夫婦で年金「月15万円」の予定です。「都営住宅は家賃2万円」と聞き入居したいのですが、“年金受給者”でも入居できますか? 入居条件を確認
その中で、割安な賃料で利用できる都営住宅は、老後の住居費の負担を大きく軽減する選択肢となります。夫婦で年金が月15万円だと、都営住宅に入居することは可能なのでしょうか。
FP2級、WEBライター検定3級、情報処理安全確保支援士、ネットワークスペシャリスト
老後の家賃負担の不安と「公営住宅」「都営住宅」という選択肢
公営住宅とは、都道府県や市区町村などの地方公共団体が、低所得者向けに割安な賃料で提供する公的賃貸住宅です。都営住宅は、この公営住宅のうち、東京都が管理・運営しているものを指します。
都営住宅の最大の魅力は、その家賃の安さです。面積や間取り、築年数が同程度の民間賃貸住宅の家賃相場と比べ、かなり安く住むことができます。
例えば、2018年時点の東京都の発表資料によると、民間賃貸の平均家賃が約8万9600円であるのに対し、都営住宅の平均家賃は約2万3000円となっており、非常に安いことが分かります。
なお、都営住宅の家賃は、建物や間取りで一律に決まっているわけではなく、入居者の収入や住宅の規模、立地によって異なります。
都営住宅とは? 年金受給者でも入居できる条件
都営住宅は、所得が少なく住宅の確保が難しい人々をサポートする目的で整備された賃貸住宅であり、家族向け住居の入居には以下の条件が定められています。
1. 東京都内に居住していること。
2. 住宅に困窮していること。
3. 同居親族がいること。
4. 申込世帯の所得が定められた基準内であること。
5. 申込者(同居者を含む)が暴力団員でないこと。
都営住宅は、収入の少ない人のための住宅であるため、条件を満たしていれば年金で生活していても入居が可能です。ただし、入居に際しては抽選で決定することがほとんどで、多くの住居で数倍から数十倍の倍率で高い人気となっています。
特に都心部や交通の便が良い地域では、応募が殺到しやすく、何度も申し込んでようやく当選するケースも少なくありません。そのため、募集時期や申込条件を事前に確認し、複数回の応募を想定して準備しておくことが大切です。
年金月15万円の夫婦は都営住宅に入居できる?
都営住宅の所得基準は、同居する家族の人数によって決まっており、夫婦2人だと年間所得が227万6000円まででなければなりません。年金収入が月15万円であれば、年間の総収入は180万円なので、問題なく入居できるでしょう。
なお、都営住宅の家賃は入居者の所得に応じて決定されるため、月15万円の年金収入であれば、家賃は非常に低く抑えられます。
実際の例として、東京都練馬区の都営住宅2DK(和6・4.5・DK)では、月収15万円の2人世帯に該当する所得区分の場合、家賃は月額2万1300円と設定されています。これは、同じ練馬区の賃貸住宅の相場(2K/2DKで9万3000円)と比較してかなり安いことが分かります。
まとめ
夫婦で年金月15万円の世帯でも、都営住宅の所得基準を満たしているため入居は可能です。また、家賃は所得に応じて決定されるため、月2万円程度まで抑えられるケースもあります。老後の生活費を無理なくやりくりするためにも、早めに募集情報を確認し、申込準備を進めておくことが安心につながるでしょう。
出典
東京都住宅政策本部 都営住宅の現状【資料集】
JKK東京(東京都住宅供給公社) 都営住宅募集情報
執筆者 : 金田サトシ
FP2級、WEBライター検定3級、情報処理安全確保支援士、ネットワークスペシャリスト