【平均年収】65歳以上でも「平均年収・729万円」の業界があると聞き驚き! 2位は「情報通信業・547万円」3位「金融業・511万円」…1位の業界は? 全年齢の平均は“478万円”!
本記事では、国税庁の最新データを基に、65歳以上で給与水準が高い業界と低い業界を比較し、豊かなセカンドキャリアを実現するための職種選びのヒントを紹介します。
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65歳以上の平均給与水準と業界別の構造
国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、65~69歳の給与所得者の平均給与は370万円、70歳以上は305万円で、65歳以上の平均給与は300万円を超えています。これは全年齢の平均年収(約478万円)に比べると低いものの、定年後の年収としては高く感じる人も多いのではないでしょうか。
しかし、平均給与が高水準の業界と低水準の業界では、年収に大きな開きがあります。
65歳以上で給与水準が高い業界・職種
国税庁の調査結果によると、高水準の給与を維持しているのは、主に高度な専門知識や資格が必要な業界です。ここでは、65歳以上の平均給与からトップ3位を紹介します。
1位:電気・ガス・熱供給・水道業(729万円)
この業界は、全年齢平均でもトップクラスの給与水準を誇り、65歳以上でもその傾向は変わりません。経験と技術、資格が必須であり、インフラを支える重要なポジションです。そのため、再雇用や嘱託が多く、高い給与が維持されやすいでしょう。
2位:情報通信業(546万8000円)
ITコンサルタントやシステムエンジニア、プロジェクトマネジャーなど、デジタル技術やシステムの開発・運用経験を持つ人材は、65歳以降も需要が高く、高収入につながりやすい分野です。システム設計や管理に関する経験は代替が難しく、高い報酬が支払われています。
3位:金融業、保険業(511万円)
この業界は、資産運用アドバイザーやコンプライアンス、リスク管理など、高い専門知識だけでなく、長年の信用や顧客基盤が必要な職種です。現役時代に培ったネットワークや専門性を生かしながら、高収入が見込めます。
65歳以上で比較的給与水準が低い業界・職種
一方で、比較的給与水準が低い傾向にあるのは、専門性が求められにくい職種です。これらの業界は、多くの企業で定年後の再雇用は、賃金が大幅に引き下げられる傾向があります。ここでは、65歳以上の平均給与からワースト3位を紹介します。
1位:宿泊業、飲食サービス業(219万円)
この業界は、時給ベースのパート・アルバイト勤務者が多く、労働時間は柔軟である反面、定年後の給与水準は低くなりがちです。特にホールスタッフや調理補助など、特別な資格や経験が求められない場合では、給与が大きく下がります。
2位:サービス業(246万5000円)
警備員や清掃員は65歳以上でも求人が豊富で、健康維持にもつながる人気の職種です。しかし、給与水準は最低賃金に近い場合が多く、年収は低めに抑えられています。
3位:複合サービス事業(252万円)
複合サービス事業とは、郵便局や農業協同組合(JA)などの一部の事業を指します。窓口業務や集配業務、簡単な事務作業などの地域に根差した業務は、雇用の場が多いでしょう。
しかし、特別な専門性よりも確実な定型業務が求められるため、給与水準は低くなる傾向があります。
職種選びのポイント
高収入を得るためには、「代替がきかない専門性」を生かすことが重要です。企業が人材を再雇用する際には、多くの場合、単なる労働力としてではなく、「その人でなければできない」技術指導や、長年の経験に基づく判断力、管理能力を求めています。
現役時代から資格の取得や自分の経験を体系化しておくことが、定年後の高収入につながるため、定年後にキャリアチェンジして高収入を目指すのは困難です。
一方、「肉体的負担の少なさ」や「勤務時間の融通の利きやすさ」が、給与水準が低い業界を選ぶメリットでもあります。セカンドキャリアの目的が「健康維持」や「社会との接点」である場合、給与の高さよりも、週2、3日の勤務形態や短時間勤務など、無理なく続けられる労働条件を優先して選ぶことが重要です。
給与水準は低くても、健康で長く働き続けられれば、老後の満足度が高まるでしょう。
定年後の仕事は「目的」を明確にしよう
65歳以上で平均給与が300万円を超えているという事実は、経験を生かせば高収入が可能であることを示しています。
給与水準が高いのは、電気・ガスなどのインフラ系、IT系、金融系など、専門性や資格が必要な分野です。一方、飲食・小売・サービス業などは、労働力としての価値が重視されるため、給与水準が低い傾向があります。
定年後の働き方を選ぶ際は、まず「働く目的」を明確にすることが重要です。高収入を目指すなら現役時代のスキルを生かせる業界を、無理なく社会との接点を保ちたいなら労働条件の柔軟な業界を選ぶなど、その目的意識が老後の充実・豊かさにつながるでしょう。
出典
国税庁 令和6年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー