働省 令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
総務省 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要
 
執筆者 : サナ
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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