67歳の親は年金20万円もらっているそうですが、医療費がかかるとのことで毎月5万円の仕送りを頼んできます。医療費ってそこまでかかるのでしょうか?

配信日: 2025.11.28
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67歳の親は年金20万円もらっているそうですが、医療費がかかるとのことで毎月5万円の仕送りを頼んできます。医療費ってそこまでかかるのでしょうか?
高齢の家族を支えるうえで、医療費については多くの人が気になるテーマです。年齢を重ねるほど医療機関を利用する機会は増えますが、その一方で公的医療保険制度により自己負担は一定程度抑えられる仕組みがあります。
 
実際の医療費負担は、生活費や介護費とのバランスも密接に関係しており、家計全体のなかでどのように位置づけるかが重要です。本記事では高齢者の医療費の実態を客観的に整理し、家族の支援がどの程度必要になるのかを考察します。
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高齢者の医療費はなぜ高く感じられるのか

高齢になるにつれて病院の受診回数が増え、慢性的な病気を抱えるケースも多くなります。また、入院性の必要性が高まることで、医療費の総額が増加する傾向にあります。
 
ただし、医療費の総額が増えても、窓口で支払う自己負担額は、年齢や所得に応じて1~3割に抑えられる仕組みです。そのため、一般的な外来や入院の場合、月に数千~数万円程度で収まることが多いでしょう。これは、「高額療養費制度」により自己負担の上限が設定されているためです。
 
高齢者の医療費が高いと感じる背景には、健康保険の適用外となる自費診療や差額ベッド代、薬代のほか、通院や治療回数の増加など、別の要因が潜んでいると考えられます。
 

平均的な自己負担額と月5万円のギャップ

厚生労働省の「令和5(2023)年度 国民医療費の概況」によると、人口一人当たりの医療費は65歳未満が21万8000円に対し、65歳以上では79万7200円とおよそ3.6倍に増加しています。
 
また、厚生労働省の第194回社会保障審議会医療保険部会の資料によると、医療費の年間自己負担額は65~69歳が約8万9000円、70~74歳が約7万3000円、75~79歳が約7万円と報告されています。
 
これを月額に換算すると6000~8000円程度であり、一般的な高齢者の医療費自己負担は1万円以内に収まることが多いと分かります。したがって、平均的な負担像から考えると、月5万円という金額はかなり高い水準といえます。
 
ただし、例外的に負担が増えるケースもあります。例えば、入院が長期化したり、複数の慢性疾患を抱えていたり、定期的に複数の科へ通院したりする場合です。
 
さらに、差額ベッド代や医療保険適用外の治療、通院にかかる交通費、薬局での自費購入品なども積み重なると実際の負担感は大きくなります。このため、親御さんが医療費としてどのような支出を認識しているのかを、具体的に確認することが重要です。
 

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月5万円の仕送りが必要になるケース

高齢者が医療関連の支出で月5万円以上を必要とするケースには、いくつか典型的なパターンがあります。
 
ひとつは、医療費以外の支出が医療費として認識されているケースです。例えば、食費や生活用品の購入、介護サービスの一部負担、通院にかかるタクシー代、さらには家賃や光熱費の増加などが「体調に関する支出」としてまとめて語られることがあります。
 
もうひとつは、介護が必要になり、医療と介護の両方に費用がかかるケースです。介護サービスの利用費は医療保険の対象外であり、負担割合も異なるため、出費が大きく感じられやすいポイントです。また、高額療養費制度の対象外となる部分が多いのも特徴です。
 
親御さんが本当に高額な医療費を払っているのか、それとも医療費以外の生活費全体が不足しているのかを明確に切り分けることが、仕送り額を適切に判断するための第一歩となります。
 

医療費と生活費を分けて把握する重要性

仕送りを検討する際には、まず親御さんの家計全体を見える化することが大切です。年金20万円の使途がどのようになっているのか、医療費に該当する支出とそれ以外の生活費がどれほどかかっているのかを明確にするだけで、問題点が浮き彫りになります。
 
過去1~2年の医療費明細や通院回数を確認すれば、平均的な医療費との違いも把握しやすくなります。家計が医療以外の要因で厳しくなっている場合は、支出の見直しや公的制度の利用支援などのサポートを行うことで、仕送り額を抑えられる可能性もあります。
 

医療費と生活費を分けて、必要な支援額を見極めよう

高齢者の医療費は増加傾向にありますが、公的制度によって自己負担は抑えられるため、平均的な自己負担は月に約6000~8000円です。それに対し、月5万円の医療費支出は平均から大きくかけ離れており、かなり高額な負担といえます。
 
ただし、個別の事情によっては一時的または継続的に高額となることもあります。重要なのは、医療費と生活費を明確に切り分け、親御さんの支出の内訳を冷静に把握することです。
 
「本当に医療費が理由なのか」「生活全体に課題があるのか」を見極めたうえで、必要なサポートを検討しながら、無理のない仕送りにつなげていきましょう。
 

出典

内閣府大臣官房政府広報室 政府広報オンライン 後期高齢者医療制度 医療費の窓口負担割合はどれくらい?
厚生労働省 第192回社会保障審議会医療保険部会 資料2 高額療養費制度の見直しについて
厚生労働省 令和5(2023)年度 国民医療費の概況
厚生労働省 第194回社会保障審議会医療保険部会 資料3 医療費における保険給付率と患者負担率のバランス等の定期的な見える化について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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