住宅ローン残り20年……夫が「50代で退職したい」と言い出しましたが、“老後破綻”が怖いです。心配しすぎですか?

配信日: 2025.10.30
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住宅ローン残り20年……夫が「50代で退職したい」と言い出しましたが、“老後破綻”が怖いです。心配しすぎですか?
住宅ローンの支払いが残ったままなのに、夫が「早めに退職したい」といった場合、気になるのは老後生活の家計です。65歳以降の生活に必要な資金はいくらで、50代の2人以上世帯における生活費はどのくらいかかるのでしょうか。
 
本記事では、老後生活の家計収支や老後破産を防ぐためにどうしたらいいかについて解説します。
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夫婦の老後生活に必要な資金

総務省の家計調査報告を参考に、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における平均支出額を表1にまとめました。なお、表1における非消費支出とは、所得税や住民税などの直接税と社会保険料を合わせたものです。
 
表1

消費支出(月平均額) 25万959円
非消費支出(月平均額) 3万1538円
合計額 28万2497円

出典:総務省「家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要」より筆者作成
 
上記の消費支出のうち、住居に関する支出額は1万6827円です。ただし、住宅ローンの返済が残っているなどの理由でより多くの住居費用が発生する場合は、合計の支出額が平均以上になることもあるでしょう。
 
なお、以上はあくまで平均的な支出額です。老後生活における家計収支を検討する場合は、実際にかかる支出額を試算しておくことが大切です。
 

年金収入の平均額

老後の生活を支える収入の一つに「年金」があります。年金の種類は多様ですが、多くの人が受け取るのは老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金(厚生年金)です。
 
厚生労働省によると、令和5年度における老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせた平均受給額は14万7360円です。
 
仮に夫婦2人が平均額の国民年金と厚生年金を受け取れるのであれば、収入額は29万4720円になります。平均支出額が28万2497円であるため、収支計算上は年金収入のみで黒字です。つまり、年金収入だけで老後生活を送ることも可能といえます。
 
ただし、実際の支出額や年金収入額によっては収支計算が赤字になることもあります。その場合は別の収入源を確保するか、貯蓄などの資産から生活費を補填する必要があるでしょう。
 
■定年前に退職すると年金受給額が減る
老齢厚生年金の受給額は、会社に所属している期間の収入額と加入期間を基に計算されます。そのため、定年まで働く場合とそれ以前に退職する場合を比較すると、収入額が同じであれば、定年前に退職したほうが厚生年金の受給額は少なくなります。なぜなら、厚生年金制度に加入していた期間が短くなるからです。
 
年金収入が少なくなると、老後生活の家計収支に影響が出ることも考えられます。
 

50代の2人以上世帯における生活費

今回のケースでは、夫が「50代で退職したい」とのことなので、50代の2人以上世帯における生活費がいくらなのかは把握しておいた方がいいでしょう。総務省の家計調査報告によると、世帯主が50代の2人以上世帯における消費支出の月平均額は34万8025円です。
 
また、住宅ローンの支払いが残っている場合はその返済額も生活費に含まれます。退職などによって収入がなければ、これらの支出は貯蓄を切り崩すことで賄う必要があります。必要な貯蓄額は各々の生活費によって異なりますが、少なくとも同額程度、家計収支にある程度の余裕を持たせるのであれば、それ以上の金額が必要です。
 
なお、一般的に年金の受給が開始されるのは65歳ですが、それまでの60〜64歳の生活費においては、50代の水準とそれほど変化しないことが推測されます。
 

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老後破産を防ぐために

老後を迎えるにあたり、懸念点となるのは家計収支です。家計収支で赤字が続くと、老後破産を引き起こす可能性があります。そこで、老後破産を防ぐために重要なことをまとめました。
 

家計収支を明確にする

老後破産を防ぐためには、家計収支を明確にしておくことが大切です。生活費や住宅ローンなどの支出額が、貯蓄に年金などの収入を加算した資産額を上回って赤字にならないように注意しましょう。
 

生活費を抑える

将来的な収入予測も含めて家計収支を見直した結果、赤字の可能性がある場合は生活費を減らして支出を抑えることが必要です。仮に月数万円の節約でも、数年単位など長期的に見れば大きな違いになります。生活費を抑えて支出を減らすことは、家計収支を安定させるための手段として有効です。
 

収入と支出のバランス次第で赤字の可能性

65歳以上の夫婦のみの無職世帯において、毎月の平均支出額は28万2497円です。1人あたりの老齢基礎年金と老齢厚生年金の平均受給額は14万7360円であり、夫婦2人分では29万4720円になるため、収支計算上は黒字になります。平均額のため一概にはいえませんが、年金収入のみで老後生活を送ることは不可能ではなさそうです。
 
ただし、実際の支出額や老後の収入額によっては家計収支が赤字になることもあります。その場合は別の収入源を用意するか、貯蓄などの資産から生活費を捻出しなければなりません。住宅ローンの支払いが残っている場合は、毎月の支出が増大する可能性があります。
 
老後破綻を防ぐためにも、事前に老後生活における実際の支出額を想定し、そのときの収入額や資産額を基に家計収支を検討しましょう。
 

出典

総務省 家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要P7,19
厚生労働省 令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況P8
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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